【日経平均株価は振れ幅の大きな動きとなって、一気に25688円以下を目指す公算か】
○年間の値動きの違いと225先物の1営業日の変動幅の変化

図表01は、左側が225先物ミニ期近の1営業日の変動幅を示しています。図表01の右側は、日経平均株価のその年の全体の動いた値幅と方向を示しています。
左側は、順番に1年間の営業日の日数、1営業日の高値から安値までの値幅の1年間の平均値、1営業日だけで、1000円幅以上、500円幅以上、400円幅以上、300円幅以上の動きのあった日数(年間)です。
右側の陽線、陰線は、順番に大発会の始値から大納会の終値の方が高い場合、「陽線」、低い場合、「陰線」とあらわしています。年間の変動幅は、その年の最高値から最安値を引いた値幅です。
日経平均株価の年間の変動幅は、おおまかに見て、値位置が15000円以下の場合、だいたい2000~3000円幅となっていて、15000円以上の場合、4000~5000円幅の値動きとなっています。
値位置の違い以外であらわれる、年ごとの1営業日の変動幅の平均値の違いは、過去の値動きの経験則で言えば、年間が弱気に推移している年の変動幅が最も大きくなる傾向があります。次に、一定の範囲で横ばいに推移する年の1営業日の変動幅が大きくなりやすく、年間が上昇している年が、最も小さくなりやすい傾向があります。
図表01で2007年以降の動きを見てゆくと、2013年以降、徐々に、225先物ミニの1営業日の平均変動幅が大きくなっていることがわかります。
2013年以降の変動幅が大きくなっている理由は、値位置の違いだけでなく、取引の仕方の変化が影響している可能性があります(そのため、値位置が低くなっても、以前よりも1営業日の変動幅が大きい状況は変わらないと考えられます)。
さて、2013年~2019年までは、1営業日は、だいたい300円幅程度の動きとなっています。
2013年、2017年は、価格がはっきりとした上昇局面となって、日経平均の年間の変動幅が5000円幅以上となっています。これらの年の1営業日の平均変動幅は、314円、234円となっています。
2014年、2015年、2016年は、2014年と2016年が、10月頃まで一定のレンジで推移して、年末へ向けて価格が上昇しています。2015年は、前半に上昇、後半に下降する展開になっています。これらの年は、おおまかに見れば、年間がレンジ内の動きとなっている年と見ることができます。
日経平均の年間の変動幅は、4500円前後と、2013年、2017年よりも値幅が小さいにもかかわらず、1営業日の変動幅が270円幅、338円幅、373円幅と大きくなっていることがわかります。
前述した通り、下降局面、またはレンジ内の動きの方が、上昇時よりも1営業日の変動幅が大きいことがわかります。
2018年は、レンジ内の動きから、年末へ向けて下降した年です。値位置が高くなったことで、日経平均株価の年間の変動幅は、5500円と大きくなっています。2018年の1営業日の平均変動幅は、リーマンショックの年である2008円を上回り、383円幅となっています。
2020年は、日経平均株価の年間の変動幅が11244円幅もありました。そのため、225先物ミニの1営業日の変動幅が466円幅まで大きくなっています。この年は、1営業日で1000円幅の動きとなった日が23営業日、500円幅の動きとなった年が77営業日もありました。
2019年までと比較すると、2020年の異常さがわかります。
2021年は、日経平均株価の年間の変動幅が3841円幅しかかりません。それにもかかわらず、高い値位置でもちあいの動きとなったため、225先物ミニの1営業日の変動幅は、2020年を超える494円幅となっています。
500円幅以上の動きとなった日は、245営業日中、100円営業日もあります。
○2022年は異常な動きとなっている
2022年は、すでに1年間の営業日の半分近い、106営業日を経過しています。本年は、225先物ミニ期近の1営業日の平均変動幅が593円幅となっていて、500円幅以上の動きとなった日が、106営業日中、65営業日もあります。
値位置が高いことに加えて、振れ幅の大きなジグザグの動きを作り、やや弱気有利に推移してきたことで、2021年以上に極端な値動きとなっています。
この動きは、年の前半の値動きが激しくなりやすいことであらわれているわけではありません。
図表02は、2013年から2021年までの日経平均株価の月ごとの変動幅を示しています。
これを見ると、2013年以降、(図表中の赤字の部分)6月、7月の変動幅は、12か月の中で見ると小さくなっていることがわかります。ただ、全体として、年の後半が、値幅の小さい動きになっている傾向は見られません。
本年1月から5月までの日経平均株価の月ごとの変動幅は、順番に「3343円」「2105円」「3657円」「1914円」「1775円」となっています。
昨年と比較して、大きくなっているわけではありません。
本年、6月、7月は、それまでの1~5月と比べると、変動幅が短くなる可能性がありますが、225先物ミニ期近や、日経平均株価の1営業日の変動幅が大きな状況を継続する可能性があります。

○日経平均株価は25688円を目指す動きになる公算
図表03は、日経平均株価日足と、6月の予想線です。
前週末のNYダウが下げて、夜間取引の225先物が大きく下げた経緯から、週明け後の日経平均株価は、大きく下放れて始まる公算です。
本年が弱気パターンの年の展開となって、価格が3月9日の安値24681円以下を目指す動きになるなら、今後は、6月9日の高値28389円が戻り高値となって、5月12日の安値25688円まで下げる公算です。
この下げ過程では、これまでと同様、1営業日の振れ幅の大きな動きを継続すると考えられます。
一気に下げる場合でも、225先物は、夜間と日中で振れ幅の大きな上げ、下げを繰り返す可能性がある(6月の月の変動幅が小さくなるなら、1~3営業日程度で上下に大きく振れやすいと推測できます)ので、注意が必要です。
