【日経平均株価の週明け後の下げは本年の弱さを明確にする】
○日経平均株価は弱気なら23日以降、勢いの強い下げの流れへ入る公算
前回、本年の日経平均株価の5月は、はっきりとした下げの流れを作り、月足が陰線引けする展開になる可能性があると書きました。
日経平均株価は、5月12日以降、反発調となっていますが、5月が全体ではっきりとした下げの流れを作る展開になるなら、5月12日以降の上げは、3月25日以降の下降途中の一時的な反発という見方になります。
弱気の展開になる場合、5月12日以降の反発は、4月12日~21日までの上げ幅(1276円幅)と同程度の値幅で上値を抑えられた5月18日の高値27053円(1365円幅の上げ)が戻り高値となると考えられます。
この地点は、5月6日の高値27072円を前に、上値を抑えられた地点となっていて、4月中旬以降のジグザグが、徐々に上値、下値を切り下げる格好になる場所の限界点でもあります。
一定の流れができている途中であらわれるジグザグは、最長で3つの山谷までで終了して、勢いの強い流れへ入ります。
だとすれば、5月18日の高値がジグザグの動きの終点となって、5月18日以降は、勢いの強い下げの流れへ入ると考えられます。
現在が弱気の流れの途中なら、5月20日の反発が一時的な動きで終わり、週明け後の価格が、5月18日の高値27053円へ接近することなく、上値を抑えられて、下降を開始し、その下げが5月末まで継続するということです。
言い換えると、現在が弱気の流れの途中なら、週明け後の価格は、27053円を前に上値を抑えられて、その後、積極的な下げの流れへ入らなければならない(入る必要がある)ということです。
週明け後、下値堅く推移して、その後、27053円を超えるなら、現在は、下降の流れの途中ではないという見方が有力になります。
○週明け後に価格が下げると、20000円の節目が視野に入る
3月21日の記事では、「本年の日経平均株価の年足が、陰線引け(年初の値位置よりも年末の値位置が低い動き)する展開になる可能性がある」と書きました。
本年の年足が陰線引けする展開になるか否かは、週明け後の方向によって、より明確になる公算です。
1990年以降で年足が陽線引けしている年は、1993年、1994年、1999年、2003年、2004年、2005年、2006年、2009年、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2019年、2020年、2021年の17回あります。
これらの年の中で、6月以降に年間の最安値をつけている年は、「1993年-11月」、「2006年-6月」、「2012年-6月」、「2016年-6月」、「2021年-8月」などが挙げられます。
1993年は、1月~9月まで上昇の流れを作り、10月以降、一気に上げた分を下げたことで、年足が陰線引けする展開となっているので、本年と異なります。
2006年と2012年は、1月以降に価格が上昇した後、6月までの期間で上げた分を押し戻される動きを経過して、6月以降に再上昇を開始しているので、こちらも本年の展開と異なります。
2016年は、6月24日に行われたイギリスがEUから離脱するかの賛否を問う国民投票で、EUからの離脱派が勝利したことで、1営業日で高値から安値まで1437円幅の下げ場面を経過し、2月につけた年初来の安値を1円だけ割れて、すぐに値を戻しています。
1月以降に価格が下げて、6月以降に年間の最安値をつけて、年足が陽線引けした年は、2016年の一度だけです。
これら5回のケース以外は、すべて1月~4月の期間に年間の最安値をつけています。
過去の値動きを考慮すると、本年の年足が陽線引けする展開になるなら、3月9日の安値24681円が年間の最安値となって、現在が年末に向けた上昇の流れの途中であるという見方ができます。
3月25日以降の下げは、上昇途中の値幅の伴った調整場面という見方になるので、目先、下げが勢いづく展開にならず、5月12日の安値25688円が押し目底になっていることを示す動きになると考えられます。
週明け後、価格が下降を開始するなら、それは、3月9日の安値24681円以下を目指す流れであり、本年の年足が陰線引けすることを示す動きという見方ができます。
2021年9月14日の高値30795円が大天井となって、現在は、2020年3月から2021年9月までの上げ幅全体を修正する動きだと考えられます。その場合、本年の下げは、20000円の節目が視野に入ることを意味します。 図表01は、日経平均株価日足と今後の予想線です。
