【日経平均株価は5月が上昇するなら2日の安値が押し目になる公算】
○NYダウの5月は32272ドル前後で下値を支えられる動きになる公算

図表01は、NYダウ日足と今後の予想線です。
NYダウは、昨年5月以降34000ドル前後をレンジ下限としたもちあいの動きを継続してきました。
このもちあいが上昇途中の動きとなって、価格が本年1月の高値36952ドルを超える動きになる場合、年末から4月頃までの上げやすい時期に一段高を目指す展開が有力でした。
4月までの展開次第では、1月5日の高値36952ドルを積極的に超えられないとしても、36952ドル付近まで上げる可能性がありました。
しかし、35000ドル前後で強く上値を抑えられて、34000ドルを維持できずに下値を掘り下げている4月末までの値動きを考慮すると、本年は、今後の価格が上昇しても、35000ドル前後で強く上値を抑えられて、下げやすい時期に下げ幅を拡大して、弱気パターン(年末の値位置が年初の値位置よりもかなり低い展開)の年になる可能性が大きくなったと言えます。
今後は、5~9月頃までの下げやすい時期に、2月24日の安値32272ドルを割れて、30000ドルの節目以下を目指す動きになると考えられます。
今回は、5月の値動きの特徴を考慮して、今後のNYダウが30000ドルまで下げる道筋を紹介し、日経平均株価の展開を見てゆきます。

図表02は、NYダウの5月の値動きを示しています。
○が月足が陽線引けした年、●は、月足が陰線引けした年を示しています。上ヒゲ、下ヒゲ、実体は、月足のそれぞれの部位の長さを示しています。上昇幅、下降幅は、始値から高値、始値から安値までの値幅を示しています。
陰線引けした年で、上昇幅が短く、下降幅が長い動きは、5月が月初から一本調子に月末まで下げている動きを示唆しています。
5月は、陽線引けしている年が多く、価格が下げる場合でも、実体よりも下ヒゲの値幅が長くなっている年が目立ちます。5月は、価格が一本調子に下げにくい動き方になっています。
実際の値動きで、5月が月初から月末まで下げの流れを継続した年がなかったのかといえば、そうではありません。
1990年から2021年の期間では、2008年、2010年、2011年、2012年、2019年の5月が一本調子の下げ場面となっています。
これらの年には共通する値動きがあります。それは、4月末までの期間で、上昇の流れを作り、4月末、5月初めに戻り高値をつけて、下降を開始しているという動きです。
本年は、4月末に向けて、価格が下げているため、5月は、価格が下げても、5月中に下値を支えられる動きがあらわれると考えられます。
5月が積極的な下げの流れにならないと見るなら、現時点で下値の目安になっている場所は、2月24日の安値32272ドルが挙げられます。
5月は、32272ドルを維持する格好で、いったん上値を試す動きへ入るか、32272ドルを一時的に割れる動きを経過してから、月末にかけて値を戻す動きになるかのどちらかが考えられます。
○ゴールデンウイーク中は極端に動かない公算か
4月29日以降、ゴールデンウイークに入り、5月2日、6日以外は取引ができません。
NYダウが週明け後に上昇する展開を想定すると、日経平均は、6日に大聞く上昇することも考えられます。そのように見ると、5月2日の安値での押し目買いを考えたくなる方もいると思います。過去の値動きを調べると、あえて、取引できない時間帯で仕掛けずとも、6日以降の仕掛けを考えればいいという結果になっています。
2014年から2021年までの期間で、連休前の終値から連休後の始値の値位置と値幅を調べると、3~4営業日の休みがあっても、前の終値と後の始値の値幅は、あまり離れていませんでした。連休後が離れて始まっても、その後、すぐにギャップを埋める作業を経過して、次の動きへ入ってゆく動きがあらわれています。
2014年は、5月2日の終値が14457円、5月7日の始値が14296円(161円差)です。
2015年は、5月1日の終値が19531円、5月7日の始値が19356円(175円差)です。
2016年は、5月2日の終値が16147円、5月6日の始値が16212円(65円差)です。
2017年は、5月2日の終値が19445円、5月8日の始値が19709円(264円差)です。
264円の差は、5月18日に安値19449円をつけて埋めています。
2018年は、5月2日の終値が22472円、5月7日の始値が22513円(41円差)です。
2019年は、4月26日の終値が22258円、5月7日の始値が22184円(74円差)です。
2020年は、5月1日の終値が19619円、5月7日の始値が19468円(151円差)です。
2021年は、4月30日の終値が28812円、5月6日の始値が29024円(212円差)です。
2014年~2021年の期間では、連休前の終値と、連休後の始値の差がだいたい200円幅以内となっています。1週間まるまる休みだった2019年も、74円の差しか開いていません。
○日経平均株価は6日以降の動きで5月の方向が見えてくる公算
日経平均の5月2日の終値と6日の始値の値位置が近くなるなら、NYダウは、価格が下げる場合でも、6日までの期間で、2日の始値付近に値を戻す動きになっていると考えられます。
NYダウが積極的に32272ドルを割れる動きになる場合でも、6日以降の動きとしてあらわれる公算です。
32272ドルを維持する動きになる場合、6日までの期間で下値堅い場所を明確にして、6日の時点では、すでに上値を試す流れへ入ると考えられます。
日経平均株価は、5月の価格が上値を試す動きになる場合、2日の安値が押し目になって、6日以降、再上昇を開始すると考えられます。
5月の価格が下げる場合でも、2日と6日の安値が近い値位置となって、価格がいったん下値堅く推移した後、下降を開始する展開が考えられます。
図表03は、日経平均株価日足と5月の推測できる展開になります。
