【日経平均株価は、本年が弱気パターンになるなら、1月の高値29388円が年間の最高値になる公算も】
〇日経平均株価の1年間の値動きのパターン

図表01の上段は、1990年~2021年までの期間で、月足の陽線引けした確率と、年間が陽線引けした年、陰線引けした年の最高値、最安値をつけた月を示しています。
日経平均株価は、上げやすい時期に価格が上昇して、上げ幅を拡大し、下げやすい時期にあまり下げないことで、年初の値位置よりも年末の値位置が高くなって、結果として年間が陽線引けする展開となります。
上げやすい時期の上げ幅が大きくならず、下げやすい時期に下げ幅が拡大すると、年間が陰線引けする展開となっています。
図表01で分かる通り、4月、11月、12月が目立って上げやすい時期、7月が下げやすい時期となっています。
図表01の下段は、1990年から2021年までの期間で、年間が陽線引けした年、陰線引けした年のそれぞれで、年間の最高値をつけた月、最安値をつけた月を示しています。
年間が陽線引けしている年は、だいたい上げ傾向のある4月までに年間の最安値をつけて上昇を開始して、12月に年間の最高値をつける展開となっています。
年間が陰線引けしている年は、1月に年間の最高値をつけることが多く、遅くても6月頃までに年間の最高値をつけて下降を開始して、10~12月頃に年間の最安値をつける動きとなっています。
年間が陰線引けする展開になる場合、1~7月に年間の最安値をつける展開になった年が一度もありません。7月~12月までの期間で年間の最高値をつけたことは、10月に一度つけただけです。
年間が陰線引けしている年は、7月頃(7~9月頃)の下げやすい時期に日柄と値幅のともなったはっきりとした下げの流れを作っているため、7月以降に高値を更新できず、下値を掘り下げていることがわかります。
〇年足陰線で年初に下げている年は1月の高値が意識されている
1990年~2021年までの期間で年足が陰線引けしている年は、「1990年、1991年、1992年、1996年、1997年、1998年、2000年、2001年、2002年、2007年、2008年、2010年、2011年、2018年」の14回あります。
これらの年で、本年のように1月以降に価格が下げて、3月まで1月~3月までの高値を超えていない年は、1990年、1992年、1997年、2001年、2008年、2018年になります。
これらの年は、1997年、2001年、2018年以外、1月の高値が年間の最高値となっています。
1997年は、1月から4月まで上値重く推移していますが、下値を掘り下げている時期が1月13日までとなっています(本年と値動きが異なるという意味です)。
4月11日に押し目をつけて上昇を開始して、6月26日に年間の最高値をつけて、下降を開始しています。
6月26日の高値20910円は、1月(6日)の高値19500円を超えていますが、チャートを見ると、1月の高値を超えた地点から、上値重くなっていることがわかります。
2001年は、5月7日の高値14556円が年間の最高値になっています。1月(19日)の高値14186円を若干超えた程度の地点となっています。
2018年は、1月23日から3月26日まではっきりとした下降局面を形成して、3月26日~5月21日まで上昇しています。5月の高値は1月以降の下げ幅の61.8%戻しを若干超えた程度の地点でつけています。
10月に1月の高値を若干だけ、一時的に更新する動きになっていますが、それまでは、5月21日の高値を9月まで超えられない動きとなっています。
1月以降に価格が下げて、年間が陰線引けする展開になる場合、その後の価格が上昇を開始しても、1月の高値を超えられないか、1月の高値が意識される動きになっていることがわかります。
〇4月は28338円前後が意識される動きになる公算
3月20日の記事では、「本年の日経平均株価が年足陰線になる可能性がある」と書きました。
本年が弱気の展開になるなら、現時点では、「1月5日の高値29388円が本年の最高値になる可能性がある(そうならなくても29388円が意識されて、6月までに年間の最高値をつける)」「3月9日以降の上昇の戻り高値をつけた後、9月、10月頃、または年末へ向けて、24681円を割れる下げ局面へ入る」「遅くても、8月以降に3月9日の安値24681円を割れる動きがあらわれる」という見方ができます。
3月25日に戻り高値をつけた後の動きは、5営業日の期間で高値を更新できず、上値、下値を切り下げる弱気パターンを作っています。
そのため、3月25日の高値28338円をつけた後は、すでに勢いの強い上昇の流れが終息していると考えられます。
本年が弱気の年になるなら、今後の価格が積極的に1月の高値29388円を目指す展開にならないと考えられます。
4月の強気の季節性から、4月の月足が陽線引けする展開になる場合でも、4月は、28338円が意識される動きとなると考えられます。4月は、戻せば売られる展開になって、ジグザグに若干だけ下値を切り上げる動きになるか、月初に大きく下げて、下げた分を戻す動きになるかのどちらかが考えられます。
図表01は、日経平均株価日足と本年4月の想定できる展開になります。
今後の価格が24681円を割れる展開になる場合、今後の展開は、前述の通り、1月の高値が意識される中で、下値堅く推移するか、いったん24681円を試す動きを経過して、徐々に戻り高値を切り下げてゆくかのどちらかが考えられます。
後者なら、4月は、大幅な下げ場面となって、24681円を試す動きになることも考えられます。
週明け後、28338円での上値の重さを再確認する格好で価格が下降を開始する場合、4月が大幅安になる可能性を頭のすみに入れておきます。
