【日経平均株価は今週中に28489円突破目指す展開か】
〇 日経平均株価は値動きが極端になってきている
日経平均株価は、過去と現在の値動きを比較すると、現在の方が激しい動き方になっています。
値位置が高くなっていることや、浮動株の減少も理由となっていますが、それ以上に、取引の仕方が変わったことが挙げられます。
値動きが急激になったと書くと、変化の値幅が大きくなったと思われるかもしれませんが、そうではありません(値位置が変わったので、変化の幅が大きくなっていることはありますが、過去に同じ値位置だった場所との比較でもあらわれている変化があります)。

図表01は、日経平均株価の年間の変動幅です。
価格がだいたい10000円以上のときは、年間の振れ幅が3000円幅以上となっていて、だいたい4000円幅から6000円幅の範囲で動いていることがわかります。
13年以降、年間の変動幅が5000円幅になっている年が目立ちますが、5000円幅の値動きは、過去の通常の値動きです。
2020年は、ウィルスの問題で暴落しましたが、バブル崩壊となった1990年の60%程度の下げ幅に過ぎません。
急激になったのは、変動幅ではなく、値動きの角度です。

図表02は、過去と現在の上昇の仕方の違いです(必ずそうなっているわけではなく、一部に図のような違いが見られます。詳細は省きます)。
以前は、1000円幅を上げるのに10営業日かけていたとするなら、現在が5営業日で上昇してしまいます(数値は、実際の値幅ではなく、イメージです)。
以前は、上昇過程で、小幅もみあいを多く含んでいましたし、中段もちあいに日柄をかけていました。
現在は、上げ余地があるのかを探るなんて面倒なジグザグを作らず、一気に行けるところまで上昇してしまう展開となっています。
調整が入っても、押し目をつけた後、少し手間取るなんて素振りなく、一気に戻り高値を超えて、上昇の流れへ入ることが多くなっています。
上値目標値へ到達した後は、横ばいの動きになって、日柄を消化してゆきます。
9月12日の記事で、日経平均株価の2020年3月以降の上昇は、一気に3000円幅の上げを経過する動きを繰り返していると書きました。
このような極端な動き方は、2020年3月以降だけの特徴というわけではありません。
2017年10月は、日経平均株価が16連騰して、過去最長だった14連騰の記録を更新しています。
〇 日経平均は週明け後に上昇するかが焦点



図表03~05は、2020年3月以降の上昇局面で、上昇途中にあらわれた調整場面です。
図表03は、2020年3月から4月にかけての底値をつけた後の上昇場面です。
一時的な調整が4月3日に押し目をつけた後、4月8日までの4営業日で、1808円幅の上げを経過して、一気に戻り高値に接近する程度まで上昇しています。
図表04は、2020年6月以降の調整場面です。
押し目をつけた後、1営業日に反発しただけで、すぐに上値を抑えられています。
その後、価格は長いもちあいの動きへ入っています。
図表05は、2020年11月から2021年2月までの上昇場面です。
一時的な調整を経過した後は、すぐに戻り高値を超える上げを経過しています。
これまでのパターンを見ると、上昇を経過した後、反転下降して、押し目をつけた後は、すぐに上昇を開始して、再度勢いの強い上昇の流れへ入るか、もちあい局面へ入るかがはっきりとわかれています。
図表06は、日経平均株価日足と、目先の想定できる展開です。
10月20日以降、値幅の伴った下げを経過しています。
10月22日は、一段安となった後、前日終値比プラスまで上昇したことで、22日の安値28564円が押し目になっていると考えられます。
2020年3月以降の値動きのパターンを参考にするなら、目先の展開は、週明け後、すぐに見えてくるはずです。
現在が上昇の流れの途中なら、明日以降、1~3営業日程度で、一気に10月20日の高値29489円を超える公算です。
一方で、明日の価格が下げるか、または、明日以降に上昇しても、21日の高値29220円付近、戻り高値29489円へ届かずに反落するなら、その後は横ばいに推移するか、下値を試す流れになると考えられます。
今週、上値重い展開になる場合、11月中が下値堅さを確認する作業になるか、横ばいを継続する展開になることを想定しておく必要が出てきます。
図表01では、年間の変動幅が5000円幅程度になると紹介しました。
本年は、最安値が8月20日の安値26954円、最高値が9月14日の高値30795円です。
本年は、まだ3841円幅の動きにしかなっていません。年末までに高値、安値のどちらかへ、1000円程度の値幅分だけ抜ける可能性を残しています。
目先の展開は、最高値、最安値をどちらへ抜けるかを示唆する動きになります。
