【日経平均株価は底値を確認する作業へ入っている公算】
〇 NYダウは年末へ向けて上昇の流れへ入る準備が整った
以前、NYダウは、「年間が強気パターンの年(年初よりも年末の値位置の高い展開)になる場合、9月、10月に押し目をつけて、年末へ向けた上昇の流れへ入ることが多い」という過去の経験則を紹介しました。
NYダウは、34000ドル前後での下値堅さを示す格好で、10月7日の価格が上離れたことで、本年が強気パターンの年になるなら、9月20日の安値33613ドルが年末へ向けた上昇の始点になっているという見方が有力になりました。
年初から9月までの値動きを見ると、本年は、1月から5月までの期間で、30000ドルから35000ドルまで、5000ドルもの上げ幅を経過する上昇の流れを作り、その後、高値圏で横ばいに推移しています。
年間が弱気パターン(年初よりも年末の値位置が低い展開)になる場合、ほとんどのケースで年の前半に下降の流れを作り、9月頃には、年間の最安値を更新する展開となっています。
年の前半に上昇、後半に下降して、年間が横ばいパターン(年初と年末の値位置がだいたい同じ展開)になる場合、8月頃までに戻り高値をつけて、9月、10月の下げで、年間の最安値へ接近するか、年間の最安値を更新する展開となっています。
本年が大幅に下げる可能性があるとするならば、10月までの値動きだったと考えられます。
10月に大幅安となる場合、9月27日以降の下げの流れを継続する格好で、一気に下げ幅を拡大していたと考えられます。
10月7日の上げは、本年が強気パターンの年になることを示す上げだったという見方もできます。
〇 NYダウは大きな反落を経過せずに35631ドルを目指す公算
NYダウの10月の月足が陽線引けしている場合、10月の動き方には2通りのパターンがあります。月初に押し目をつけて、そのまま上昇の流れへ入るパターンと、月初から下げの流れを作り、月中に押し目をつけて、上昇を開始するパターンです。
月初の価格が上昇して、いったん反落して安値を更新してから再上昇する展開は、ほとんどあらわれていません。
本年は、34000ドル以下の下値堅さを確認して、7日に一段高となっている状況のため、10月の月足が陽線引けする場合、1日の安値33785ドルが月間の最安値になる可能性が大きいと言えます。
強気の見方が正しければ、10月は、1日の安値33785ドルへ接近するような下げを経過せず、8月につけた戻り高値33631ドルを目指す動きになるはずです。
休み明け後、価格が下げたとしても、7日の陽線の範囲内の調整で終わり、すぐに上昇を開始すると考えられます。
なお、今後の価格が下げて、33785ドルへ接近する動きになるなら、33785ドルを維持すると考えず、10月末、または11月頃まで継続する下げの流れへ入っていると見ておきます。
以上のことを考慮したNYダウの10月の展開は、図表01の実線の通りです。

〇 日経平均株価は週明け後、一時的に27293円を割れる可能性を残す
NYダウが年末へ向けて上昇を開始している可能性があると前述しましたが、日経平均株価は、12日、13日頃まで、一段安の可能性を考えておく必要があります。
NYダウが強気の展開になる場合でも、目先は、7日の安値34509ドル程度までの下げ余地があるからです。
NYダウが200ドル幅以上の下げを経過する過程で、円高を伴うなら、日経は、一時的に10月6日の安値27293円を割れる動きになることも考えられます。
日経平均の一段安の可能性を捨てきれない理由は、9月14日以降の下げの流れがきれいな5つの波のパターンを作る展開を想定しておく必要があるからです。
日経平均は、2月以降、ジグザグの動きを経過していて、29000円前後、28500円前後の水準などが反転の目安となっています。
これらの水準で下値を支えられる場合、値位置で買われることになるので、強く下値堅さを確認する作業があらわれずに上昇を開始する可能性があります。
一方で、今回のような、以前の反転の目安を次々と割れてゆく下げを経過した場合、上昇を開始するには、一連の下げの流れを経過して、多くの市場参加者が下げ切ったと判断できる展開が必要です。
そのため、下げ過程では、基準になる5つの波のパターンを作る可能性を考えておく必要があります。
また、押し目をつける場面では、はっきりとした下値堅さを確認する作業を経過する必要があります。
NYダウの10月の月足が陽線引けする展開になる場合、今週の日経平均は、下値堅い場所を確認する作業を経過すると考えられます。
日経平均株価の目先の展開は、図表02の実線の通りです。
