【日経平均はしばし調整局面を継続の公算】
〇 NYダウは、当面、8月16日の高値35631ドルが強い抵抗になる公算
前回、NYダウは、「9月、10月のどちらかで押し目をつけて、上昇を開始する」「9月に押し目をつけるなら、前週、下値の目安になる場所まで、一気に下げる可能性がある」と書きました。
前回書いたことだけで言えば、NYダウの9月20日の安値33613ドルは、5月10日~6月18日までと同程度の値幅(1820ドル幅)の下げを経過してつけた地点(8月16日~9月20日までの下げ幅が2018ドル幅)であることから、33613ドルが押し目底となって、現在が年末へ向けた上昇の流れへ入っているという見方ができます。
しかし、そのように考えられない過去の経験則があります。
それは、10月が積極的に年間の最高値を更新する展開になっていないということです。
1990年から2020年の期間で見ると、NYダウが10月に上昇して年間の最高値を積極的に更新している年は、1996年、2006年、2009年、2017年の4回あります。
これらの年は、9月の価格が上昇して、9月からの上昇の流れを継続する格好で、10月が積極的に年間の最高値を更新する動きになっています。
本年のように9月の価格が下げている場合、10月は、9月までにつけた高値まで、積極的な上昇を経過しますが、戻り高値前後では、上値を抑えられる傾向があります。
過去の経験則にしたがうなら、NYダウの9月20日以降の反発調は、8月16日の高値35631ドルを前に上値を抑えられる公算です。
今後の想定できる展開は、図表01の2通りです。
週明け後、すぐに上値を抑えられるなら、今後は、いったん33613ドルでの下値堅さを確認する作業を経過して、押し目底をつける展開になると考えられます。
週明け後も上昇を継続するなら、35631ドルを前に上値を抑えられて、10月が35000ドルを前後したレンジ内の動きとなって、年末へ向けた上昇の準備期間になると考えられます。

〇 日経平均は週明け後の価格が下げるなら29000円が視野に入る
9月12日の記事では、「日経平均株価は、2020年3月以降の5回の上昇を経過した後、50%押し程度の値幅か、1か月程度の日柄を伴った調整の動きがあらわれている」と書きました。
先に書いた見方が正しければ、NYダウは、10月末まで、積極的に35631ドル以上を目指す動きになりにくいと考えられます。
日経平均の2020年3月以降の上昇パターンと、NYダウの展開を考慮すると、今後の日経平均は、10月末頃まで、もちあいの動きへ入るか、上げ幅全体の50%押し付近の節目である29000円まで下げるかのどちらかの展開になると考えられます。
週明け後の価格が上昇するなら、10月末頃まで、30000円の節目を前後した値動きになる可能性が出てきます。
週明け後の価格が下げるなら、10月中旬頃まで、29000円、28500円程度まで下げる動きになる可能性が出てきます。
想定できる展開は、図表02の通りです。
