【日経平均は週明け後の方向で10月中旬頃までの展開が見えてくる】
〇 NYダウは9月、10月のどちらかで押し目をつける公算
NYダウは、年間が強気に推移する年でも、米国の年度末を前に、投資家の注目がその年度から翌年度の見通しに徐々に変わってゆく中で、様子見となることで、6月から9月頃までの期間、上値を抑えられやすい傾向があります。
例年、9月、10月頃までが調整期間となっていることが多いため、11月、12月は、価格が上昇しやすい傾向があります。
実際、1990年~2020年までの期間で、11月、12月の月足の陽線引けした確率を調べると、11月、12月は、どちらも74%となっていて、上昇する傾向があらわれています。
9月から12月までの期間で、いつ頃、押し目をつけているのかを調べると、1990年から2020年までの31年間では、「9月が11回」「10月が13回」「11月が5回」「12月が2回」となっています。
ほとんどの年で、9月~12月までの期間では、最安値を9月か、10月につけています。
以前より書いている通り、本年は、強気パターンの年となって、年末へ向けて価格が上昇する可能性があります。
その見方が正しければ、9月~12月の期間での最安値は、9月、または10月のどちらかでつける公算です。
〇 9月に押し目をつけるなら、今週中に下値堅さを示す

図表01は、最近のNYダウ日足です。
これまでの上昇途中の調整場面を見ると、調整場面で上値、下値を切り下げる動きを経過した日の安値が押し目底となって、上昇を開始しています。
押し目底をつけた後は、勢いの強い上昇の動きとなって、一気に戻り高値へ接近する展開となり、上値、下値を切り下げる動きとなった弱さを払拭しています。
これまでの流れを継続しているなら、8月16日以降の調整は、8月19日の安値34690ドルを割れて、上値、下値を切り下げる動きとなった9月10日の安値34847ドル付近が押し目底となって、週明け後に上昇を開始すると考えられます。
一方で、週明け後の価格が14日の安値34510ドルを割れて、一段安となった後、そのまま引ける展開になる場合、8月16日以降の下げは、それまでの上昇の流れの途中であらわれた調整と異なる動きである可能性が大きくなります。
週明け後の価格が下げて、弱気の展開になるなら、8月16日以降の下げは、昨年9月~10月の下げと同程度の値幅(3056ドル幅)の調整場面になると考えられます。
こちらの展開になるなら、下値の目安は、10月中旬、32575ドルになります。
〇 日経平均の勢いの強い上昇は終息している公算
前回、日経平均株価の2020年3月以降の上昇は、「15営業日、2500~3500円幅の5回の急上昇によって作られている」と書きました。
今回も同様の展開になるなら、8月20日の安値26954円から、18営業日で3841円の上げ幅となった9月14日の高値30795円が、8月20日以降の上昇の終点となって、9月14日以降は、値幅か日柄の長い調整場面へ入っていると考えられます。
週明け後のNYダウが下値堅く推移するなら、日経平均株価は、9月14日の高値30795円を超える動きになる公算です。
ただ、その場合でも、これまでのような積極的な上昇の流れが終息しているなら、戻り高値を超えた後、すぐに上値を抑えられて、昨年11月下旬以降のような、小幅なジグザグの動きへ入ると考えられます。
週明け後のNYダウが一段安となるなら、現在の日経平均株価は、値幅の伴った調整場面へ入っている可能性が大きくなります。
その場合、今後は、10月中旬頃までの日柄をかけて、29000円、28500円程度まで下げる可能性が出てきます。
