【日経は年末へ向けて35000円を目指す可能性を残した】
〇 NYダウは来週末に戻り高値を超えているかが焦点

NYダウは、前週末の価格が反発したことで、最近の下げが7月16日~19日の調整(1349ドル幅)ではない可能性が大きくなったと言えます。
つまり、NYダウの今後の展開は、「8月19日の安値34690ドルが押し目底になって、再上昇を開始する」、「8月16日の高値35631ドルが当面の強い抵抗となって、現在が値幅と日柄の伴った下げの流れへ入っている」かのどちらかに絞られたということです。目先、一段安となって、再上昇を開始する展開を考えないでいい状況になりました。
図表01は、NYダウ日足と今後の強弱の展開です。
8月19日の安値が押し目底になっている場合、目先の展開は、本年の上昇途中の目立った押し目をつけた場面と似た動きになると考えられます。
目立った押し目をつけた日は、1月29日、3月4日、3月25日、5月19日、6月18日、7月19日などが挙げられます。
1月29日は、押し目をつけた翌日以降、陽線が連続して、6営業日で調整前の高値を超える動きとなっています。
3月4日は、翌日以降、2営業日で調整前の高値を超えています。
3月25日は、3営業日で調整前の高値を超えています。
5月19日は、戻り高値に届く上げになりませんでしたが、3営業日で、すぐ上の抵抗を超える程度まで上げています。
6月18日以降は、以前の高値へ接近するまで10営業日かかっていますが、上昇時が一本調子に上げる展開となっています。
7月19日は、4営業日で調整前の高値を超える動きとなっています。
以前の調整場面の下げ幅や下げ期間から推測すると、NYダウは、8月19日の安値が押し目底になっているなら、8月20日の陽線を含めて、3~6営業日、陽線が連続して、16日の高値35631ドルを超える動きになると考えられます。
9月という時期や、8月16日以降の下げ幅の大きさを考慮すると、現在は、弱気有利な状況だと推測できます。
目先は、上値重い動きがあらわれたら、その時点で、下降の流れの途中だという見方が有力になります。
来週末、35631ドルを超えていなければ、下値堅く推移していても弱気ということです。
現在が下降の流れの途中なら、前週末からの反発は、下降途中の一時的な反発、または上値の重さを確認する作業になります。
どちらにしても、上値の限界だと考えられる値位置は、8月18日の高値35356ドル前後になります。
前週末の上げで上値の限界に近付いたため、弱気の展開に入っているなら、週明け後、すぐに上値の重さを示唆する動きがあらわれる可能性があります。
NYダウが年末へ向けて上昇するという見方が変わるわけではありませんが、8月16日以降が弱気の流れへ入っているなら、今後は、9月いっぱい、または10月上旬頃まで、下げの流れを継続して、32575ドル前後を目指すと考えられます。
今後は、急落して、一気に下値の目安まで下げて、下降が終わるパターンにならず、ジグザグにしっかりと下げる展開(2020年9月~10月の動きと似た展開)が考えられます。
〇 日経の上昇開始には円安の後押しが必要

8月10日の記事では、ドル・円相場の8月以降の方向の読み方について書きました。
(詳細は省きます。以前の記事を読んで下さい)本年後半の強弱の分岐点は、8月4日の安値108.69円、8月11日の高値110.8円になります。
図表02は、ドル・円相場日足と今後の予想線です。
本年後半は、108.69円を割れると、10月中旬頃までの期間で、100円の節目を目指す可能性が出てきます。
110.8円を超えると、年末へ向けて118円、120円を目指す可能性が出てきます。
本年が年末へ向けて円安の流れになる場合、8月16日以降の円安の流れを継続する格好で、9月中旬頃までに期間で、一気に110.8円を超えて、111.65円以上へ円安が進む公算です。
目先、8月19日の高値110.22円が強い抵抗になって、円高方向の動きになると、108.69円を割れて、100円を目指す動きになると考えられます。
本年の日経平均株価が年末へ向けて上昇し、大幅高となるには、週明け後、円安へ向かう動きが必要になります。
週明け後、8月19日のレンジ(109.45円~110.22円)を上下どちらへ抜ける展開になるかにも注目したい場面です。
〇 日経平均株価はまだ年末へ向けて大幅高になる可能性を残している

図表03は、日経平均株価日足と今後の予想線です。
日経平均株価は、前週末、7月30日の安値26954円を割れて、下降の流れへ入っていることを再確認する格好となっています。
9月を前に弱気の流れを示す展開となったことで、現在は、2月16日以降のジグザグの動きを抜け出して、2020年3月から2021年2月までの上げ幅全体の修正局面へ入っているという見方が有力です。今後は、10月へ向けて、本年の下値の限界を目指す流れになると考えられます。
本年が年末へ向けて上昇を開始して、2月16日の高値30714円を大きく上回る動きが残されているとするなら、それは、7月30日の安値27272円が意識される格好で、目先、すぐに上昇を開始する展開だけです。
週明け後の日経平均は、NYダウが前週末に反発した流れを映して、寄り付き値が上離れて始まる公算です。
そのため、現時点では、かろうじて本年が年末へ向けて大幅高になる可能性を残しています。
現状は弱気有利と見たくなる場面ですが、現在は、10月頃までで24000円以下を目指す、年末へ向けて35000円以上を目指す展開の分岐点のため、もう少しだけ強気の可能性を考えておきます。
弱気の展開になる場合、週明け後は、価格が反発しても、20日の高値27316円付近で強く上値を抑えられて、すぐに下降を開始すると考えられます。
週明け後、上昇を開始して、28000円以上へ一気に値を戻す動きになるなら、その上げは、戻り高値30714円を超える上げのスタート地点になる可能性があります。