【日経平均は、現在、強弱を判定する最終段階へ入っている】
〇 上げ難い、下げ難い値動きの後の展開

図表01は、上昇局面でよく見られる動きです。
短期的な上昇が一服する場面、長期の上昇局面の途中のどちらにも見られる動きです。
多くの市場参加者の想定している目標値へ到達した後、上げ難い、下げ難い動きを繰り返し、その後の強弱の判定を待っているパターンになります。
短期的な値動きであらわれる場合、数日間の急騰を経過し、一気にその時点で行けるところまで上昇した後にあらわれます。
急騰後、買い人気が残っているので、反転下降しても、価格が積極的な下げの流れにならずに下値を支えられて、上値を試すという動きを繰り返します。
急騰後の反転が上昇途中の中段もちあいなら、3つ、5つの山谷を経過して、すぐに上昇を開始します。
3つ、5つのジグザグを経過し、一段高を目指す場面で、上げきれずに上値を抑えられると、価格は、いったん大きく下げることになります。
この下げ場面での下値の目安は、ジグザグを形成する最初の押し目(図表01のAの地点)になります。
上値を抑えられた後、価格が一気に下降して、ジグザグを形成する最初の押し目前後まで下げた後、いったん下値を支えられる動きを経過します。
その後の価格が下値を掘り下げると、上昇が終了し、急騰分のすべてを押し戻される展開へ入ります。
価格が最初の押し目付近で下値堅く推移すると、次の上昇は、長く上げ幅の大きな動き(急騰分と同程度の上げ幅)になる可能性が出てきます。
短期的な急騰後に上値を抑えられるのに下げない展開は、一気に上値の目安へ到達し、買い人気を残している状態が続くことであらわれます。
長期の上昇局面が上値を抑えられるのに下げないという動きは、上げやすい時期に価格が積極的に上昇できないという動きとしてあらわれます。
ジグザグを経過する過程で、下げやすい時期へ入り、一気にジグザグの始点まで下げる動きを経過します。
ジグザグの始点まで下げた後、次の上げやすい時期まで下値堅い動きが続くと、新たに上げ幅が大きく、日柄の長い上昇の流れへ入る可能性が出てきます。
価格が下げるなら、下げやすい時期に、積極的な下げの流れへ入り、下値を掘り下げる展開となります。
〇 日経平均は強弱の判定の最終段階
日経平均株価は、2021年の年足が陽線引けするなら、1月6日の安値27002円が本年の最安値となって、7月以降に27002円を割れることなく上昇する可能性があるという見方を以前に紹介しました。
チャートだけで見るなら、強弱の目安になる押し目は、1月29日の安値27629円になります。
1月29日の安値は、図表01のA地点と同じ意味を持つ場所になります。詳細な見方については長くなるので、個人的な経験則として考えてください。
5月10日以降、価格が急落して、一気に27629円前後まで下げた後、5月13日の安値27385円が押し目となっています。
7月から8月にかけて、価格は、27385円付近が下値堅いか否かを判定するためのもちあいの動きへ入っています。
図表01のパターンを考えれば、このもちあいは、本年後半の方向と、値位置を決める最終段階であると推測できます。
本年後半が上昇の流れを作るなら、今後は、9月に7月30日の安値27272円を割れることのできない値動きになると考えられます。
9月に価格が下げても、27272円を割れない程度まで、8月中に価格が上昇しておく展開になると考えられます。
目先の価格が下げて、27272円へ接近するなら、その時点では、9月へ向けて、2月16日までの上げ幅の大部分を押し戻す動きがあらわれる可能性が出てきます。
弱気の展開になる場合、目先は、勢いの強い下げの流れを作り、一気に27272円割れを目指す動きになるはずです。
これまで、本年後半の強弱のシナリオを書いてきましたが、現在、最後の判定に入っている公算です。
強気の展開になるなら、年末へ向けて35000円以上が視野に入ります。
弱気の展開になるなら、10月頃、23000円以下まで下げる可能性が出てきます。
