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【少額の投資家のための売買戦略】2021年8月1日記

【日経平均は目先の方向で年末の値位置が見えてくる】

〇 NYダウの8月は月初から下げる

NYダウの8月は、1990年から2020年の期間で、月足の陽線引けする確率が52%となっていています。8月は、あまり方向感のない月です。

ただ、月足が陰線引けする展開になる場合だけ、はっきりとした特徴がみられます。

それは、月初に月間の最高値をつけて、すぐに下降を開始し、月末まで、下げの流れを継続するパターンになっているということです。

前述した計測期間で、月足が陰線引けしている年は、1992年、1995年、1997年、1998年、2001年、2002年、2005年、2010年、2011年、2013年、2015年、2016年、2017年、2019年の14回あります。

月の最高値をつけた日(カッコ内が営業日)は、順番に「3日(1)、2日(2)、7日(5)、3日(1)、2日(2)、22日(16)、10日(8)、9日(6)、1日(1)、2日(2)、3日(1)、15日(11)、8日(6)、1日(1)」となっています。

14年中8回が1~2営業日で8月の最高値をつけて下降を開始しています。これらの年は、月末まではっきりとした下げの流れを作っています。

14回の中で、最高値が5営業日目以上となった年は、以下のような展開となっています。

1997年は、8月7日に8月の最高値をつけています。

このときは、7月31日と8月7日の高値で小さなダブル・トップを作る格好となったことで、7日まで上値を試す流れになっただけです。

価格は、月末まで下げの流れを作っています。

2002年は、8月22日に8月の最高値をつけています。

このときは、レンジ内でのもちあいの動きの中で、たまたま陰線引けする下降になっています。

2005年は、8月10日に8月の最高値をつけています。

このときは、7月中旬から8月中旬まで、小幅なもみあいを経過して、8月10日にもみあいレンジ上限を上ヒゲ分で上回る動きを経過した後、8月末まで下げる展開となっています。

2010年は、8月9に8月の最高値をつけています。

このときは、8月2日(1営業日目)の高値付近で小さなダブル・トップをつける動きを経過し、その過程で9日に8月の最高値をつけた後、月末まで下降の流れを作っています。

2016年は、8月15日に8月の最高値をつけています。

このときは、7月中旬頃から小幅なレンジでのもみあいを8月末まで継続して、その過程で8月15日にレンジ上限を試す格好で8月の最高値をつけています。

2017年は、8月8日に8月の最高値をつけています。

このときは、それまでの上昇の流れが8月8日に戻り高値をつけて、上値を抑えられた後、9月上旬頃まで戻せば売られる展開となっています。

以上のことから、8月の月足が陰線引けする年は、「月初から下げの流れを作る」か、そうならない場合、「8月上旬に短期の天井型を作る動きを経過する」、または「8月がもみあいの中でたまたま陰線引けする」という展開になっています。

2021年のNYダウは、8月の価格が陰線引けする場合、5月10日以降、レンジ内でのもちあいの動きを継続する格好で、8月がレンジ上限から下降を開始して、レンジ下限での下値堅さを試す動きになります。

現時点で、7月29日に35000ドル以上での上値の重さを確認して、30日に下げる動きになっているため、8月の月足が陰線引けするなら、目先は、2日の高値が最高値となって、6月18日の安値33271ドルを目指す動きになると考えられます。

弱気の展開になる場合、はっきりとした値動きの目安があります。

目先は、8月の月足が陰線引けする場合の展開を基準にして、そういう経路をたどっていなければ、8月が陽線引けする可能性があると判断します。

〇 日経平均株価は目先下げるなら8月末までに25000円目指す

前回、日経平均株価は、「本年の年足が陽線引けする展開になるなら、7月までに年間の最安値をつける」と書きました。

その見方に変更はありません。

7月30日は、1月6日の安値27002円へあと270円を残すだけの場所まで下げています。

今年後半の日経平均の値位置は、目先の価格が上下どちらへ動意づくかによって、見えてくる公算です。

前述したNYダウの8月の季節性を考慮すると、弱気の展開になる場合、日経平均は、週明け後、7月30日の陰線の範囲内でのもみあいを経過した後、下降を開始するか、すぐに下降を開始するかのどちらかの展開になると考えられます。

どちらの場合での、今週、27002円を割れた後、8月末まで、下げの流れを継続する可能性が大きくなります。

弱気の展開になるなら、今後は、8月末へ向けて、はっきりとした下げの流れを継続して、25000円以下を目指す公算です。

〇 日経平均は8月に上げるなら月初から上昇の流れを作る

日経平均株価は、1990年から2020年の期間で計算すると、1月と8月の月足の陽線引けする確率が約42%で、年間を通じてもっとも低くなっています。

8月の月足が陽線引けする展開は、「月初から上昇の流れを作る」「小幅なレンジで横ばい」の2通りがあります(1992年は、下げた後に下げ分のすべてを戻す展開となっています。この時は、年初から8月まで下げの流れを継続して、8月に年間の最安値をつけて反発を開始する(年足は陰線)格好となっているので、特別なケースとして除きます)。

月足が陽線引けしている年は、13回あります。

その中で、横ばいではなく、はっきりとした上昇の流れを作っている年は、1995年、2000年、2003年、2005年、2006年、2012年、2020年の7回です。

これらの年は、1~6営業日の範囲で8月の最安値をつけて、上昇を開始する展開となっています。

8月の最安値のつけ方は、「7月末からの上昇の流れの途中で、8月の初めに小幅調整を経過する」、または、「7月末から8月上旬に短期の底入れ型を形成する」という展開となっています。

前週末の225先物21年9月限は、27490円で引けています。

週明け後の日経平均株価は、寄り付き値が上離れて始まる公算です。

本年8月が陽線引けする展開になるなら、8月は、7月30日の安値27272円を維持する格好で下値堅さを確認して、すぐに上昇を開始する展開になると考えられます。

図表01 日経平均株価日足と予想線

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