【日経平均株価は2月16日以降の弱気の流れを継続中の公算】
〇 NYダウは休み明け後に上値を抑えられるかが焦点

NYダウの7月の月足が陽線引けする確率は、1990年から2020年の期間で調べると、だいたい74%となっています。
31年間で8回しか陰線引けことがなく、7月は、上昇傾向があることがわかります。
図表01は、NYダウ日足です。
チャートを見ると、5月10日に戻り高値35091ドルをつけた後、上値、下値を切り下げるはっきりとした弱気の流れができていることがわかります。
以前より書いている通り、NYダウは、本年9月頃までの期間で、3056ドル幅の下げ場面があらわれると考えられます。
5月10日以降、3056ドル幅の下げが始まっているなら、下値の目安は、32035ドルになります。
上値を抑えられやすい時期を前に、まだ下げ余地があるため、現在が弱気の流れを継続中なら、6月18日以降の上げは、6月1日の高値34849ドルを超えられずに上値を抑えられて、下降を開始すると考えられます。
一方で、7月は、上げやすく、下値堅く推移しやすい時期のため、目先の価格が34849ドルを超えて、弱気の流れが継続していないことを示すなら、しばし上値を試す動きを継続して、35091ドルを超える展開になる可能性が出てきます。
なお、35091ドルを超えたとしても、9月頃までに3056ドル幅の下げ場面があらわれる可能性があるという見方に変わりはありません。
〇 7月が円高なら日経平均は上値重くなる公算


図表02は、日経平均株価、NYダウ、ドル・円相場(円安なら陽線引け)が7月に陽線引けしたか否かを示しています。
NYダウは、陽線確率が74.2%と陽線引けした年が多く、上昇傾向があるのに対して、日経平均の7月の陽線確率が38.7%と低く、下げていることが多くなっています。
その理由には、国内の弱気材料によって、1990年以降、日経平均が1年を通じて下げている年が目立つということもありますが、2008年以降の場合、7月が円高になっていることで、日経平均が上値を抑えられていることも考えられます。
2012年、2013年、2016年、2017年、2020年は、7月のNYダウが陽線引け、ドル・円相場が陰線引け(円高)となって、7月の日経平均が陰線引けしています。
図表03は、ドル・円相場月足です。
チャートでは、2016年12月以降、上値を切り下げる流れを作っています。
この流れを継続中なら、本年1月からの円安の動きは、2020年3月の高値111.71円を超えられずに上値を抑えられて、円高の流れへ入ると考えられます。
すでに111.71円へ迫る値位置まで円安が進んでいるため、週明け後は、強く上値を抑えられて、円高の流れになる公算です。
一方で、目先の価格が円安を継続して、111.71円を超える展開になるなら、本年は、年末へ向けて2016年12月の高値118.66円以上を目指すという見方が有力になります。
週明け後、ドル・円相場が円高、円安のどちらの流れへ入るかによって、7月の日経平均株価のおおまかな展開が見えてきます。
図表04は、日経平均株価日足です。
図には、7月の予想線を引いています。
今週以降、ドル・円相場が反転して円高の流れを作り、NYダウが6月1日の高値34849ドルを超える動きになるなら、日経平均は、図中の青の実線の通り、29000円前後、または、6月25日の高値29147円程度まで上昇した後、上値を抑えられる動きになると考えられます。
今週以降、NYダウが反転下降を開始するなら日経平均は、図の赤の実線の通り、目先の価格が下降を開始して、6月21日の安値27795円割れを目指す動きになる公算です。
