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【少額投資家のための売買戦略】2021年5月16日

【NYダウは9月頃まで上値の重くなる場所を確認】

〇 NYダウの35091ドルは今年前半の上値の限界付近となる公算

NYダウは、5月10日の高値35091ドルが戻り高値となって、値幅の伴った下げ場面を経過しています。

この下げは、まだ、これまでの上昇の流れを変化させる動きとなっていませんが、現時点での上値の限界をはっきりさせる動きだったと言えます。

以前より、NYダウは、7月から9月頃までの期間で上値重い動きになりやすいと書いてきました。

35091ドルは、この期間中、上値の目安として意識される高値(超えられない高値ではありません)になると考えられます。

図表1 NYダウの年間の変動幅

図表01は、1985年から2020年までのNYダウの年間の変動幅です。

NYダウの年間の変動幅は、価格が10000ドル以上をつけた後、だいたい2000ドル幅、3000ドル幅で推移しています。

トランプ前大統領が就任した2016年から2020年までの期間では、金融を引き締めずに財政出動を行い、バブルと呼ばれるような上昇を経過した後、勢いの強い上昇が終息へ向かう準備を始め、そして、昨年のウィルス騒動へとつながったことで、変動幅が極端に大きくなっています。

それでも、だいたい4000ドル幅から6000ドル幅の範囲内の動きとなっています。

昨年は、10000ドル以上の動きを経過していますが、それは、リーマンショック以上の大暴落を経過したことであらわれた動きなので、参考になりません。

本年の最安値は、1月29日の安値29856ドルです。5月10日の高値35091ドルまでの値幅は、5235ドル幅になります。35091ドルは、値動きの激しい状況での年間の変動幅の最大値と推測できる程度まで上昇してつけた戻り高値で、明確に強く上値を抑えられる動きがあらわれた戻り高値です。

過去の年間の変動幅、5月という時期、強く上値を抑えられたことを考慮すれば、35091ドルは、金融緩和を継続して、大規模な追加経済対策を決定している現状(現在の材料)で、上昇できるめいっぱいだと推測できます。

35091ドルを大きく上回る上昇があらわれるとすれば、今年後半、来年へ向けた見通しが出てくるときになると考えられます。

〇 NYダウの今後の想定できる2通りの展開

NYダウは、年末へ向けて上昇の流れを作る場合でも、9月、10月頃までの期間で、昨年9月3日から10月30日までの下げ幅(3056ドル幅)と同程度の値幅の調整を経過する公算です。

その場合、5月10日以降の下げが、すでに3056ドル幅の調整局面へ入っているか、6月頃までの期間で、いったん上値を試す動きを経過した後、3056ドル幅の調整へ入るかのどちらかになる可能性があります。

今年後半に上値重く推移する場合、本年が往って来いの展開になって、10月頃までの期間で、いったん1月29日の安値29856ドル前後まで下げると考えられます。

年間が横ばいの動き、または弱気の展開になる場合、その年の最高値は、5月頃までにつける動きが目立ちます。

本年が10月頃までに2月の安値を目指す展開になるなら、5月10日の高値は、本年の最高値になるという見方になります。

今後の想定できる展開は、以上の3通りです。

ただ、本年が「往って来いの展開」と「すでに3056ドル幅の下げ場面へ入っている展開」は、8月頃までの想定できる動き方が変わりません。

目先、想定しておくべき展開は、5月10日以降、すでに3056ドル幅の調整場面へ入っている展開と、6月頃までの期間で、いったん上値を試す動きを経過する展開の2通りです。

図表2 NYダウ日足と目先の展開

図表02は、NYダウ日足と目先の2通りの展開です。

5月10日~5月12日までの下げ幅(1536ドル幅)は、本年2月24日~3月4日までの下げ幅(1462ドル幅)と同程度の下げとなっています。

現在が上昇の流れを継続中なら、5月12日の安値33555ドルが調整の終点となって、目先は、戻り高値35091ドルを超える動きになると考えられます。

NYダウは、戻り高値を超える上げ場面へ入っている場合、戻り高値付近まで一本調子に上昇する傾向があります。

33555ドルが押し目底になっているなら、目先は、一気に35091ドル付近まで上げる公算です。

35091ドルを突破した後は、上げ難い、下げ難い動きの中で、下降のきっかけを待つ展開になると考えられます。

5月10日の高値が戻り高値となって、すでに3056ドル幅の調整局面へ入っている(下値の目安は32035ドル)なら、5月12日以降の反発は、5月10日の高値を中心としたヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右肩の高値を形成中だと考えられます。

その場合、5月14日の高値34454ドルの地点は、(左肩の高値である)4月16日の高値34256ドルを超えているため、すでに上値の限界に位置していると考えられます。

週明け後は、34454ドル付近ですぐに上値を抑えられて、再度下値を試す動きになる公算です。

週明け後は、価格が続伸するなら、35091ドルを超える展開、上値を抑えられるなら、下降の流れを継続中という見方が有力になります。

〇 日経平均株価は17日の日中に上値を抑えられるかが焦点

図表3 日経平均株価日足と目先の展開

図表03は、日経平均株価日足と目先の予想線です。

NYダウが35091ドルを超える展開になる場合、日経平均株価は、緑の実線の通り、目先、一気に29000円以上へ上昇した後、徐々にジグザグに上値、下値を切り上げて、戻り高値30714円を目指す動きになると考えられます。

NYダウが3056ドル幅の調整場面へ入っている場合、日経平均株価は、赤の実線の通り、週明け後、一段高を経過した後、28500円前後で強く上値を抑えられて、再度下値を試す動きへ入ると考えられます。

日経平均株価は、週明け後の価格が上値を抑えられる場合、5月中、もちあいの動きを経過して、6月以降、25000円程度まで下げる動きへ入る可能性が出てきます。

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