日経平均株価は上値の限界を確認する動きへ入っている
〇11月に上げやすいNYダウが11月に下げる場合の動き方

図表01は、NYダウの11月の値動きを示しています。
数値は、左から順番に、1990年から2024年までの期間の「11月の4本値」、「月足が陽線引けした年が〇、陰線引けした年が●」、「陽線引けした年の上ヒゲ(高値-終値)、下ヒゲ(始値-安値)、実体(終値-始値)の長さ」、「陰線引けした年の上ヒゲ(高値-始値)、下ヒゲ(終値-安値)、実体(始値-終値)の長さ」、「月足が陰線引けした年の11月の最高値をつけた日と、月初からの営業日」になります。
NYダウは、新年度の始まりとなる10月頃に押し目をつけて、翌年へ向けた上昇の流れへ入ることが多く、11月が上げやすい時期となっています。
図表01では、35年中、26回(月足が陽線引けする確率は74%)、11月に価格が上昇していることがわかります。
35年中、9回しかない月足が陰線引けしている年には、「11月が月初から下げの流れを作る」というはっきりとした特徴があります。
1991年、1994年、2007年は、11月の初日の高値が11月の最高値となって、下降を開始しています。
2008年は、2営業日目に最高値をつけています。
2000年、2003年、2012年は、4営業日、5営業日目に最高値をつけていますが、月初の高値を若干だけ上回った地点が最高値となって、下降を開始しています。
2012年と2021年は、10月下旬の上昇の流れを継続する格好で、月初に連続して上げた後、上値を抑えられる動きとなっています。
図表02は、NYダウ日足です。
10月14日以降、上昇の流れを作っていましたが、10月28日以降、48000ドルを試す過程で、上ヒゲの長い線が連続してあらわれて、48000ドルが抵抗になっていることを示唆しています。
10月14日以降の上昇パターンを継続するなら、10月21日~22日の陰線1本の調整場面と同程度の値幅となる10月31日の安値47347ドルが押し目になって、週明け後は、48040ドル以上を目指す動きになる公算です。
前述した11月の特徴を考慮すると、11月の月足が陰線引けして、値幅のともなった下げの流れを作る場合、10月29日の高値48040ドルが戻り高値になって、11月が月初から下降を開始すると考えられます。
48040ドルが戻り高値となって、しばし調整の流れへ入るか、上昇継続となるかは、週明け後に10月31日の安値47347ドルを割れるか、10月29日の高値48040ドルを超えるかによって見えてきます。

〇日経平均株価の目標値は、54060円を大きく上回る水準

図表03は、日経平均株価日足です。
これまでの動きから、現在の上値の目安になる場所は、54060円を大きく上回る場所だと推測できます。
今後の価格が54060円以上へ上げる可能性があるなら、現在の勢いの強い上昇を継続する格好で、一気に上げる展開になると考えられます。
以前に紹介した25日乖離線(終値-25日移動平均値)は、10月31日に過去最高水準を更新する4299円をつけています。
このような25日乖離線の動きは、当面の戻り高値を取りに行く動きへ入っていることを示しています。
今後は、54060円へ到達するか否かにかかわらず、次に強く上値を抑えられた地点の付近で、戻り高値を確認する作業へ入ると考えられます。
図表04は、日経平均株価日足と、今後の予想線です。
日経平均株価のさらなる上昇は、週明け後のNYダウが上昇し、11月の強さ示すことであらわれると考えられます。
日経平均株価は、休み明け後の価格が上放れて始まって、そのまま一気に54060円を大きく上回る上げ場面となって、上値の限界を目指す展開になる公算です。
週明け後のNYダウが47347ドルを割れて、弱気の流れを示すなら、日経平均株価は、休み明け後、上値を抑えられて、上昇の流れの転換を示す動きへ入ると考えられます。
