日経平均株価は45852円が本年の最高値になる公算か
〇NYダウが9月に年初来高値を更新して上昇する展開
NYダウの9月は、1990年~2024年の期間で、月足が陽線引けする確率が46%(下げている年の方が多い)となっていて、10月から年末へ向けた上昇期を前に、下値を試しやすい時期になっています。
本年のNYダウは、9月に年初来高値を更新して上昇を継続しています。
本年と同様に9月に年初来高値を更新している年の値動きを見ると、9月以降の展開が強弱の2通りに分かれています。
強気の展開は、9月の安値を割れることなく、年末まで上昇を継続するパターンです。
弱気の展開は、9月、10月に戻り高値をつけて、その後、9月の安値を大きく下回る動きを経過するパターンです。
両方に共通する動き方は、9月に8月までの高値を更新した後、9月中、積極的に年初来高値を取りに行く展開になっていないということです。
9月に年初来高値を更新した年は、1991年、1995年、1996年、2003年、2006年、2009年、2012年、2013年、2014年、2017年、2018年、2024年の12回です。
強気の展開になった年は、1995年、1996年、2003年、2006年、2009年、2017年、2024年の7回です。
これらの年は、2003年以外、どの年も、9月が月初から上昇を開始して、9月の安値に接近することなく、年末まではっきりとした上昇の流れを継続しています。
2003年は、9月中がジグザグに推移して、9月末に押し目をつけて、年末へ向けた上昇へ入っています。
7回のケースでは、どの年も、9月中、年初来高値を更新した後、月末まで上値重く推移しています。
1995年は、13日に年初来高値を更新して、15日に9月の最高値をつけています。
1996年は、13日に年初来高値を更新して、16日に上値を抑えられた後、月末まで横ばいに推移しています。
2003年は、月初に年初来高値を更新した後、すぐに上値を抑えられて、ジグザグに推移しています。
2006年は、26日に年初来高値を更新しています。その後、月末まで小動きとなっています。
2009年は、11日に年初来高値を更新し、17日まで(4営業日)堅調に推移して、その後、上値を抑えられています。
2017年は、14日に年初来高値を更新し、20日まで堅調に推移して、その後、上値を抑えられています。
2024年は、16日に年初来高値を更新した後、19日に一段高となって、その後、横ばいに推移しています。
〇NYダウが9月に年初来高値を更新して上値を抑えられるケース
弱気の展開になった年は、1991年、2012年、2013年、2014年、2018年の5回です。
これらの年は、9月、10月に戻り高値をつけた後、9月の安値を下回る下げ場面があらわれています。
9月の安値を割れて、押し目をつけた後、年末まで上昇するケースと、年末まで上値重くなるケースがあります。
1991年は、9月3日に戻り高値をつけた後、10月9日まで下げの流れへ入っています。
2012年は、9月14日に9月の最高値13653ドルをつけた後、上値を抑えられています。
その後、10月5日に13661ドルで戻り高値をつけて、11月16日まで、はっきりとした下げの流れを作り、大きく下げています。
2013年は、9月18日に戻り高値をつけた後、10月9日まで一本調子の下げ場面となって、9月の安値以下へ下げています。
2014年は、9月19日に戻り高値をつけた後、10月15日まで一本調子の下げ場面となって、9月の安値以下へ下げています。
2018年は、(9月末に1月の年初来高値を若干だけ超えて、その後)10月3日の高値が戻り高値となって、その後、年末まで下げの流れを作っています。
どの年も、9月に年初来高値を超える動きがあらわれた後、すぐに上値を抑えられています。
過去の値動きを考慮すると、本年のNYダウは、このまま上昇の流れを継続する展開にならず、月末まで、横ばいに推移するか、戻り高値を確認する作業へ入ると考えられます。
〇日経平均株価の9月19日の高値は強い抵抗になっている
日経平均株価は、9月19日に1357円幅の振れ幅(高値から安値までの値幅)となって、上値を抑えられています。
4月7日から11日の暴落後に押し目をつけて急反発する場面を除けば、9月19日の振れ幅は、1月以降で最も大きな振れ幅となっています。
前回、9月の変動幅が年間を通じて最も大きな値幅になっていないことから、本年9月の変動幅は、「8月の4025円幅を大きく上回る振れ幅になる展開を考えにくい」と紹介しました。
9月19日の高値45852円から9月1日の安値41835円までの値幅は、4017円幅となっています。
振れ幅では、すでに上げられる限界に位置していることがわかります。
終値から25日移動平均線を引いた乖離線(以下、25日乖離線)は、5月に過去最高の水準となる3165円をつけていますが、その後、2000円以上の地点で上値を抑えられています。
9月19日は、25日乖離線が2000円を超えた後、上値を抑えられる格好になっています。
4月7日以降の上昇が5つの波のパターンを形成中と見た場合、9月1日以降の上げが最終段階の上昇局面で、9月19日の高値は、最終段階の上昇が終息した地点とカウントできます。
以上のことや、NYダウの9月中の上げ余地が限られることなどを考慮すると、9月19日の高値45852円は、今後の強い抵抗になって、少なくとも9月中、45852円を超えられずに推移すると考えられます。
目先は、19日に動いた範囲内で、下値堅さを確認する作業になるか、45852円が戻り高値となって、下降を開始する準備の動きへ入るかのどちらかになる公算です。 図表01は、日経平均株価日足と、今後の予想線です。
