日経平均株価は36855円まで下げる公算か
〇NYダウの下げが一時的なら、週明け後、すぐに上昇を開始する公算

図表01は、年初からのNYダウ日足です。
本年のNYダウは、1月31日に戻り高値45054ドルをつけた後、下降を開始して、4月7日の安値36611ドルまで下げています。
4月7日以降は、上昇を開始して、1月末からの下げの大部分を戻す動きとなっています。
4月7日以降の上昇を現在も継続しているなら、7月23日以降の下げは、上昇途中の一時的な調整という見方ができます。
その場合、7月23日以降の下げは、「(1) 5月19日~23日までの下げ幅と同程度の値幅(1488ドル幅)の調整」、「(2)4月15日~21日までの下げ幅と同程度の値幅(2961ドル幅)の調整」のどちらかだと考えられます。
(1)の1488ドル幅の調整の場合、下値の目安は、7月23日の高値45016ドルから1488ドルを引いた地点(43528ドル)になります。
8月1日の下げで、下値の目安へ到達しているので、週明け後は、押し目をつける動きになると考えられます。
8月1日は、7月16日の安値43758ドルを割れて、短期のダブル・トップを完成して、43758ドル以下に十分な下げ余地があることを示唆しています。
現状での弱さを示したばかりのため、目先の価格が43528ドル前後で押し目をつけて、再上昇を開始するには、前週末に示した弱さを払拭する格好で、すぐに上昇を開始する必要があります。
また、5月19日~23日までの調整は、5営業日下げて、押し目をつけた後、10営業日目に5月19日の高値42842ドルを超える動きとなって、比較的短い期間で押し目をつけて、上昇するパターンとなっています。
7月23日以降が(1)の調整なら、目先は、だらだらと下値堅さを確認する作業にならず、すぐに7月31日の安値44049ドル以上へ値を戻し、前週末に示した弱さを払拭する反発の動きがあらわれるはずです。
また、8月中には、7月23日の高値45016ドルを超えて、上昇の流れの継続を示す動きになると考えられます。
〇本年のNYダウは、8月に年初来高値を更新する展開にならないという見方が有力
前回、日経平均株価は、8月に年初来高値を積極的に更新する展開にならないという過去の経験則を紹介しました。
NYダウも、同様に8月が年初来高値を更新して、積極的に高値を取りに行く展開になっていません。
8月に年初来高値を更新することもありますが、そうなっても、すぐに上値を抑えられて、高値更新が一時的で終わっています。
1990年から2024年までの期間で、1月から7月までの高値を8月に更新している年は、14回あります。
14回の中で、1991年、1993年、1995年、1997年、1999年、2013年、2017年、2021年、2024年の9回は、年初から上昇の流れを作り、典型的な強気パターンの年の展開となっています(本年の動き方と異なります)。
14回の中の残りの5回(2003年、2009年、2014年、2016年、2023年)は、本年のように年初に価格が大きく下げた後、再上昇を開始して、8月に年初来高値を更新する展開となっています。
ただ、過去5回のケースでは、すべての年で、5月頃まで、遅くても7月までに年初来高値を更新して、年初の下げのすべてを戻す強さを示しています。
本年は、7月に1月31日の高値45054ドルを超える可能性がありましたが、そうならずに上値の重さを示す格好で戻りを売られています。
8月は、強気パターンの年で、7月までに年初来高値を更新し続けて、上げ余地の十分にあることを示していても、上値を抑えられる時期です。
本年は、そのような時期を前に、年初の高値での上値の重さを再確認する展開となっています。
以上のことを考慮すると、7月23日以降の下げは、(2)の2961ドル幅の調整か、戻り高値をつけた後の下げ場面のどちらかだと推測できます。
だとすれば、(2)の調整であっても、まだ1000ドル幅以上の下げ余地があるので、目先は、はっきりとした下げの流れを継続する公算です。
〇日経平均は週明け後の下げ方で下値の目安が見えてくる

図表02は、日経平均株価日足と今後の想定できる展開です。
図の下の部分に、日経平均の5月以降のジグザグの動きの見方を紹介しています。
図の左の右側は、上昇途中のボックス型中段もちあいです。
上昇途中のボックス型中段もちあいは、もちあいを開始した後、3波、5波でもちあいを終了して、新たな上昇の流れへ入ります。
上値、下値を切り上げるジグザグは、もちあい期間の買い意欲が強く、レンジ下限へ価格が下げる前に反発を開始することであらわれる動きです。
そのため、このジグザグが上昇途中の動きの場合、3つの上げ下げ、または5つの上げ下げを経過した後、上昇を開始すると考えられます。
5つの上げ下げを経過しても、上昇できないなら、いったんジグザグの始点まで価格が下げる動きになると考えられます(上昇のきっかけを失って、上昇余力がなくなっている可能性があるためです)。
日経平均株価は、5月13日以降、上値、下値を切り上げるジグザグの動きとなっていて、7月24日以降の下げが、5月13日以降のジグザグの動きの5つ目の動きになっています。
5つ目の下げの下値の目安は、(42065円から1639円を引いた)40426円前後が挙げられます。
現在が上昇の流れの途中なら、40426円前後で押し目をつけた後、はっきりとした勢いの強い上昇局面へ入り、7月24日の高値42065円を大きく上回る動きになると考えられます。
一方で、目先、押し目をつけて上昇を開始する展開にならなければ、その時点では、上げなければいけない場面でそうならなかった弱さから、上昇余力のなくなっている可能性を考えておく必要が出てきます。
前週末のNYダウは、大きく下げています。
NYダウの下げに沿って、225先物期近も、前週末の夜間取引で40000円前後まで下げています。
そのため、週明け後の日経平均は、寄り付き値が下値の目安となる40426円以下へ位置する公算です。
週明け後の寄り付き値が下値の目安を下回るため、5月以降のジグザグの動きを経過して、今後の価格が上昇するには、週明け後、すぐに押し目をつけて、再上昇を開始する必要があります。
目先、日経平均は、すぐに上昇を開始して、大幅で勢いの強い上げの流れへ入らなければいけない状況です。
そうならなければ、現在が上昇の流れの途中だと見ることができなくなります。
しかし、日経平均株価、NYダウの8月は、積極的に年初来高値を更新しにくい時期です。
NYダウは、一時的にせよ、42055ドルまで、あと1000ドル幅以上の下げ余地を残している状態という見方が有力です。
現時点では、日経平均が積極的な上昇の流れへ入る展開を想定しにくいと言えます。
週明け後、寄り付き値が40426円を若干下回る程度で始まって、すぐに上昇を開始するなら、その後は、勢いの強い上昇の流れへ入り、42065円以上を積極的に目指す動きになる可能性を残します。
しかし、週明け後、すんなりと押し目をつける展開にならず、少しでも上値重く推移するなら、その時点では、42065円が戻り高値になって、今後の価格が5月の22日の安値36855円(ジグザグの始点)まで下げる可能性があると見ておきます。