日経平均株価はしばし戻せば売られる展開になる公算
〇日経平均株価は、これまでの勢いの強い上昇の流れが終息

図表01は、上段が日経平均株価日足と25日の移動平均線、下段が終値から25日移動平均線を引いた乖離線です。
前回も紹介しましたが、1985年以降の乖離線を見ると、乖離線が2000円以上をつけているのは、1990年のバブル崩壊後の暴落の反動高場面、2020年のコロナショック後の反動高場面、2023年、2024年の勢いの強い上昇場面などに限られています。
25日の乖離線の2000円以上の地点は、極端な値動きがあったときだけ、あらわれる水準となっています。
1985年以降の25日の乖離線の最高水準は、2024年7月11日の2593円となっていました。
38494円で戻り高値をつけた5月13日は、乖離線が3165円まで上げて、上値を抑えられる動きへ入っています。
乖離線が過去最高の水準まで上昇した後、反転下降する動きがあらわれているので、5月13日以降の下げは、4月中旬以降の勢いの強い上昇の流れの終息を示唆していると推測できます。
オシレーター系指標が反転下降水準に位置してから反転すると、その後の価格は、大きく下げると思われがちですが、そういうわけではありません。
オシレーター系指標の高水準からの反転下降は、これまでの上昇の勢いが失われたことを示しているに過ぎません。
新たな上昇を開始して、38494円を大きく上回る上げ場面へ入ることも十分に考えられます。
ただ、新たな上昇を開始するためには、エネルギーの蓄積期間が必要になるということです。
エネルギーの蓄積が必要とは、「価格が買い人気があらわれる地点まで十分に下げる(調整幅)」、「経済指標の発表、金融政策の転換など、次にある材料に注目が集まるまでの時間(調整期間)」のどちらか、または両方を待っている状態を意味しています。
国内で、今後、新たな上昇を開始するのに十分なエネルギーをもらえる材料があるなら、それは、日銀の引き締めから緩和方向への政策変更、参議院選挙での景気対策の公約などが考えられます。
いずれも、6月以降の材料になるので、5月中、積極的な上昇を促す要因にはなりにくいと推測できます。
5月中、再上昇を開始する可能性があるなら、現在の買い人気が継続していて、一定の値幅の下げを経過して、値位置で買われる動きになるという見方が有力です。
〇日経平均の短期的な下値の目安は36500円前後
乖離線は、価格が勢いの強い流れが終息した後、0ライン前後へ向かう動きになります。
反転上昇を開始するとしても、価格は、25日移動平均線前後まで下げるだろうという見方になります。
「価格が25日移動平均線で支えられる」と見るわけではありません。
前週末15日の25日移動平均線は、35456円に位置しています。
目先、すぐに価格が下げる場合、25日移動平均線が上げる期間が少ないので、それだけ、下げ幅が大きくなりやすいと推測できます。
目先の価格が下げ渋ると、25日移動平均線の水準が上がり、下値の目安の値位置が高くなります。
チャートでは、現在が上昇の流れの途中なら、4月10日から11日の調整と同程度の値幅(2013円幅)の下げ場面だと推測できます。
下値の目安は、36481円前後が挙げられます。
チャートでの下値の目安が36481円なので、25日移動平均線は、36000円以上へ上げるまでの日柄が必要になります。
そのため、調整入り後、36481円前後で押し目をつける展開になるなら、目先、高値圏でもみあうか、下げた後、押し目をつける場所でもみあいの動きになると考えられます。
目先、1~3営業日程度で、下値の目安となる36481円まで下げるなら、その場合は、すぐに上昇を開始する展開にならず、36481円前後でジグザグして(日柄をかせいで)後、上昇を開始すると考えられます。
押し目をつけてすぐに上昇するパターンになるなら、目先は、高値圏でもみ合いとなった後、下値を試す動きへ入る公算です。
どちらの場合でも、今週末から来週にかけて、押し目を確認できる動きがあらわれる公算です。
6月、7月に4月7日の安値30792円以下へ下げるなら、積極的な下降を開始する動きは、5月末から6月上旬頃から始まると考えられます。
今週末から来週初め、36481円前後で押し目をつけて上昇を開始して、38494円以上へ上げると、30792円が本年の最安値になる(6月~9月に価格が下げても、30792円を維持する展開になる)可能性が出てきます。