日経平均株価は、週明け後、上値を抑えられた時点で36000円以下へ下げる可能性が大きくなる
〇日経平均株価の1月の値動きのパターン
前回、日経平均株価が1月に月初から下げているときの値動きのパターンを参考にして、本年1月は、「月足が陽線引けする場合、昨年12月19日の安値38355円を前に下値を支えられて、反発を開始する」、「月足が陰線引けする場合、1月中に昨年10月24日の安値37712円まで下げる」と紹介しました。
日経平均株価は、1月14日の下げで、38355円を割れて、1月の月足が陰線引けする可能性のある展開へ入っていますが、気になる点もあります。
前週末のNYダウが上昇したことで、週明け後の日経平均株価が反発すると考えられることです。
チャートを見ると、14日に38305円まで下げて、38355円を割れていますが、終値が38474円となって、かろうじて38355円を維持する格好となっています。
17日も38055円まで下げる動きを経過しましたが、終値が38451円をつけて、結果として、下ヒゲの長い線となって、38355円を維持しています。
週明け後、寄り付き値が上放れて始まると、38355円前後が強く市場参加者に意識される値位置となっていて、1月17日の安値38055円が押し目底になる可能性を考えておく必要が出てきます。
今回は、月足が陰線引けするか、陽線引けするかにかかわらず、1月に月初から下げて、月中に押し目をつける展開になった場合、月末まで、どのような上げ方になっているのかを見てゆきます。
結論から言えば、月初に下げている年は、月中に押し目をつけて上昇を開始しても、月末の値位置が月初の高値付近に位置しています。
1月に月初から下げて、月初から4営業日以上経過して1月の最安値をつけた年は、1990年、1991年、1992年、1993年、1995年、1997年、2000年、2001年、2002年、2003年、2006年、2007年、2008年、2009年、2014年、2015年、2016年、2017年、2022年が挙げられます。
これらの年の中で、1月の月足が陽線引けした年は、1993年、2000年、2006年、2007年、2015年の5回です。
その他の年は、1月の月足が陰線引けしているので、目先の上昇が1月7日の高値40288円を超えることなく、月末に上値を抑えられるということです。
1993年は、1月26日に押し目をつけて、急上昇を開始して、月末となる1月29日までの期間で、一気に月初からの下げ分を戻しています。
1月29日に1月の最高値17177円をつけていますが、この高値は、1月7日の高値17058円を若干だけ超えた地点となっています。
2000年は、1月7日に押し目をつけた後、すぐに上昇を開始して、一気に月初の高値を超える動きとなった後、すぐに上値を抑えられて、月初の高値付近でうろうろする動きを経過して、月末に一段高となっています。
2006年は、1月18日に押し目をつけた後、すぐに上昇を開始して、1月30日に高値16754円をつけて、月初の高値16490円を超える動きとなっています。
2007年は、1月11日に押し目をつけた後、一本調子の上昇の流れを作り、1月18日に月初の高値17379円を超えています。
その後、月末まで、月初の高値よりも若干高い値位置でジグザグに横ばいに推移しています。
2015年は、1月16日に押し目をつけた後、一本調子の上昇の流れを作り、1月27日に月初の高値17540円を超えて、1月28日に1月の最高値17850円をつけています。
どの年も、押し目をつけた後、一気に上昇して、月初の高値を超える動きとなりますが、1月中、月初の高値を大きく上回る動きとならずに上値を抑えられています。
1月の月足が陽線引けする展開になるなら、1月17日の安値38055円が押し目となって、目先、一本調子の上昇場面となって、月末頃までの期間で1月7日の高値40288円を若干だけ超える動きになると考えられます。
今週中、一気に40288円を超えるなら、来週は上値重く推移する可能性が出てきます。
〇日経平均株価は、一本調子の上昇場面へ入るかが焦点
前回、「過去の値動きを参考にすると、1月の月足が陰線引けする場合、株価を押し上げる政策が実行されなければ、日経平均株価は、年足が陰線引けする展開になる」と書きました。
これまでの1月の値動きを考慮すると、週明け後、一本調子の上昇の流れへ入り、一気に1月7日の高値40288円を超える動きにならなければ、2025年は、年足が陰線引けする展開になると推測できます。
図表01は、日経平均株価日足と、今後の想定できる値動きになります。
1月の過去の経験則と、現在の値動きと合わせて、今後の展開を推測するなら、1月の月足が陽線引けするパターンは、図表01の青の実線の展開が有力だと考えられます。
1月の月足が陰線引けするパターンは、赤の実線の展開が有力です。
青の実線は、目先、一本調子の上昇場面となって、昨年12月27日の高値40398円を目指すパターンです。
こちらの展開になる場合、1月中は、40398円前後で上値を抑えられて、2月に一段高を経過すると考えられます。
一方で、赤の実線の展開になるなら、昨年12月27日以降の下げは、昨年9月下旬以降のもちあいレンジ下限を抜けて、下値を試す動きへ入っているという見方になります。
目先反発しても、その動きは、下降の流れの途中の一時的な反発だと考えられます。
週明け後の上げは、1月6日~7日と同程度の値幅(1056円幅)の反発で終わり、再度下降を開始する公算です。
目先の反発の上値の目安は、39111円前後が挙げられます。
