日経平均株価は1月中に37712円以下を目指す公算か
〇日経平均株価は38355円を前に下値を支えられるかが焦点
前回、1月の月足が陰線引けするときは、「1990年から2024年までの期間で見ると、陰線引けした19回中13回が3営業日以内で1月の最高値をつけていて、1月が月初から下げの流れを作っていることが多い」、「1月の月足が陽線引けする場合、月初からすぐに上昇を開始するか、月初にいったん下げた後、中旬に押し目をつけて、月末まで上昇の流れを作るかのどちらかの展開になっている」という1月の値動きの傾向を紹介しました。
本年1月の日経平均株価は、大発会から2営業日目となる1月7日の高値40288円で上値を抑えられて、下降を開始しています。
前週末のNYダウが大きく下げたことで、週明け後の日経平均株価は、寄り付き値が大きく下放れて始まる公算です。
2営業日目の高値が抵抗となって、下降を開始している経緯を考慮すると、本年1月の日経平均株価は、「しばし一本調子の下げの流れを作って、一気に下値の目安になる場所まで下げた後、月末まで上値重い動きとなる」、「目先、一気に下値の目安まで下げた後、すぐに押し目をつけて月末へ向けて上昇を開始する」という展開のどちらかになると考えられます。
1月の月足が陰線引けする展開になる場合、目先の下げは、「もちあいレンジ上限から下限へ向かう動き」、または「昨年12月の高値40398円が戻り高値となって、下げの流れへ入っている途中の動き」のどちらかだと考えられます。
どちらの場合でも、目先は一本調子に下げて、昨年10月24日の安値37712円を目指す公算です。
1月の月足が陽線引けする展開になる場合、昨年9月下旬以降、押し目を切り上げるもちあいの動きの途中だと推測できることから、目先の下げは、昨年12月19日の安値38555円を前に下値を支えられて、上昇を開始すると考えられます。
図表01は、日経平均株価日足と、1月の想定できる展開です。
現時点では、1月が赤と青の実線のどちらかになると推測できます。
休み明け後の日経平均株価は、寄り付き値が大きく下放れて、38555円に接近すると考えられるため、1月の月足が陽線引けするなら、14日、15日は、38555円を前に下値を支えられる動きがあらわれるはずです。
そうならずに下降を継続して、38555円を割れる場合、その後の価格が37712円割れを目指すと考えらえます。

〇日経平均株価の今年の目安になる動き方

図表02は、今後の価格が図表01の赤の実線の展開になる場合の本年全体の動き方の目安です。
本年は、「1月の高値が年間の最高値となって、10月頃まで、下降の流れを作る(年足陰線)」、「4月~6月に年間の最高値をつけて、10月、年末頃まで、下降の流れを作る(年足陰線)」、「3月から6月頃までの期間で押し目底をつけて上昇を開始する(年足陽線)」という3通りのどれかになると考えられます。
図表01の赤の実線は、1月の月初に月の最高値をつけて、月初に下げ幅の大きな動きを経過した後、上値重く推移する展開です。
1990年から2024年までの期間で、1月が月初から積極的な下げ場面となった年は、1990年、1991年、1992年、1995年、1997年、2002年、2003年、2008年、2009年、2014年、2016年、2017年、2022年が挙げられます。
これらの年の中で、年足が陽線で引けている年は、1995年、2003年、2009年、2014年、2016年、2017年です。
1995年、2003年、2009年は、年初から下げの流れへ入りましたが、急激な円高、長期の景気低迷、リーマンショックから抜け出すきっかけになる経済対策が実行されて、年央に押し目底をつけて、上昇を開始しています。
2014年は、10月に日銀が量的緩和第二弾を発表し、株価が上昇を開始しています。
2016年は、トランプ大統領誕生で、NYダウが11月以降に大幅高となって、日経も上昇しています。
2017年は、トランプ減税の成立により、NYダウが年の後半から上昇し、日経も上昇の流れを作っています。
以上のように、1月が月初から積極的な下げの流れを作っている年は、日経平均株価が上昇できる新たな材料が入る場合だけ、年末へ向けて価格が上昇して、年足が陽線引けする展開になっています。
政府、日銀が(結果として)株価を押し上げることを目的とした政策を実行しなければ、1月に月初から下降する年は、年足が陰線引けする展開になっています。
日経平均株価は、休み明け後の価格が下げて、38355円を割れると、1月7日の高値40288円が本年の最高値になる可能性を考えておく必要が出てきます。