日経平均は週明け後に上値を抑えられると、下降を開始する公算も
〇NYダウは勢いの強い上昇の流れを作るかが焦点
NYダウは、前週末に9月27日の高値42628ドルを超えたことで、再び上昇の流れへ入っている可能性を示しています。
9月27日の記事では、「NYダウは、10月以降、下値堅く推移して、上昇の流れを継続するパターン」、または、「9月、10月の高値が戻り高値となって、下降を開始するパターン」のどちらかになる可能性があると紹介しました。
後者の場合、9月27日以降、上値を抑えられている日柄と、上値、下値を切り下げる弱気の流れができていたことから、42628ドルが戻り高値になる可能性がありました。
しかし、前週末は、9月27日以降に示した弱さを払拭する動きとなって、価格が上昇を開始しているので、前週末に示した強気サインの通りになるなら、しばし勢いの強い上昇の流れを継続すると推測できます。
言い換えると、目先は、勢いの強い上昇を継続して、一気に上値の限界を目指す上げ場面になる必要のある状態だと言えます。
目先は、価格が反落する場合でも、勢いの強い上昇途中の小幅調整の範囲内の動きで終わり、すぐに上昇を開始する展開になる公算です。
現在は強気有利な状態ですが、数日だけ、9月27日の高値42628ドルが意識されている可能性のあることを考えておきます。
目先は、はっきりとした勢いの強い上昇の流れを作る必要があるので、今晩以降、小幅調整の範囲を超える下げ幅の大きな動き(前日の陽線の安値以下へ下げる動き)、上値を抑えられる日柄(5営業日以上、高値を更新できない)があらわれるなら、42628ドルが意識されていて、戻り高値をつける動きへ入っている可能性が出てきます。
〇日経平均株価は週明け後に上値を抑えられるかが焦点
1990年から2023年までの期間で見ると、日経平均株価の10月は、一本調子に上昇、下降の流れを作りにくい月となっています。
10月が上旬から下旬まで上昇の流れを作っている年は、9月頃まではっきりとした下げの流れを作り、9月頃に押し目をつけて、10月が押し目をつけた後の上昇場面になっていることがほとんどです。
年間の安値圏ではない値位置から、積極的に上昇している年がまったくないわけではありません。
10月が積極的な上昇の流れを作り、年間の最高値を更新するような年は、前回紹介した通り、年間の最安値を4月までにつけていて、強気パターンの年の典型的な動き方となっています。
本年は、8月に年間の最安値を更新していて、7月11日の高値42426円での上値の重さを示しています。
現状を考慮すると、本年10月の日経平均は、一本調子の上昇の動きとならず、月中で上値を抑えられて、上げた分を押し戻される展開になると考えられます。
日銀は、2008年10月以降、量的緩和を継続して、株価が上昇の流れを作ってきましたが、本年7月の政策決定会合で、国債購入額を減額することを決め、量的緩和政策の修正に舵を切っています。
日経平均は、日銀の政策転換をきっかけにして、2008年10月以降にあらわれなかった値幅の下げを経過しています。
7月11日の高値42426円は、上昇途中の戻り高値の1つではなく、当面、超えられない壁になる可能性があります。
7月11日の高値42426円を当面の天井と見るなら、10月中にあらわれる上値を抑えられる動きは、8月5日以降の反発調の終点になると考えられます。
目先、上値を抑えられた後は、8月5日の安値31156円を目指す展開が視野に入ります。
なお、10月が月末まで上昇の流れを作らず、月中で上値を抑えられる展開となるとするなら、その高値は、9月27日の高値39829円が意識される格好でつける可能性があります。
その場合、今晩のNYダウが上値重く推移して、明日の日経平均が39829円以下から始まる動きとなって、上値の重さを示す展開になると考えられます。
今週、NYダウ、日経平均が上値重く推移するか、上昇を開始するかによって、10月末の値位置が上下に大きく変わる公算です。
図表01は、日経平均株価日足と、10月の想定できる展開になります。
