日経平均株価は週明け後、戻り高値をつける作業へ入る公算
〇日経平均株価の本年9月のシナリオ
前回、8月から9月にかけての値動きの経験則から、8月末へ向けて、価格が下値堅く推移する場合、本年9月は、「(上昇、下降途中の)もちあいの動きになるか、月初から一本調子の下げの流れを作るかのどちらかの展開になる」と書きました。
8月の値動きがはっきりとしたので、今回は、本年と同様、「(8月の月足の陰線、陽線にかかわらず)8月上旬、中旬頃から、一定期間、はっきりとした上昇の流れを作り、月末まで上げの流れが続いた年」の9月の値動きについて、再確認しました。
最も多かった展開は、8月末までの上昇の流れを継続する格好で、9月が月初に上値を試す動きを経過して、10日頃までに9月の最高値をつけて、下降を開始するパターンです。
1990年から2023年までの期間で、8月中旬から月末まで、上昇の流れを作った年は、「1992年、1993年、1995年、2000年、2003年、2004年、2005年、2006年、2009年、2014年、2016年、2018年、2020年、2023」の14回です。
過去14回の中で、10日頃までに9月の最高値をつけて、9月末まで下げの流れを作った年は、「1992年(10日に9月の最高値、以下、日付だけ記入)、1993年(3日)、2000年(1日)、2004年(8日)、2006年(4日)、2009年(1日)、2016年(5日)」の7回です。
その他の年は、1995年、2003年、2023年が、それぞれ18日、19日、23日に9月の最高値をつけて、上げた分を下げる展開となっています。
その他、2005年、2014年、2018年は、月初から月末まで上昇の流れを作り、2020年が小幅レンジで横ばいに推移しています。
1995年、2003年、2020年、2023年の値動きと、10日頃までに9月の最高値をつけて下げる展開の違いは、最初の下げ場面を経過した後、すんなりと下げず、再反発を経過して、戻り高値を更新してから、月末へ向けた下げの流れへ入っている点です(10日頃までに9月の最高値をつけた年は、下降を開始後、月末まではっきりとした下げの流れへ入りっています)。
2005年、2014年、2018年は、上昇を開始した後、目立った下げ場面があらわれず、勢いの強い上昇の流れを月末まで継続しています。
本年9月は、月末へ向けて積極的な下げの流れを作るなら、2日~10日の期間で戻り高値を確認して、下降を開始すると考えられます。
いったん下げた後、再度値を戻す動きになるなら、9月は、上げた分だけ下げる動きになる可能性が出てきます。
9月も上昇を継続するなら、今後は、目立った調整なく、7月11日の高値42426円を目指す動きになると考えられます。
〇乖離線は週明け後に上値を抑えられる可能性を示唆
前週末の時点で、終値から25日移動平均を引いた乖離線(以下、乖離線)は、1523円をつけています。
戻り高値をつけた7月11日は、乖離線が2593円をつけて、その後、下降を開始しているので、まだ上げ余地があるかのように見えますが、そうではありません。
乖離線が2000円を超えるケースは、2020年3月の急落後の反動高で久々にあらわれた水準です。
2020年以降は、2021年9月の急騰場面、2023年前半の上昇場面、2024年前半の上昇場面で何度かあらわれていますが、特別な上昇時にしかあらわれていません。
通常、乖離線は、「±1000円、±1500円」が反転の目安となっています。
今回の上昇が7月11日の高値42426円を目指す動きではなく、42426円が当面の天井となった後の一時的な反発の動きなら、乖離線は、2000円を超えず、上値を抑えられるはずです。
乖離線の水準を考慮すると、本年9月は、週明け後、9月の最高値をつける作業へ入ると考えられます。
