日経平均は今後の価格が上昇しても9月末まで39000円程度が上値の限界となる公算
〇日経平均の9月の動き方
日経平均株価は、1990年から2023年までの7月から9月までの月足が陽線引けする確率を調べると、7月が41.2%、8月が44.1%、9月が44.1%となっていて、比較的下げていることが多い時期になっています。
9月の月足が陽線引けした年は、1991年、1996年、1999年、2005年、2006年、2007年、2010年、2012年、2013年、2014年、2017年から2021年です。
下げやすい9月に価格が上昇している年は、「8月までの動きで、大きく下げている(1991年、1996年、2007年、2010年、2021年)」、「9月以降、年末へ向けて上昇の流れを作っている(1999年、2005年、2006年、2012年、2013年、2014年、2017年、2019年、2020年)」という展開になっています(2018年だけ、上記の2パターにあてはまりません)。
9月は、下げやすい時期のため、月初から月末まで一本調子に下げている年が目立つのですが、月初から月末まで、一本調子に上昇している年もあります。
月初から一本調子に上昇している年は、だいたい8月末まで積極的な下げの流れを経過して、8月末から9月上旬に押し目をつけて、反動高となることであらわれています。
その他、2005年、2014年、2017年、2019年は、年末へ向けて積極的な上昇の流れを作っていて、その過程で、9月に一本調子の上昇の動きがあらわれています。
2005年は、円安により、年末へ向けた一本調子の上昇場面となっています。
2014年は、量的緩和第二弾により、10月末以降、急上昇を開始しています。
2017年は、トランプ前大統領の減税政策の影響により、NYダウとともに日経平均も大幅高となっています。
2019年は、米中貿易協議の進展により、年の後半にNYダウ、日経平均とも、はっきりとした上昇局面へ入っています。
8月に押し目をつけて、8月下旬に大きく上昇する場合、9月に戻り高値をつける格好で、9月がもちあいの動きになることもあります。
9月がもちあいとなるケースは、前述のパターンか、下降、上昇(たいてい下降)の流れの途中の一時的な調整が9月にあらわれているパターンのどちらかです。
9月は、8月末まで下げの流れを作っている年か、または特別に上昇する準備のできている年の場合、一本調子の上昇場面となって、その他の年は、一本調子の下げの流れを作るか、上昇しても上げた分だけ上値を抑えられるかのどちらかの展開となっています。
〇日経平均は今週の展開で9月の値動きが見えてくる
前述した9月の値動きの傾向を考慮すると、今後は、現在の上昇の流れを継続する格好で、7月11日の高値42426円を目指す展開にならないと推測できます。
本年9月の展開は、8月26日から30日の値動きで見えてきます。
図表01は、日経平均日足と今後の想定できるシナリオになります。
9月が積極的に上昇するパターンは、8月末に積極的に下げる展開だけだと考えられます。
週明け後、下降を開始して、一気に下げ幅を拡大する場合、9月上旬に押し目をつけて、8月23日の高値38424円を目指す動きになる可能性が出てきます。
目先、積極的な下げの流れとなっても、10月に8月5日の安値31156円以下へ下げる場合、9月の反発が下降途中の中段もちあいの動きになると考えられます。
目先の価格が下値堅い動きを継続する場合、9月は、(上昇、下降途中の)もちあいの動きになるか、月初から一本調子の下げの流れを作るかのどちらかの展開になる公算です。
もちあいの動きになる場合、38000円(8月末の値位置次第で37000円)から40000円程度の範囲内で推移して、上値の重さや環境の変化(自民党総裁選、日銀会合)を確認する作業になると考えられます。
