日経平均株価は目先一気に37000円目指す公算も
〇NYダウは3月以降のレンジ内の動きを継続中
NYダウは、20日に12日の高値39120ドルを超えて、上値を試す流れへ入っていることを示唆しています。
前回、40077ドルを目指す動きになるには、17日の価格が急上昇して、39120ドルへ接近する必要があると書きました。
17日に39120ドルを超える動きと、今回のように20日に39120ドルを超える動きの違いは、買い人気の度合いです。
多くの市場参加者が40077ドルを大きく上回る程度に上げ余地があると想定している状況なら、39120ドルを超えても、まだ1000ドル幅以上の上げ余地のある状態なので、値位置にかかわらず、積極的な買いが継続すると考えられます。
17日は、寄り付き後、いったん下値を試す動きを経過して(下ヒゲをつけて)、14日の安値38305ドル以下へ下げにくい状況を確認した後、上昇を開始しています。
その後、引けまで上昇を継続することになりますが、39120ドルが戻り高値として意識される場所で引ける動きとなっています。
18日の時点でも、12日の始値38950ドル前後で上値を抑えられて、39120ドルが抵抗として意識されている値動きとなっています。
目先の価格が40077ドル以上への十分な上げ余地があって、上昇を開始しているなら、17日は、39120ドルへ接近するか、39120ドルを超えていたと考えられます。
そうならず、下値堅さを確認しながら、日柄をかけて上昇した理由は、3月以降のジグザグのレンジ内の動きを継続する中で、レンジ下限で下値堅いから上昇したという動きに過ぎないと推測できます。
〇NYダウの7月の展開
NYダウの7月は、1990年から2023年までの期間での陽線確率が76%となっていて、上昇する傾向があります。
陰線引けした年は、1996年、1998年、1999年、2002年、2004年、2007年、2011年、2014年の(34年中)8回しかありません。
これらの年は、6月からの下げの流れを継続して、大幅安となった2002年、2004年を除けば、上値を試す動きを経過して、月中に上値重い場所を確認し、月末へ向けて下降を開始して、陰線引けする展開となっています。
前述したNYダウの値動きと7月の過去の経験則を考慮すると、本年7月は、「日柄をかけて、緩やかに40077ドルを目指し、7月末頃に40077ドル前後で上値を抑えられる」、または「7月中旬頃まで上値を試す動きとなった後、下降を開始する」かのどちらかの展開が考えられます。
週明け後、価格が下げるか、下値堅く推移するかによって、7月の上値の限界が見えてきます。
〇日経平均株価は週明け後に下げるかが焦点


6月14日~21日まで、NYダウが上昇する過程で、日経平均株価は、上値重い動きとなっています。
日経平均の上値の重さには、「NYダウがはっきりとした上昇を経過した後、日経平均が追随するパターン」と、「NYダウがもちあいの動きを経過する過程で、日経平均が大幅安となるパターン」の2通りが考えられます。
前者は、昨年末から本年の年初にかけてあらわれています。11月から12月にかけて、NYダウが積極的な上昇局面となって、1月以降、横ばいぎみに緩やかな上げの流れを作っています。
日経平均は、11月から12月にかけて横ばいに推移した後、1月以降に急上昇を開始しています。
こちらの展開になるなら、今後の日経平均は、NYダウが40077ドルに接近する期間、38000円から39000円の範囲内でのもちあい動きを経過して、40077ドル前後で上値を抑えられる過程で、一気に上げ幅を拡大し、40000円以上へ上げる動きになると考えられます。
後者の顕著な例は、日経平均が2021年9月14日~10月6日まで、15営業日で3502円幅の下げ場面です。
NYダウは、9月14日の高値が34990ドル、10月6日の安値が33854ドルとなっていて、1136ドル幅の下げ場面となっています。
NYダウは、9月20日~27日までの期間、大きく値を戻しているにもかかわらず、日経平均が小幅高だったため、NYダウと日経の下げ幅の違いがあらわれています。
こちらになる場合、6月13日から月末までの12営業日が、2021年9月14日~10月6日までと似た展開になるっていると考えられます(図表01、02を参照)。
NYダウの6月12日~21日までの動きが、2021年9月14日から27日までの動きとなって、NYダウが週明け後に下値を試す動きへ入る過程で、日経が大きく下げる展開になると考えられます。
図表03は、日経平均株価日足と目先のシナリオです。
NYダウは、目先の価格が上昇する場合でも、40077ドル以上の上値余地があまりないと推測できます。
だとすれば、日経平均は、NYダウが上昇したからといって、そこへ追随する動きになると考えにくいと言えます。
週明け後、下値堅い動きになるなら、図中の青の実線を考えておく必要がありますが、現時点では、赤の実線の展開が有力だと考えられます。
