本年の日経平均株価は5月に上昇する公算か
〇4月の日経平均株価が大きく下げた年の5月の展開

図表01は、4月と5月の日経平均株価の値動きです。
「〇」は、月足が陽線引けした年、「●」は、月足が陰線引けした年になります。
「上昇幅」は、始値から高値までの値幅、「下降幅」が始値から安値までの値幅です。
上昇幅が短く、下降幅が長い年は、月初の値位置からあまり上昇せずに、価格が積極的に下げる動きがあらわれていることを示しています。
1990年から2023年の期間で、上昇幅が短く、下降幅の長くなっている年は、1990年、1992年、1998年、2000年、2005年、2014年、2016年、2021年、2022年が挙げられます。
上げやすい4月に上値を抑えられる動きになる年は、「年初から積極的に上昇し、4月を前にその時点での上値の重い場所を確認する作業を経過して、4月の価格が下げている」、「年間の強弱にかかわらず、価格が下げにくい1月から4月の時期に積極的な下げの流れを作っている。そのような年は、3月頃まで期間で、その時点での下値の限界を試す動きになる傾向があるので、その弱さを4月まで引きずる格好で、4月が大きく下げる」というパターンのどちらかになっています。
本年は、1月から4月の期間で大きく上昇して、3月22日の高値41087円が戻り高値となって、下げの流れへ入っているので、前者のパターンとなっています。
1998年、2000年、2005年、2021年が前者のパターンとなっています。
1998年は、3月上旬頃までに上値の重さを確認した後、6月頃まで、ジグザグに戻せば売られる動きを経過して、1月の安値まで下げる動きになっています。
2000年は、4月中旬に戻り高値をつけた後、5月中旬頃までの期間で、一気に下げる動きとなっています。
2005年は、3月上旬頃までに上値の重さを確認して、4月にそれまでの上げ分のすべてを押し戻す下げを経過して、4月下旬から5月中旬にかけて、下値を確認する作業を経過しています。
2021年は、2月中旬頃に戻り高値をつけた後、8月下旬頃までの期間でジグザグに戻せば売られる展開を経過して、1月の安値以下へ下げています。
過去の経験則を考慮すると、今後は、4月中、または5月中旬頃までの期間で、一気に下値の目安になる地点まで下げるか、ジグザグに長く下降を継続する展開になるかのどちらかになると推測できます。
なお、4月に大きく下げた9回の中で、5月の月足が陰線引けしている年は、2000年と2021年の2回しかありません。その他の年は、5月の月足が陽線引けしています。
2000年と2021年は、5月が月初に大きく下げて、すぐに値を戻す動きになりますが、月初の下げ分が大きく、結果として月足が陰線で引けています。
〇日経平均株価は目先、急上昇しなければ、5月が陽線引けする展開になる公算
前回、日経平均株価の現在の下げの下値の目安は、34973円だと紹介しました。
以前と似た展開になるなら、今後は、ジグザグに戻せば売られる展開となって、6月以降に34973円へ下げる展開になるか、4月末、または5月中旬頃までの期間で、一気に34973円まで下げるかのどちらかが考えられます。
その際、5月は月足が陽線引けする展開になると考えられます。
5月の月足が陰線引けする場合、月初に大きく下げる動きがあらわれると考えられるので、目先、急速に値を戻して、現時点での上値の限界に到達する動きになる公算です。
図表02は、日経平均株価日足と今後の展開です。
下値の目安になる値位置や、4月が大きく下げた年の5月の動き方などを考慮すると、今後のシナリオは、図表02の実線のパターンが考えられます。
