日経平均株価は上値を抑えられた後、値幅の大きな調整局面へ入る公算
〇NYダウは戻り高値を確認した後、もちあいの動きへ入る公算
前回、NYダウは、「年間が弱気に推移する(年初の値位置よりも年末の値位置の方が低い展開になる)場合、年初に上昇の流れを作っても、3月、4月に年初の安値を割れる程度まで下げる動きがあらわれる」と紹介しました。
本年が4月頃に1月の安値37122ドルまで下げる展開になる場合、2月23日の高値39282ドルが戻り高値となって、下降の流れへ入る必要がありました。
しかし、3月19日以降の上昇で39282ドルを超えたことで、本年は、年間が弱気に推移する展開になりにくい状態となっています。
1990年以降、本年と同様、1月から3月まで上昇の流れを継続した年は、1993年、1995年、1996年、2006年、2012年、2013年、2019年、2021年が挙げられます。
これらの年のおおまかな値動きのパターンは、図表01の通りになります。
だいたい、年初に上昇、4月から9月頃まで横ばいに推移して、10月から年末まで上昇する展開になっています。
本年が1年を通じて上昇の流れを継続する可能性が出てきましたが、現在の上昇は、目先、上値を抑えられた付近が戻り高値となって、当面、戻せば売られる展開になると考えられます。

○現在の日経平均株価は値幅の大きな調整へ入る前の最後の上昇を経過中

以前、日経平均株価は、「1月から4月まで、上げやすい時期だが、4か月連続して上昇するケースがあまりない」と紹介しました。
1990年から2023年の期間で、本年と同様、1月と2月の月足が陽線引けした年は、1998年、2000年、2007年、2012年、2013年、2015年、2019年、2021年の8回です(図表02を参照)。
これらの年の中で、4か月連続して月足が陽線引けした年は、2013年と2015年です。2013年がアベノミクス初年度で、2015年は、2014年10月末に金融緩和第二弾が発動したばかりの年です。どちらも特別な年でした。
1998年は、3月、4月の月足が陰線引けしています。
2000年は、4月12日の高値20833円が戻り高値となって、5月までに1月の安値以下へ下げています。
2007年は、3月の月足が陰線引けしています。
2012年は、3月27日の高値が戻り高値となって、その後、6月までに1月の安値以下へ下げています。
2019年は、3月の月足が陰線引けしています。
2021年は、3月と4月の月足が陰線引けしています。
過去のケースにしたがうなら、本年が上昇すべき理由のある特別な年でない限り、3月末までに3月1日の始値39254円以下へ下げるか、3月、4月の高値が戻り高値となって、値幅の大きな調整場面へ入るかのどちらかになると考えられます。
前述したNYダウの1993年、1995年、1996年、2006年、2012年、2013年、2019年、2021年の日経平均の年間の展開は、「5~7月頃まで上昇して、その後、上げ分のすべてを押し戻される」、または「4月から8月頃までの期間で、1月からの上げ分の大部分を押し戻される」のどちらかになっています(大まかに見た展開です)。
昨年10月からスタートした現在の上昇の流れは、3月12日以降の上げが、最終段階の5波目の上昇の波だとカウントできます。
5波の終点をつけた後は、2021年9月の高値30795円から2022年3月の安値24681円と同程度の値幅(6114円幅)の調整局面へ入ると考えられます。
以上のことを考慮すると、目先、強く上値を抑えられる動きがあらわれるなら、その高値をきっかけにして、日経平均株価は、値幅の大きな調整局面へ入ると推測できます。
図表03は、日経平均株価日足と、4月頃までの予測線になります。
