日経平均株価は週明け後、勢いの強い下げを継続して31000円以下へ下げる公算も
〇日経平均株価は、目先の下値の値位置で来年の方向が見えてくる

図表01は、日経平均株価日足と、来年へ向けた展開です。
赤の実線が6月19日と11月20日の高値でダブル・トップを完成して、年初から下げの流れへ入るパターンです。
もちあい期間中の動きは、上げるべき場所、下げるべき場所がはっきりしているので、一定の流れができると、一気に目安になる場所を目指す動きになりやすいと言えます。
6月19日以降のレンジでの動きを見ると、7月3日~12日の下げ場面では、8営業日で1971円幅(1営業日、246円下げの速度)の動きとなっています。
8月1日~18日は、14営業日で2213円幅(1営業日、158円下げの速度)、9月15日~10月4日は、13営業日で3147円幅(1営業日、242円下げの速度)の動きとなっています。
レンジ上限から下限、下限から上限への動きは、数日のもみあいを挟みますが、流れができている場所を見ると、陰線、陽線が連続して、一気に目的値へ到達する展開となっています。
赤の実線の展開になる場合、現在の下げの下値目標値が10月4日の安値30487円になるので、12月中には、30487円へ接近するか、ここを割れる動きがあらわれると考えられます。
言い換えると、30487円まで届かずに、以前に何度も押し目をつけた場所、32000円前後、31500円前後で下値を支えられる動きになると、現在の下げは、もちあいの範囲内の動きである可能性を残します。
その場合、青の実線の展開となって、1月に再度11月20日の高値33352円前後まで上昇して、その後、上げやすい4月、6月へ向けて、新たな上昇を開始する準備の動きへ入る展開もシナリオに加わります。
〇目先は目立った調整なく、一気に下値の目安を目指す公算

図表02は、日経平均株価日足と目先の展開です。
日経平均株価は、12月6日に大陽線をつけて、大きく反発しましたが、この反発が目先の下げ余地を拡大する結果となっています。
11月20日は、11月22日~24日、12月5日~6日と、同程度の値幅の2回の反発を経過して、上値、下値を切り下げる動きとなって、下降を開始しています。
上値、下値を切り下げるジグザグパターンは、下降を開始した後の下げが、勢いの強い動きになり、下降を開始した後の下値の目安が(12月5日~6日までの反発幅726円幅を5日の安値32726円から引いた)32000円を大きく下回る地点になることを示しています。
また、現在の下げの動きは、下降の初期にジグザグの動きを経過して、日柄を経過しているので、下降の中段で日柄をかけたもみあいの動きがあらわれず、一気に下値の目安へ下げる可能性があります。
週明け後は、1週間程度の期間で、下値の目安になる場所近くに位置していると考えられます。
その値位置が31000円以下になるか、31500円前後、または31500円以上の地点になるかによって、年末へ向けた動き方、来年の年初の展開が見えてきます。
〇年末以降の元安に注意
ところで、日経平均株価は、下降を開始していりますが、NYダウが堅調な展開を継続しています。
日経平均は、日銀の政策修正の思惑からの円高によって下げが加速していますが、NYダウの場合、FRBの政策の修正がNYダウの下げのきっかけになりにくいと言えます。
NYダウが積極的に下降を開始する材料が入らないと、日経平均は、レンジ下限を割れて、大勢の天井型を完成する展開にならないと考えられます。
今後、NYダウが下降を開始する材料の1つとしては、年末へ向けて、または年明け後、ドル・人民元が元安へ向かい、中国の株式市場が大きく下落して、NYダウが下げる展開(2015年末以降にあられた動き)になることが挙げられます。
図表03は、ドル・人民元の月足です。
チャートを見ると、(2014年と2022年の安値で)ダブル・ボトムを完成した後、ダブル・ボトムのネック・ライン付近でもちあいの動きとなっています。このもちあいを抜け出すと、底入れ型を完成後の値幅のともなった元安の動きへ入る可能性が出てきます。
チャートでは、大勢の人民元高が止まり、元安の流れへ入った2014年以降、前年の後半の人民元高が年末、年明け後に押し目をつけて、元安へ向かう動きを毎年繰り返しています。
過去の値動きを考慮すると、今後は、元安へ動きやすい時期へ入るので、戻り高値を超えて、人民元安が勢いづくことも十分に考えられます。
その動きが、世界同時株安へつながる可能性を頭のすみに入れておいてもいいのではないでしょうか。
