日経平均株価は週明け後の価格が下げるなら、32000円以下を目指す公算
〇日経平均株価の週明け後の価格が下げる場合の展開
図表01は、日経平均株価日足と12月のシナリオです。
日経平均株価は、最近の動きが上昇途中の中段もちあいか、11月20日と24日の高値で短期のダブル・トップを形成中のどちらかです。
どちらになるかは、週明け後の方向ではっきりする公算です。
天井型を形成中なら、12月1日の高値33551円を超えられずに上値を抑えられて、下降を開始すると考えられます。
11月30日の安値33161円を割れると、天井型を完成し、弱気の流れを確認して、その後は、積極的な下げの流れへ入ると考えられます。
目先の価格が下げる場合、6月19日以降の動きは、「全体で上昇途中の中段もちあいとなっていて、目先の下げが再度もちあいレンジ下限を目指す動きへ入っている」、「6月19日と11月20日の高値で振れ幅の大きなダブル・トップを形成中」のどちらかだと推測できます。
どちらの場合でも、今後は、32000円以下まで下げる可能性が大きくなります。

〇週明け後の価格が上昇する場合の展開
週明け後の価格が12月1日の高値33551円を超えて、一段高となる場合、その後は、11月中旬以降のもみあいの動きを継続するか、もみあいを抜け出して、再度勢いの強い上昇の流れへ入るかのどちらかが考えられます。
1990年から2022年までの期間で、11月と12月がともに値幅のともなった上昇の流れを作った年は、1995年、2005年、2012年、2016年が挙げられます。
1995年は、9月20日に(当時の)過去最大の経済対策が決まり、翌年へ向けた上昇を期待できる材料がありました。
2005年は、日銀による長い金融緩和の効果と米国利上げにより、1年を通じて円安の流れができて、後半、日経平均株価が一本調子の上昇局面となりました。上昇の流れを変える材料もなく、2000年以前に下値を支えられてきた、16000円以上の値位置へ、年末に到達する動きになっています。
2012年は、年末がアベノミクスのスタート地点となっています。
2016年は、11月にトランプ前大統領が当選したことで、米国経済への期待値が高まることで、日経平均も11月以降、年末まで、上昇の流れを継続しています。
今年は、岸田減税が待っています。今回の所得税の減税が消費拡大の起爆剤になると読むなら、過去と同様、本年12月は、上昇の流れを継続するという見方もできます。
過去の状況との違いを考慮すると、本年12月の日経平均株価は、下値堅く推移したとしても、11月下旬以降のもみあいの動きを継続する展開になると考えられます。
〇日経平均株価が12月に年間の最高値をつけた年の展開
1990年から2022年までの期間で、12月に年間の最高値を更新した年は、1995年、2005年、2012年、2013年、2014年、2016年、2019年、2020年が挙げられます。
1995年は、7月に年間の最安値をつけて、上昇を開始し、その上げの流れが年末まで継続する展開となっています。
2005年は、4月に年間の最安値をつけて、上昇を開始し、その上げの流れが年末まで継続する展開となっています。
2012年は、6月に年間の最安値をつけて、ジグザグに上値、下値を切り上げる動きを経過して、10月中旬以降に上昇を開始し、その上げの流れが年末まで継続する展開となっています。
2013年は、5月に大幅安となりますが、5月中に押し目をつけた後、その安値を割れることなく、年末へ向けて徐々に上昇する展開となっています。
2014年は、4月に年間の最安値をつけて、ジグザグに上値、下値を切り上げる動きを経過して、10月中旬以降に上昇を開始し、その上げの流れが年末まで継続する展開となっています。
2016年は、6月に年間の最安値をつけて、ジグザグに上値、下値を切り上げる動きを経過して、11月以降に上昇を開始し、その上げの流れが年末まで継続する展開となっています。
2019年は、4月以降の調整の動きが8月に終わり、8月以降、年末まで継続する上昇の流れへ入っています。
2020年は、3月に年間の最安値をつけて、その後、年末まで継続する上昇の流れへ入っています。
これらの年の特徴は、ほとんどの年で、年の前半に下値を試す動きを経過して、年の後半に積極的な上昇の流れへ入っていることです。
2013年、2019年のように、年初に上昇している場合、年の前半の早い時期に値幅のともなった調整を経過して、その調整の終点を5月、8月につけて、9月以降、はっきりとした上昇の流れを作り、上げ方向への期待値の強さを示しています。
本年は、6月以降の調整の動きが10月まで継続して、6月から10月までの期間、徐々に下値を切り下げる動きを経過しています。
本年は、12月に最高値を更新したこれまでの動き方と比べると、新高値への期待値が低いと推測できます。
以上のことを考慮すると、今後の日経平均株価は、図表01の赤と青の実線のどちらかになると考えられます。