〇NYダウは上値の重さを確認
前回、NYダウは、5月5日の反発がヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右肩を作る作業か、4月以降がもちあいの動きへ入っている中での上値を試す動きのどちらかだと紹介しました。
前週が上値重く推移して、5月4日の安値32937ドルへ接近する動きになった経緯から、現状では、もちあいとなっても、5月1日の高値34257ドルが戻り高値となって、下降を開始するきっかけを待っている状態だと考えられます。
NYダウは、すぐに下げるか、32937ドルから33772ドル(5月10日の高値)の範囲内で推移した後、下降を開始する公算です。
天井型を形成中の場合、5月10日以降、すでに勢いの強い下げの流れへ入っているはずなので、5月11日、12日の横ばいの動きで小幅調整を終了して、週明け後の価格が4日の安値32937ドルを目指す動きになると考えられます。
一方で、週明け後の価格が反発するなら、積極的な下げの流れへ入る場面で、そうならない動きが現時点での下げにくさを示すため、目先は、再度上値を試す動きになると考えられます。すでに上値の重さを確認しているため、その反発は、上値の限られた状況で、下げにくいことであらわれている動きになります。
16日の小売売上高、鉱工業生産指数、25日のGDPの発表など、きっかけを待っている状態へ入っているという見方になります。
〇NYダウが日経平均に先行して下げることがある

図表01は、日経平均株価とNYダウの終値を比較したチャートです。株探のホームページで見ることができます。
NYダウは、上値の重さを示し、下降を開始する可能性のある状況ですが、一方で、前週の日経平均株価が一段高となっています。
図を見ると、このようなちぐはぐな動きは、2022年6月9日や、2023年3月9日に戻り高値をつける場面でもあらわれています。
日経平均は、2022年6月9日まで一本調子に上昇して、6月9日に戻り高値をつけた後、急落しています。
NYダウは、5月27日に上値を抑えられた後、横ばいに推移して、6月2日に終値ベースでの高値をつけ、8日以降、積極的な下げの流れへ入っています。
日経は、NYダウの下げの流れを確認したあと、戻り高値をつけて下降を開始しています。
日経平均は、2月22日から3月9日まで、はっきりとした上昇の流れを作り、27046円から28734円まで、11営業日で1688円の上昇場面となっています。
NYダウは、下げていた価格が2月22日以降に下値堅い動いとなって、3月1日~6日まで反発して、再度下降を開始しています。
NYダウが下値堅い動きとなって、若干だけ反発している間に、日経が1688円の上げを経過して、NYダウが再度下降を開始した後、日経平均が下げの流れへ入っています。
前述した通り、現在のNYダウは、もちあいの動きへ入っているか、勢いの強い下げの流れへ入っているかのどちらかの展開が考えられます。
週明け後の価格が反発して、もちあい継続中を示すと、日経平均は、NYダウの反発過程で、さらに上げ幅を拡大する可能性が出てきます。
一方で、週明け後のNYダウが下げて、勢いの強い下げの流れへ入っていることを示す展開になるなら、日経平均は、週明け後、すぐに戻り高値を確認する動きになると考えられます。
〇日経平均は週明け後に上昇継続なら、一気に30000円以上へ上げる展開を考えておく必要が出てくる
図表02は、2021年以降の日経平均株価日足です。
日経平均株価は、2021年9月の高値30795円が戻り高値となって、2022年3月9日以降が下降途中の中段もちあいを形成中か、3月9日の安値が押し目になって、再度上値を試す流れへ入っているかのどちらかが考えられます。
29000円前後の値位置は、大勢の強弱の分岐点となっている地点だと見ることができます。
目先、29000円前後の地点が強い抵抗にならないなら、その後は、目立った抵抗がなくなり、一気に30795円を目指す可能性が出てきます。
30795円が戻り高値となって、現在が下降の流れの途中なら、目先は、29000円前後の値位置で、強く上値を抑えられる動きがあらわれると考えられます。
週明け後、上昇を継続するか、上値を抑えられるかによって、本年全体の値動きが明確になる公算です。
