〇NYダウは3月末の時点で上げられる限界に位置
前回、NYダウの4月のシナリオとして、価格が上昇する場合、月初から緩やかなジグザグの動きを作る展開を想定しました(前回の図を参照して下さい)。
その理由は、「本年のNYダウが7月頃までの期間で昨年10月の安値28660ドル以下へ下げる展開を想定しているため、4月に価格が上昇するとしても、3月6日の高値33572ドルを積極的に超える動きにならない」と推測しているためです。
3月31日の高値33291ドルは、33572ドルまであと281ドル幅に迫る値位置です。
すでに上値の限界に位置しているため、4月に価格が上昇するとしても、月初からはっきりとした上昇の流れを作るスペースがないので、本年4月は、月初にいったん下げる動きを経過するパターンになると考えられます(前回紹介した(2)のパターンです)。
週明け後は、上値を抑えられえる動きを形成するか、反落して、下降を開始するかのどちらかの展開になる公算です。
一方で、週明け後も上昇を継続して、4月が月初から上昇の流れを作り、一気に34000ドル以上へ上げる動きになるなら、前述した7月頃までの期間で昨年3月の安値28660ドルを割れる展開にならない可能性を考えておく必要が出てきます。
〇日経平均株価が4月の月足が陽線引けするパターン

日経平均株価は、1990年から2022年までの期間で、4月の月足が陽線引けする確率が57.6%と、比較的上昇しやすい月となっています。
月足が陽線引けする展開になる場合、値動きに特徴が見られます。それは、「(1)月初(1~3営業日の範囲内)に4月の最安値をつける」、「(2)月初に価格が(たいていは若干だけ)上昇してから下げる場合、月初の安値を大きく下回らずに4月の最安値をつけて、上昇を開始する」、「(3)価格が大きく下げる場合、月初から下げの流れを作り、4月中旬頃、4月の最安値をつけて月末へ向けて上昇を開始する」という展開になっているということです。
図表01は、日経平均株価の4月の月足が陽線引けした年の値動きです。
順番に4月の最安値をつけた日、4月の最安値までの日柄、(2)のパターンになった場合の4月の最安値の値位置、4月の初日の安値、4月の初日の安値から最安値までの値幅になります。(2)のパターンとなる場合、月初の安値から100円前後の下げ幅で4月の最安値をつけていることがわかります。
右側の図は、(2)、(3)のパターンと、そのような展開になった年です。
2011年は、小幅な横ばいの動きの中で、たまたま陽線引けしたような展開です。(3)のパターンの特徴を持った動きですが、特別な状況もあったため、例外と見ておきます。
〇NYダウが上値重いなら日経平均株価の展開は絞られる

図表02は、日経平均株価日足と、4月のシナリオになります。
NYダウの上げ余地がほとんどないと見るなら、本年の日経平均株価の4月は、4月が月初から上げる展開にならないと推測できます。
NYダウが上値重い状況で、日経平均株価だけが、月初からはっきりとした上昇の流れを作る、または、価格が下げても、月初の安値付近で下値を支えらえる(図表01の(2)のパターン)という展開を考えにくいからです。
NYダウが上値重いという見方が正しければ、本年4月の日経平均株価は、月初から下降を開始して、一時的にせよ4月の最安値を確認する作業へ入る(図表01の(3)のパターン)と考えられます。
または、月初から価格が下げて、結果として、4月の月足が陰線引けするパターンになるかのどちらかが考えられます。
前週末のNYダウが大幅続伸したため、週明け後の日経平均株価は、大きく上放れて始まる公算です。
図表01の(3)のパターンになるなら、日経平均株価は、4月3日の高値で上値を抑えられて、4月3日以降、下値を試す動きへ入ると考えられます。
4月4日以降も日経平均株価、NYダウが上昇を継続するなら、NYダウの本年のシナリオを修正する必要が出てきます。その場合、本年4月の日経平均株価は、図表02で「×」としたシナリオとなって、28734円を超える展開も視野に入ります。