メールマガジン

【少額投資家のための売買戦略】2023年3月19日記

〇日経平均株価は4月に29222円を超えられるかが焦点

日経平均株価が年初の値位置よりも年末の値位置が高い年は、上げやすい時期である1月から4月、10月から12月のどちらか、または両方で価格が積極的な上げ場面となって、年間の最高値を目指す動きになります。

年の前半の上昇は、その年の状況から推測できる上値の限界を取りに行く動きのため、その年の価格が下げる場合でも、上げられる場所を確認する作業として、上昇することが多い時期になっています。

年の後半は、年の前半に、多くの市場参加者が推測しているその年の上値の限界を試す作業を経過しているため、上値を抑えられやすくなります。年の後半に価格が上昇して、年の前半の高値を更新する年は、翌年へ向けて、積極的に買える材料がはっきりしていることが多くなっています。

日経平均株価は、昨年3月に押し目をつけた後、26000円から28000円の範囲内でのもちあいの動きへ入っています。

上昇には、多くの市場参加者の共通の認識による積極的な行動が必要になります。そのため、もちあい期間が長くなると、上値に対する期待値が下がるため、レンジ上限を超えにくくなり、もちあい期間が長くなれば、それだけ、レンジ下限を抜けて、下降を開始する可能性が大きくなります。

一般的なテクニカル分析の見方では、そのもちあいが上昇途中の中段もちあいの場合、だいたい上下の波が3つから5つで終わり、上昇開始となります。

上昇途中の中段もちあいと見た場合、22年8月17日以降の下げは、27000円程度で止まり、10月以降の上昇で、8月17日の高値29222円を超えて、新たな上昇の流れへ入っている必要がありました。

しかし、そうならなかったことで、このもちあいは、上昇途中の動きではないという見方が有力となっています。

それでも、あえて、まだ上がると見る場合、年間の強弱にかかわらず、価格が上昇しやすい4月頃までの期間で、価格が29222円を超えて、新たな上昇の流れへ入っていることを示す動きになると考えられます。

〇目先、27000円前後で下値堅く推移するなら強気の可能性を残す

前述した通り、本年の日経平均株価が上昇して、年間が強気パターンの年の展開となるには、4月に29222円を超える上げ場面を経過する必要があります。

そのような動きになるなら、本年は、2021年9月の高値30795円を目指す可能性が出てきます。

一方で、4月までの期間で、上値重く推移するなら、昨年3月以降のもちあいの動きは、下降開始を待っているだけの動きだという見方が有力になります。

弱気の展開になる場合、本年は、下げやすい5月から10月頃までの期間に、下値を掘り下げる動きになると考えられます。

下降を開始して、昨年3月の安値24681円を割れた後は、2020年3月の安値16358円まで下げ余地が拡大します。本年中、下げ渋る動きになったとしても、20000円を割れる程度まで下げる可能性が出てきます。

〇4月上旬に28000円へ位置するなら新たな上昇開始の可能性を残す

1980年から2022年までの期間で、4月の変動幅を調べると、4月に最も動いた年は、1990年の3273円幅となっています。この年は、下げ方向への動きです。

4月の平均変動幅は、1329円幅となっています。

4月の月足が陽線引けした年で、4月に1000円幅以上の動きとなった年と値幅は、「1987年、2680円幅」、「1988年、1445円幅」、「1989年、1033円幅」、「1993年、2392円幅」、「1994年、1598円幅」、「1995年、1854円幅」、「1997年、1747円幅」、「1999年、1352円幅」、「2001年、1519幅」、「2008年、1481幅」、「2013年、2178幅」、「2015年、1324幅」、「2017年、1064幅」、「2018年、1439幅」、「2020年、2719幅」となっています。

4月に価格が上昇して、上げ幅の大きな動きとなる場合、2000円幅以上の動きになることがあまりなく、だいたい1500円幅前後の動きとなっています。

なんだかわらないけど、今年は特別な年になって、4月の価格が3000円幅の動きとなるとします。その上昇で29222円を大きく上回るためには、4月上旬の値位置が最低で26500円程度に位置している必要があります。

日経平均は、27000円から27500円の範囲が強力な壁となっているので、3月末までの動きで、下値堅さを確認して、4月が月初から上昇を開始して、特別な上げ場面へ入るなら、まったくない展開とは言えません。

今年の4月が通常の範囲内の値動きになると考えるなら、3月中に押し目をつけて、新たな上昇を開始して、4月上旬には、28000円程度か、それ以上へ位置していなければ、4月は、29222円を超えられないと考えられます(4月にようやく29222円を超える展開だと、4月の高値で力尽きてしまう可能性が大きくなります)。

〇目先、押し目底を形成して上昇を開始するかが焦点

前週末の夜間取引での225先物が大きく下げた経緯から、週明け後の日経平均株価は、27000円以下から、下放れて始まる公算です。

この下げが押し目底を作る格好となって、週明け後、3月末頃までの期間で価格が上昇して、再度、9日の高値28734円へ接近する動きになるなら、4月に29222円以上を目指す動きになる可能性を残します。

一方で、3月16日の安値26632円付近が支持にならず、週明け後、26000円の節目を目指す動きになるなら、28734円が本年の最高値になって、本年が弱気パターンの年になる可能性が大きくなります。

週明け後、下値堅い動きになるか否かが本年全体の強弱を判断する重要なポイントになります。

強弱のどちらになっても、4月は上値を試す流れになる公算です。

図表01は、日経平均株価日足と今後のシナリオです。

図表01 日経平均株価日足と今後のシナリオ

-メールマガジン

© 2025 メルマガ掲載用サイト