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【少額投資家のための売買戦略】2023年3月5日記

〇NYダウは3月中に勢いの強い下げ場面があらわれる公算

NYダウは、3月1日に1月5日の安値32812ドルを割れて、3月に年間の最安値を更新する展開となっています。

以前にNYダウの年の前半の値動きの見方を紹介しました。

NYダウは、前年からの流れを年初に引き継いで、3月、5月以降、その年の景気の状況に沿った流れへと変化し、その年の行ける場所を目指す展開へ入ってゆきます。

本年のNYダウは、年足が陰線引けした昨年の上値の重さを継続する格好で、3月に1月の安値を割れる動きとなりました。

NYダウは、9月から10月頃に押し目をつけて、年末へ向けて価格が上昇を開始する傾向があり、年明け後もその流れを継続して、下値堅く、堅調に推移していることが多くなっています。

それにもかかわらず、3月に1月の安値を更新している年は、1990年から2022年の33年間中、9回あります。1994年、2000年、2001年、2003年、2004年、2007年、2009年、2011年、2020年です。

これら9回の年間の動きには、似た傾向があります。

特殊事情で3月に年間の最安値をつけて上昇を開始した2003年、2009年、2020年は、3月に押し目底をつけて、その後、上昇の流れへ入っています。

その他の6回は、おおまかにわけて、1年間の値動きが図表01のようなパターンとなっています。

1月、2月に上昇、横ばいの動きとなって、3月に下落し、下値を掘り下げた後(1月から3月まで一本調子に下げることもあります)、3月、4月に押し目をつけて、再上昇を開始して、4月、5月に戻り高値をつけて、再度、下降を開始し、9月までの期間で、3月の安値を下回る下げを経過した後、年末へ向けて値を戻す動きとなっています。

年末へ向けて、だいたい下げた分を戻しているので、年間では、年初と年末の値位置があまり変わらない展開となっています。

1月から3月まで一本調子に下げる場合、3月の早い時期に押し目をつけますが、1月、2月が上昇、横ばいの年は、3月中に急落場面があらわれて、3月中旬以降に3月の安値をつけています。

このような過去の経験則にしたがうなら、本年の3月1日以降の上げは、昨年12月以降のもちあいレンジ上限を目指す動きとならず、下降する前の一時的な反発に過ぎないと見ることができます。

目先は、すぐに上値を抑えられて、遅くても、3月中旬頃までに勢いの強い下げ場面へ入ると考えられます。

図表01 NYダウの本年の値動きの目安

図表02は、NYダウの終値の折れ線グラフです。

これまで書いたことから推測すると、本年3月以降は、図表の青の実線のような展開が考えられます。

NYダウは、目先の反発が昨年12月以降のもちあいレンジ上限へ届かず、すぐに上値を抑えられた後、下降を開始すると考えられます。

目先の反発は、33500ドル前後が上値の限界となる公算です。

前週末に33405ドルまで上げているので、もう上げ余地があまり残されていません。

週明け後は、すぐに上値を抑えられて、3月1日の安値32500ドルを試す動きになると考えらえます。

今後は、「すぐに下げの流れへ入る」、または「32500ドルから33500ドルの範囲でのもちあいを経過した後、下降を開始する」かのどちらかの展開になる公算です。

図表02 NYダウの終値の折れ線グラフと予想線

〇日経平均株価は週明け後、すぐに上値を抑えられる公算

図表03は、日経平均株価日足と、前述したNYダウの展開を考慮した4月頃までのシナリオになります。

NYダウが3月中に大きく下げる場面があるという見方が正しければ、本年3月の日経平均株価は、月足が陰線引けする展開になると考えられます。

1990年から2020年までの期間で、3月の月足が陰線引けした年を調べると、その動き方は、「月初に上昇して、中旬以降に下降するパターン」、「月初から積極的な下げの流れを作り、中旬、または下旬に押し目をつけるパターン」の2通りがあります。

前述したNYダウの週明け後の展開を考慮すると、日経平均株価は、6日、または7日の高値が戻り高値となって、その後の価格が下値を試す動きになると考えられます。

週明け後、NYダウがすんなりと下げの流れへ入るなら、日経平均株価は、週明け後の高値が戻り高値となって、下降を開始する公算です。

NYダウがもちあい入りなら、もちあい場面で、日経平均株価が上値の重さを確認する作業(昨年11月24日以降にあらわれたジグザグの動き)を経過した後、下降を開始すると考えられます。こちらの展開になるなら、2月22日の安値27046円以下へ下げる下降の開始は、13日以降になる公算です。

図表03 日経平均株価日足と予想線

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