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【少額投資家のための売買戦略】2023年2月19日記

〇本年の日経平均は3月に積極的な上昇場面にならない公算

以前、日経平均株価は、「1月の月足が陽線引けする場合、1月の始値よりも4月の終値の値位置が高くなる傾向がある」と紹介しました。

このように書くと、1月の月足が陽線引けする場合、取引量が増えて上げやすい時期と見られている3月は、積極的な上昇の流れを作っているように感じますが、そうではありません。3月であっても、季節的な上昇の流れを作るためには、それを後押しする理由があります。

3月の上げ幅(高値-始値)が1000円幅以上になって3月の月足が陽線引けした年は、1993年、1996年、1999年、2001年、2002年、2006年、2009年、2010年、2013年、2016年、2022年です。

これらの年は、(1)前年からのはっきりとした大幅な上昇の流れを継続する格好で、年の前半の上げやすい時期に上昇し、3月の上げ幅が大きくなっている、(2)前年の年末、またはその年の年初まで大勢の下げの流れを作っていて、前年末から2月頃までの期間で下値堅さを示し、3月が上昇する展開となっている、というパターンのどちらかになっています。

(1)のパターンとなった年は、1996年、2006年、2010年です。

1995年は、大規模な経済対策と円高対策により、年の前半の円高と株安が底値をつけて上昇を開始して、1996年前半の上げへつながっています。2005年は、円安により、年の後半が一本調子の上げ局面となって、2006年4月に戻り高値をつけるまで、はっきりとした上昇の流れを作っています。2010年は、リーマンショック後の経済対策による2009年の上昇の流れが、2006年4月頃まで継続する格好になっています。

(2)のパターンとなった年は、1993年、1999年、2001年、2002年、2009年、2013年、2016年、2022年です。

どの年も、前年まで、またはその年の1月、3月頃まで大幅な下げ場面を経過した後、下値堅い動きを経過して3月に上昇する(または、3月に押し目をつけて反動高で上昇する)展開となっています。

1990年から2022年までの期間で、3月に始値から高値までの値幅が1000円幅以上となった年は、下値堅さを確認した後の初期段階の上げ場面に季節的な強さが後押して上げ幅が大きくなるか、前年からの積極的な上昇の最終段階の上げを経過して、上げ幅が大きくなる動きのどちらかになっています。

2022年は、年足が陰線引けする展開となっていますが、年末、または年初まで、下値を掘り下げる動きを経過しているわけではありません。

昨年3月の安値が押し目底になって、積極的な上昇の流れへ入ったと見られる状況でもありません。

2023年3月は、過去の値動きのパターンから推測すると、始値から高値までが1000円幅を超える動きにならないと推測できます。

〇日経平均株価は2月が横ばいか、月足が陰線引けする展開になる公算

NYダウは、2月17日に2月10日の安値33591ドル、1日の安値33581ドルを割れて、2月1日以降が上値、下値を切り下げる弱気パターンを作っています。

17日に2月の最安値を更新して、弱気の流れを示したわけですから、2月の月足が陽線引けする展開にならず、本年2月は、月末まで上値重く推移する公算です。

日経平均株価は、2月6日の高値27821円を超えられず、2月13日に一段安となって、上値、下値を切り下げる弱気パターンを形成しています。

2月14日以降、価格が下値堅く推移していますが、2月の価格が上昇する場合、一時的にせよ一本調子の上げ場面を作るという2月の傾向や、前述したNYダウの上値の重さを考慮すると、本年2月の日経平均株価は、横ばいに推移するか、月末へ向けて一段安となって、月足が陰線引けする展開のどちらかになると推測できます。

〇本年4月までの値動きは、絞られてきた

日経平均株価の1月から4月までの値動きのパターンと、現状をまとめると、以下の通りになります。

・本年4月の終値は、1月の始値25834円よりも高い値位置になる

・2月末へ向けた動き、3月中の動きは、どちらも積極的な上昇の流れを作らない

・3月に価格が上昇する場合でも、始値から1000円幅に満たない地点で戻り高値をつける(昨年のもちあいレンジ上限を超える展開にならない)

・3月に価格が上昇する場合、2月から3月にかけて、いったん価格が下げた後の上げ場面になると考えられることや、1000円幅に満たない上げになると考えられることから、2月の高値が意識される展開になる可能性が高い

過去の値動きを考慮した本年4月までの条件から推測できる今後の展開は、図表01の実線になります。

青の実線は、現状での上値の重さを無視して、本年4月までの条件から推測した強気の展開になります。

赤の実線は、本年4月までの条件に現状での上値の重さを加えた展開になります。

日経平均株価が青の実線の展開になるには、週明け後、21日までに6日の高値27821円を超える必要があります。

そうならなければ、赤の実線の展開になる可能性が大きくなります。

明日、寄り付き後の価格が下げて、17日の安値27466円を下回る動きになるなら、赤の実線の展開になると考えられます。

図表01 日経平均株価日足と4月までのシナリオ

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