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【少額投資家のための売買戦略】2023年1月29日記

〇2023年は1月の月足が陽線引けする公算

日経平均株価は、1月4日の安値25661円が押し目になって、その後、1月26日の高値27502円まで、2000円幅近い上げを経過しています。1月31日まで、残り2営業日しかないことを考慮すると、本年1月は、月足が陽線引けする展開になると考えられます。

以前、1月は、年間の強弱を判断する最初のポイントであり、1月の月足が陽線引けする場合、年足が陽線引けすることが多いと書きました。実際、1980年から2022年までの期間で、年足が陽線引けしている年は、28回中、18回(64%)、1月の月足が陽線引けしています。年足が陰線引けしている年は、15回中、10回(67%)、1月の月足が陰線引けしています。

1月の月足が陽線引けしたからといって、必ずしも年足が陽線引けするわけではありませんが、1月の月足の陽線引けは、少なくとも、上昇傾向のある4月頃までの上げやすい時期へ向けて、下げにくい場所を確認している状態であることを示しています。

1990年~2022年の期間で1月の月足が陽線引けした年は、1993年、1994年、1996年、1998年、1999年、2000年、2006年、2007年、2012年、2013年、2015年、2018年、2019年、2021年の14回あります。

この中で、1月の安値を4月中旬までの期間で下回った年は、1996年と2018年の2回しかありません(2000年だけ、4月下旬に急落して、4月末に1月の安値を割れていますが、1月から4月までははっきりとした上昇場面となっています。そのため、4月中旬までとしました)。

1996年は、1995年7月から1996年6月まで1年間の長い上昇局面となっています。1月から3月までの期間、上昇途中の調整を経過する過程で、1月4日の安値19945円を3月に割れて、3月に19627円で押し目をつけた後、6月26日の高値22750円まで上昇しています。

2018年は、1月23日の高値24129円が戻り高値となって、2月14日の安値20950円まで、16営業日で3179円幅の下げを経過する過程で、1月の安値を大きく下回っています。

弱気の流れが3月まで継続した後、5月21日まで、はっきりとした上昇の流れを作っています。

1996年、2018年の2回だけのケースで言えば、1月の月足が陽線引けしたにもかかわらず、その後の価格が下げる場合、その下げは、3月頃まで継続しています。3月に押し目をつけた後は、5月、6月頃まで上昇する展開となっています。

〇2023年の日経平均株価の4月までの3通りのシナリオ

その他の14年中、12回のケースでは、「1月から4月頃まで、はっきりとした上昇の流れを作る(1993年、1999年、2000年、2006年、2012年、2013年、2015年、2019年のパターン)」、「2月まで上昇を継続した後、1月の安値を割れず、3月、4月が上値重く推移する(1994年、1998年、2007年、2021年のパターン)」という2通りの展開にわかれています。

図表01は、日経平均株価日足、今後の予想線です。

前述した過去の経験則と現状を考慮すると、本年4月までの展開は、図中の赤、緑、青の実線の3通りが考えられます。過去14年だけで言えば、赤の実線は、14年中2回(14%)、緑の実線が、14年中4回(29%)、青の実線が、14年中8回(57%)の割合で出現する可能性があります。

赤の実線は、2月1日のFOMCをきっかけにして、NYダウとともに日経平均が一気に下げるパターンです。最近のNYダウの下値堅い動きを考慮すると、こちらの展開になる可能性はかなり低いと推測できます。

緑の実線は、昨年3月以降の26000~28000円のレンジでの動きを継続する展開です。

2月に28000円以上へ上げた後、上値重く推移します。4月へ向けて、2021年9月の高値30795円を目指す動きにならなかったことで、弱気の流れを再確認して、4月以降に昨年の安値24681円以下を目指す可能性が出てきます。

青の実線は、4月へ向けて、はっきりとした上昇の流れを作り、30795円を目指す展開です。

現時点では、緑と青の実線のどちらかになると推測できます。どちらの場合でも、2月は、少なくとも28000円を超える程度まで上げる公算です。

図表01 日経平均株価日足と予想線

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