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【少額投資家のための売買戦略】2022年11月20日記

〇日経平均株価は11日以降が上昇の流れの終息を示す

筆者が勢いの強い上昇、下降の流れへ入っていると書くときは、上昇の角度(上げ幅と日柄)よりも、調整へ入ったときの調整の動きが続く期間に注目しています。

勢いの強い流れを形成中は、そこへ積極的に入っている短期の市場参加者が利益を得られる展開が必要になります。短期の市場参加者は、短い期間で利益を得ることを目的としているので、長く反対方向の動きを継続してしまうと、そこから離脱してしまいます。反転の動きは、日柄が長くなると、それだけ、そこで積極的に利益を得ようとしていた投資家が放れてゆきます。

筆者は、経験則として、上昇(下降)の流れができている場面で、新高値(安値)を更新できない日柄が5営業日以上続く場合、勢いの強い流れが終息している可能性があると判断しています。

値動きのパターンとしては、上昇途中で、上値、下値を切り下げる動き、下降途中で上値、下値を切り上げる動きが、一定の流れの終息の目安になります。

5営業日以上、高値を更新できずに推移して、その間、上値、下値を切り下げる動きがあらわれているなら、その上昇は、上げ幅全体の修正局面へ入っているか、上昇の流れが終わり、すでに下降局面へ入っているかのどちらかであると考えられます。

日経平均株価は、11月11日の高値28329円が抵抗になって、上値を抑えられた後、5営業日高値を更新できない状態となっています。

10月中旬以降、ジグザグに上昇していますが、ジグザグの上昇場面でも、5営業日目までに高値を更新する動きになっているので、これまでと異なる展開になっています。

また、11月11日以降は、終値ベースで上値、下値を切り下げて、弱気の流れを作っています。

筆者の見方では、10月3日以降の上昇の流れが終息して、11月11日以降、すでに下値を試す動きへ入っていることになります。

〇年間が強気パターン、弱気パターンの年になる条件

図表01 日経平均株価日足と年末までの展開

図表01は、日経平均株価日足です。日経平均株価が強気パターンの年になる場合と、弱気パターンの年になる場合の見方を示しています。

上げ余地、下げ余地だけで見れば、年末まで、1.5か月の期間で、あと1500円幅程度上げればいいだけの強気パターンの年の方が、実現しやすいように見えます。

ただ、強気パターンの年になるということは、大納会の値位置が1月4日の始値29098円以上へ位置しているということです。

前回紹介した通り、NYダウは、大勢弱気という見方が正しければ、目先の上げ余地があまりなく、上昇が終息した後、値幅の伴った下げ場面になると推測できます。

年末の日経平均株価が29098円以上へ位置するには、NYダウが残り1.5か月の期間、なんとか高値圏で横ばいから堅調に推移して、もちこたえて、1月から下降を開始するという都合のいい展開になる必要があります。

NYダウの状況を考慮すると、日経平均株価の本年が強気パターンの年になる場合、以下の展開になると考えられます。

「日経平均株価が、これまでの上げの流れを継続する格好で、目先、上昇が勢いづいて、一気に30000円以上へ上げて、その後、NYダウがジグザグする過程で、12月の日経平均株価が、29000円以上の水準で推移する」という展開です。

一方で、弱気パターンの年になる場合、残り1.5か月の期間のどこかで、24681円を一時的に割れる展開になればいいだけです。

18日の終値27899円から、3218円幅の下げ余地がありますが、本年は、6月9日から20日まで、8営業日で2869円幅、9月13日から10月3日まで、13営業日で3074円幅の下げを経過しているので、絶対にあらわれることのない動きというわけではありません。

本年の場合、突発的な弱気材料があらわれなくても、きっかけ次第で急激に下げる動きになる可能性があります。

〇日経平均株価は週明け後の方向が年末の値位置を示す公算

冒頭で書いた通り、日経平均株価は、11月11日の高値28329円が戻り高値となって、すでにこれまでの上昇の流れが終息している可能性を示しています。

本年が強気パターンの年になる場合、前週末までに示した弱さを払拭して、勢いの強い上昇の流れへ入る必要があります(目先下げてしまうと、上げなければいけない幅が大きくなって、日柄が短くなり、徐々に達成困難となります)。

目先は、まさに、年間が強弱のどちらのパターンになるかの最後の分岐点だと考えられます。

本年が強気パターンになる場合、週明け後は、すぐに上昇を開始して、11日の高値28329円を超える展開になる公算です。

一方で、週明け後の価格が下げる場合、前週末の期間で、すでに弱気の流れを示しているので、週明け後、一段安となって、16日の安値27743円を割れて、はっきりとした弱気の流れを示すなら、その後は、下降が勢いづく公算です(図表02を参照)。

週明け後の価格が下げる場合、現在が24681円を目指す動きへ入っていると考えられるので、下げが勢いづく場面で、下げ幅をかせいでおく必要があります。

そのため、週明け後の価格が下げるなら、11月末頃までには、少なくとも26000円程度まで価格が下げていると考えられます。

週明け後は、年末までの強弱の分岐点となって、上下どちらへ向かう場合でも、勢いの強い動きになる可能性があります。

図表02 日経平均株価日足と目先の展開

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