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【少額投資家のための売買戦略】2022年11月13日記

〇NYダウは34000ドル前後が上値の限界

図表01 NYダウの折れ線グラフと乖離線

図表01は、NYダウの終値の折れ線グラフと、終値から25日移動平均線を引いた乖離線です。

乖離線では、価格の上昇、下降の動きの強さを見ることができます。乖離線の高水準、低水準は、価格が急激に動き、終値と移動平均線との距離が離れることであらわれます。極端に強い動きは長続きしないため、乖離線が極点な水準に位置する場合、その後、価格が反転する可能性が大きくなります。

チャートを見ると、最近の上昇によってあらわれた2000円以上の地点は、2020年3月までの急落後の反動高での上昇場面となる、2020年4月以降の上げ場面であらわれただけのめったに出ない高水準であることがわかります。

-2000円の地点は、2020年3月の地点や、6月、10月の押し目底をつける場面であらわれているだけです。

過去を探しても、2020年以前に2000円以上をつけた日はありません。

-2000円以下をつけた日は、2018年12月の下げ場面と、リーマンショック時の急落場面である2008年10月の2回だけです。

NYダウは、11月10日に前日の終値比で1000ドル幅を超える上げを経過したことで、10月以降の上昇が、戻り高値34281ドルに迫る地点まで上げてきました。

本年1月5日の高値36952ドルが当面の天井だと見るなら、現在は、天井を確認した後の大勢の下降局面の途中の値幅の伴った(季節的な)反発調整場面だと見ることができます。

大勢が弱気と見るなら、現在の上げは、34000ドルの節目、または、戻り高値34281ドル付近が強く意識される場所であると考えられます。

10月以降の上昇は、季節的な強さを、FRBの積極的な利上げが緩まることへの期待が後押し、あらわれた動きです。

これまでの積極的な金融引き締めが緩むことになると、来年へ向けて、NYダウが36952ドル以上を目指すことができるのではないかと考えたくなるのかもしれませんが、そのような展開にならないという見方が有力です。

FRBの政策の修正は、その時点で、消費が落ち込んで、物価上昇が一段落していることで実行されます。それは、景気の後退を意味するわけですから、来年のNYダウが今年以上の高値を積極的に目指す展開を考えにくいと言えます。

だとすれば、NYダウは、34000ドル前後で上値を抑えられる動きになると考えられます。

〇ドル・円相場の円高の下値の目安は134.49円前後

図表02 ドル・円相場月足

図表02は、ドル・円相場月足です。

本年6月以降のNYダウの上昇場面は、FRBへの政策修正期待をともなっているので、円高場面で、NYダウが上昇する展開となっています。

7月14日~8月2日まで、139.39円から130.38円まで、円高調整場面となる過程で、NYダウは、7月14日から8月16日まで、勢いの強い上げ場面となっています。

今回は、10月21日に151.94円をつけた後、一気に円高が進む過程で、NTダウが急上昇する展開となっています。

日米の金融政策に変更なく、当面、変更する意思も見られない状況なのですから、現在の円高の動きは、円安途中の値幅の伴った調整だと推測できます。

だとすれば、現在の円高は、2016年12月~2020年3月までの円高場面と同程度の値幅(17.45円幅)の調整となる地点(134.49円前後)が下値の目安になります。

NYダウは、乖離線の水準から、これまでのような急騰を期待できませんが、ドル・円があと4円幅程度円高へ向かう分だけ、上値を試す余地が残されている可能性があります。

〇日経平均株価は月曜日に下値堅く推移するかが焦点

図表03 日経平均株価日足と予想線

図表03は、日経平均株価日足と、今後の予想線です。

日経平均株価は、27500円の節目を一気に超えて、前週末に28000円以上へ上げる展開となっています。

前週末の急上昇は、「勢いの強い上昇の流れへ入っていることを示す動き」という見方もできますが、一方で、「目先の上げられる分(3月25日の高値28338円、6月9日の高値28389円)を一気に上げた」と見ることもできます。

前者の場合、10月3日以降が5つの波のパターンとなって、はっきりとした上昇の流れを作る展開になると考えられます。

現在は、3波目の最も上昇が勢いづいて、上げ幅が大きくなりやすい場面へ入っている公算です。

こちらの展開になるなら、今週は、勢いの強い上昇の流れを継続して、3波目の上値の目安となる地点、8月17日の高値29222円を目指すと考えられます。

11月11日上げが、上値の限界まで一気に上げる動きなら、11日の高値28329円が戻り高値となって、週明け後の価格が下値を試す動きになる公算です。週明け後は、11月4日の安値27032円程度まで、一気に下げる動きになると考えられます。

月曜日は、寄り付き値が下放れた後、11日の安値27837円以下を目指す公算です。

強気の展開になる場合、月曜日は、寄り付き後、下値を試す動きとなっても、一時的で終わり、すぐに上昇を開始すると考えられます。

弱気の展開になる場合、月曜日は、引けまで上値重く推移する動きになる公算です。

月曜日に上値重い動きになるか否かによって、目先の方向が見えてきます。

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