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【少額投資家のための売買戦略】2022年10月30日記

〇NYダウは11月が陰線引けするパターンを考えておく必要が出てきた

前回、10月の展開から、NYダウの本年11月が陽線引けする可能性があると書きました。

前回紹介した通り、11月が陰線引けする展開になるとするなら、それは、10月末までに価格が大幅上昇して、強い抵抗となっている34000ドル前後まで一気に上昇する展開だけでした。

前週、10月24日~28日までの5営業日では、(安値から高値までの値幅が)1728ドルの上げ場面を経過しています。

34000ドルまでは、まだ上げ余地を残していますが、急上昇した後に上値を抑えられる場合、日柄か値幅で応分の調整があらわれる可能性があるということや、10月に大幅高となった場合の過去の経験則から、現時点では、11月が陰線引けする展開を無視できなくなっています。

1990年から2021年までの期間で、11月の月足が陰線引けした年は、1991年、1994年、2000年、2007年、2008年、2012年、2021年の7回あります。

11月の最高値をつけた日(営業日)は、順番に「8日(6営業日目)、1日(1営業日目)、6日(5営業日目)、1日(1営業日目)、4日(2営業日目)、6日(4営業日目)、8日(6営業日目)」となっています。

だいたい月初に最高値をつけて、すんなりと下げる動きになっていることがわかります。

本年11月が陰線引けする展開になる場合、最近の急上昇は、11月に上値を抑えられる動きになる前に、上げられる分を一気に上げてしまう動きだと考えられます。

だとすれば、週明け後は、上値の重さを確認する作業へ入る公算です。

下値の目安は、最近の急上昇の始点となっている10月21日の安値30206ドル前後が考えられます。

一方で、11月の月足が陽線引けする展開になる場合、10月末までの上昇の流れを継続する格好で上昇するか、週明け後、いったん上値を抑えられる動きを経過した後、再度上昇を開始する展開のどちらかが考えられます。

急上昇は長く続かないという値動きのパターンや、34000ドル以上を積極的に超えられる状況ではないことを考慮すれば、本年は、11月の月足が陽線引けする場合でも、週明け後、いったん上値を抑えられる動きになるという見方が有力です。

週明け後は、11月が強弱のどちらの展開になるとしても、上値重く推移する公算です。

強気の展開になる場合、32000ドル、31500ドル程度の地点で下値を支えられて、上昇を開始すると考えられます。

11月8日の中間選挙までに下値堅さを確認して、選挙後に上昇を開始する展開が有力だと考えられます。

〇日経平均株価はNYダウが上値重い状況でも上昇する可能性がある

NYダウは、10月13日に28660ドルで押し目をつけた後、ほぼ一本調子の上昇場面となって、10月28日までで一気に32889ドルまで上昇しています。

12営業日で4229ドルの上げ場面となっています。

日経平均株価は、10月13日の安値26237円が押し目になって、上昇していますが、10月28日までの最高値が10月26日の高値27578円となっています。

NYダウが10月26日の高値32172ドルまで、3512ドル幅の上げを経過している場面で、日経平均は、1341円幅しか上昇していません。

この差の急速な拡大が日経平均株価の上値の重さを示しているなら、11月にNYダウが下降を開始する際、日経平均株価がNYダウ以上に積極的な下げ場面になる可能性を示していると見ることができます。

一方で、11月にNYダウが上昇するなら、上げ渋ってきた日経平均が、NYダウとの差を縮める展開となって、週明け後、NYダウが上値を抑えられる過程で、日経平均が上昇を継続する動きになる可能性があります。

図表01 2021年9月前後のNYダウ日足
図表02 2021年9月前後の日経平均株価日足

図表01、02は、昨年8月24日~10月7日までのNYダウ日足と、日経平均株価日足です。

NYダウは、8月24日~9月3日まで横ばいに推移した後、9月7日以降に下降を開始しています。

9月17日に押し目をつけて、その後、10月6日まで、一時的な上げを経過して、上げた分を下げる展開となっています。

一方で、日経平均株価は、8月31日以降に上昇を開始して、NYダウが下降を開始した9月7日以降、数日、上値重く推移していますが、結局、9月14日まで、だいたい一本調子の上昇局面となっています。

9月14日に戻り高値をつけた後は、10月6日まで、ほぼ一本調子の下げ場面となっています。

昨年9月は、日経平均株価の採用銘柄の入れ替えや、菅前総理が総裁選への立候補を辞退したことなどを材料にして、上げに弾みがつきました。

今回、10月28日に閣議決定された経済対策が好感されて、週明け後、積極的な上げの流れになることも考えられます。

〇日経平均株価は週明け後の展開が年末までの方向を示す可能性がある

28日のNYダウが大幅続伸したことで、週明け後の日経平均株価は、大きく上放れて始まる公算です。

本年の日経平均株価は、27000円から27500円の地点が壁となっています。

この価格帯を抜ける場面では、一気に価格が上昇、下降する動きになっています。

上値重い、下値堅い場合、この価格帯で上値を抑えられて、下値を支えられて、反転する動きになっています。

日経平均株価は、今後の価格が上昇するなら、目先、一気に10月26日の高値27578円を超えて、その後の価格が下げても、27500円前後で下値を支えられて、すぐに上昇を開始する展開になると考えられます。

強気の展開になるなら、日経平均株価は、目立った調整なく、上昇すると考えられます。

その場合、昨年9月の上げ場面と同様、NYダウの展開にかかわらず、日経平均株価が積極的な上昇を継続して、上げ幅の大きな動きになる可能性があります。

強気の展開になるなら、11月中に1月5日の高値29388円を超える動きになることも考えられます。

一方で、今後の価格が下げる場合、日経平均株価は、週明け後に価格が上放れても、10月26日の高値27578円を超えられずに上値を抑えられる公算です。

週明け後、27578円を超えられずに上値の重さを確認した後、下降を開始すると考えられます。

その場合、昨年9月14日から10月6日までと同様、NYダウよりも、日経平均株価の下げ幅が大きくなって、日経平均株価が10月の安値25621円を大きく下回る動きになる可能性が出てきます。

週明け後、積極的な上昇の流れへ入るか否かは、11月の展開だけでなく、本年が強弱のどちらの展開になるかの最終判断のポイントになると考えられます。

図表03は、日経平均株価日足と、11月の予想線です。

図表03 日経平均株価日足と11月の予想線

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