〇本年の日経平均株価が9月上昇するという見方を修正

前回、「日経平均株価は、9月が横ばいに推移するか、上昇の流れになる」と書きました。
この見方を修正します。
図表01は、日経平均株価日足です。
チャートの緑と赤と黒の実線が、現時点で想定できる9月末までのシナリオになります。
NYダウ、日経平均株価とも、9月の月足が上昇の流れを作って引ける場合、9月の最安値を確認して、上昇を開始した後は、一本調子に9月の最高値を目指す動きとなっています。勢いの強い上昇の流れを作り、月末まで上げ続ける展開にならず、一気に9月の最高値を確認しても、9月が上昇している場合は、月末まで高値圏で横ばいに推移して下値堅い展開となっています。
本年9月のNYダウ、日経平均株価が上昇するなら、前週までの動きの中で積極的な上げの流れを継続していたと考えらえます。
しかし、NYダウ、日経平均株価は、それぞれ、9月12日、13日に戻り高値をつけて、9月の上げ分のすべてを押し戻される動きとなっています。
9月は、10月から12月にかけて、押し目底を確認して、翌年へ向けた上昇を開始するための準備期間になります。翌年、年間が弱気パターンになるとしても、少なくとも年末、年初へ向けて上昇できる分の上げ余地を作る作業の時期です。
そのような時期に上値の重さを再確認する値動きがあらわれているのですから、押し目をつけて、すぐに上昇する展開になりにくいわけです。過去の値動きも、それを示す展開となっています。
〇 FOMC、日銀政策決定会合の内容は、株価指数を上昇させる要因にならない可能性がある
9月21日、22日は、FRB、日本銀行(以下、日銀)の政策が決まる日です。
多くの市場関係者は、FOMCでの0.75ポイントの利上げを予測しています。1ポイントの利上げとなると、NYダウが大きく下落することも十分に考えられます。
一方で、0.5ポイントの利上げの場合、NYダウが積極的に上昇するのかと言えば、そうならない可能性があります。
FRBは、6月1日から国債などの保有資産を減らす量的引き締めを開始しましていますが、9月から縮小の上限額を月475億ドルから、月950億ドルへと倍増する予定になっています。株価が乱高下した2018年以上の利上げと、量的な引き締めは、今後も、NYダウの上値を重くする要因になると考えられます。
一方で、日銀の政策決定会合では、緩和継続(現状維持)か、140円以上の円安を阻止するための政策転換があるかが焦点となっています。
緩和継続となっても、現状維持のため、日経平均株価を積極的に押し上げる材料にはなりませんが、想定外の政策変更は、日経平均株価の下げ要因になる可能性があります。
今回のFOMC、日銀政策決定会合では、どのような内容となっても、株価指数を積極的に押し上げる理由にならない反面、下げ方向へ影響する場合、下げ幅の大きな動きへ入るきっかけになる可能性を考えておく必要があります。
〇日経平均株価は、月末までに大きく下げる場面があらわれる公算
これまでの動きを考慮すると、日経平均株価の9月は、9月の終値が9月の始値27797円付近で引ける「横ばい」の展開になるか、(横ばいの中に含めていたパターンで)横ばいの後、月末だけ下げ幅を拡大する展開(1998年、2004年、2009年のパターン)になるかのどちらかが考えられます。
前者の場合、21日頃までに一気に下げ幅を拡大して、22日以降に値を戻す展開(図表01の緑の実線、3営業日程度下げて、5営業日程度で戻す展開)と、22日以降に一時的に下げ幅を拡大して、月末に値を戻す展開(図表01の赤の実線、3営業日程度下げて、3営業日程度で戻す展開)のどちらかになる公算です。
後者の場合、26日頃まで下値堅く推移した後、月末まで勢いの強い下げ場面になる展開が考えられます(図表01の黒の実線)。
緑の実線の展開になるなら、20日は、日経平均株価が大きく下放れて始まって、そのまま下げが勢いづく公算です。
20日に下値堅く推移するなら、赤の実線と黒の実線の展開が考えられます。
どちらになっても、20日か、21日の高値で上値を抑えられて、9月末までに、いったん大きく下げる動きになると考えられます。