【日経平均株価は、週明け後に上値重いなら下降開始へ】
○NYダウは、週明け後の方向が本年の最安値の値位置を示す

図表01は、NYダウと今後の予想線です。4つのシナリオになる過程について、以下で書いてゆきます。
5月8日の記事では、「NYダウが年間を通じて価格が下げる場合、5月~7月、8月~10月の期間のどちらか、または両方で下げ幅の大きな動きがあらわれて、一気にその年の安値付近まで下げる傾向がある」という過去の経験則を紹介しました。
過去のパターンに従うなら、NYダウは、週明け後の方向によって、本年の最安値、最安値をつける時期や値位置が見えてくると考えられます。
NYダウは、5月20日の安値30635ドルから6月1日の高値33272ドルまで、2637ドル幅の上昇を経過しています。
赤の実線は、7月に一段安となって、5月20日の安値30635ドル以下まで下げる展開です。
この展開になるには、遅くても、6月末頃までに5月20日の安値30635ドルまで下げて、30635ドル以下の下値余地が十分にあることを示す動きを確認した後、一段安になる展開が必要です。
6月末まで、あと19営業日で、上値の重さを明確にして、上昇した分の2637ドル幅の下げを経過し、そして、30635ドルが強い支持になっていないことを示すパターンを作る必要があります。
日柄を考慮すると、6月1日の高値33272ドルが戻り高値となって、週明け後に下降を開始するという見方が有力です。
桃色と緑色の実線は、週明け後に上昇して、上値を抑えられる展開です。
こちらになる場合、目先の一段高を作る日柄、再度上値の重さを確認する作業の分の日柄が必要になります。また、前週にもみあいとなった、33000ドル前後で、下値を支えられる可能性があるので、その分の日柄を考えておく必要が出てきます。
目先、一段高を経過してから下げる場合、7月までの下げは、30635ドル以下の下げ余地を確認する作業までの動きになるという見方が有力になります。
7月から8月にかけて、目立った反発なく、8月以降の下げ局面へ入ると、緑の実線の展開となって、28000ドル以下まで下げる可能性が出てきます。
7月に30635ドル前後で再反発を開始すると、桃色の実線の展開となって、8月以降の下げ余地が30000ドル前後になります。
青の実線は、6月中に上昇を継続するパターンです。
週明け後、一段高となるなら、まずは、このパターンを考えておきます。
目先の価格が上昇するなら、6月は、上昇を継続する可能性が大きいと見ておきます。6月下旬から7月に上値の重さを示した後、積極的な下げ場面は、8月から9月にかけてあらわれて、5月20日の安値30635ドル以下を試す動きになる公算です。
○日経平均株価は週明け後に大きく上昇できるかが焦点
3月27日の記事では、「2020年3月以降の上げ局面は、12~15営業日で、2500円幅程度の上げ、だいたい18営業日で3500円幅前後の上げのどちらかになっている」と紹介しました。
上昇場面で価格が一本調子になる傾向は、2020年以前にも見られます。
この傾向を継続していて、現在の上昇がこのパターンに入っているとするなら、5月12日以降の上昇が勢いの強い上げへ入るスタート地点は、5月25日の安値26578円になります(5月12日からの日柄がかかり過ぎているので、5月12日がスタート地点にはなりません)。
目先は、4~7営業日で29100円前後(3日の終値から1300円前後の上げ幅になる展開)、または10営業日程度で、30100円前後(3日の終値から2300円前後の上げ幅になる展開)まで上昇する動きになると考えられます。
日柄と上げ幅から推測すると、目先は、いったん下げる展開などあらわれず、すぐに上昇して、上げ幅の大きな動きにならなければ、29000円以上を目指すような上げ場面になりません。
目先、少しでも上値重く推移する場面があらわれれば、その時点で、5月12日以降の上昇は、上値重い状況での(または大勢の下降局面の途中の)一時的な反発に過ぎないという見方が有力になります。
下降途中の一時的な反発なら、目先の上げは、3月25日の高値28338円を超えられずに上値を抑えられると考えられます。
図表02は、日経平均株価日足です。
チャートには、週明け後の価格が上昇する場合と下降する場合のシナリオを赤と青の実線で引いています。
NYダウは、週明け後の価格が一段高となった後、すぐに上値を抑えられる展開も想定できる状況ですが、日経平均の場合、週明け後、上昇を継続するなら、最近の上昇の勢いの強さを示す展開になるので、その後の価格が28338円以上へ上げる動きになる可能性が大きくなります。
日経平均は、目先の価格が上昇した後、突然下降を開始して、7月中に5月12日の安値25688円を割れる展開を考えにくいと言えます。
さて、週明け後の日経平均は、前週末のNYダウが反落したため、寄り付き値が下放れて始まる公算です。
225先物期近は、3日の夜間取引で、3日の日中の引け値から200円幅以上の下げを経過しています。
現在が15営業日、18営業日で勢いの強い上昇の流れを作るパターンに入っているなら、(日柄と値幅から単純に推測すれば)6日は、寄り付き後、400円幅以上の上げ場面になると考えられます。 そうならず、3日の高値27776円を超えられずに推移するなら、7日の価格が急騰しない限り、27776円が最近の反発調の終点、または終点付近である可能性が大きくなります。
