【週明け後の日経平均株価は、勢いの強い下げの流れへ入る公算も】
○NYダウが弱気パターンの年になる場合の展開
1950年から2021年までの期間で、NYダウの年間の値動きを調べると、年初の値位置より年末の値位置が高くなる年(強気パターンの年)は、たいていの場合、年初から上げ方向の動きとなって、その流れを5月頃まで継続しています。
年初に上値を抑えられて、価格が下げる場合、3~5月の期間で年間の最安値を確認して、その後、年末へ向けた上昇の流れへ入っています。
年の上旬の上げやすい時期に上値重く推移し、弱さを示している状況に変化があらわれて、上昇を開始するのですから、そのような年は、積極的に投資へ向かう流れになる投資環境の変化があって、価格が上昇を開始しています。3月に年間の最安値をつけて上昇を開始した、2009年、2020年などが、その典型的なパターンの年だったと言えます。
2022年が強気パターンの年になる場合、その動き方は1つだけです。5月6日に5月2日の安値32449ドルを割れなかった動きで下値堅さを確認して、今後の価格がはっきりとした上昇の流れを作り、7月頃までの期間で、1月5日の高値36952ドルを超える展開です。
2022年が強気パターンの年になるなら、今後は、どんな弱気を示す材料があっても、なぜだか株価が上昇をし続けて、36952ドルを目指します。
今後の価格が弱さなど見せず、なぜだか積極的な上昇の流れへ入ると考えにくいと見るなら、2022年は、年初の値位置より年末の値位置が低くなる年(弱気パターンの年)か、年初の値位置と年末の値位置が近くなる年(横ばいパターンの年)のどちらかになると推測できます。
弱気パターンの年と、横ばいパターンの年は、(本年の状況で見る場合)7月頃までの動き方が同じです。そのため、以下では、弱気パターンの年になる場合を基準にして、その見方を紹介します。

図表01は、NYダウ日足と、弱気パターンになる場合の想定できる本年の展開を桃色と赤色のラインで引いています。
弱気パターンの年になる場合、本年は、2020年3月から2022年1月までの上昇幅全体の修正局面へ入っていると見ることができます(横ばいパターンの場合、その修正を経過した後、一気に価格が上昇することで、年末と年初の値位置が近くなるので、弱気の年と下値の目安が変わりません)。
上げ幅全体の修正場面と見た場合、本年全体の下値の目安は、38.2%押し付近の節目30000ドル前後の水準、または50%押し付近の節目28000ドル前後の水準が挙げられます。
弱気パターンの年は、5月~7月、8月~10月の期間で下げ幅の大きな動きがあらわれて、一気にその年の安値付近まで下げる傾向があります。
5月~7月、8月~10月の両方とも下げているような年は、複数年継続する下げ局面の途中か、大天井となる戻り高値をつけた後の下げ局面のどちらかとなっています。
2000年から2003年までの下げ局面の途中となる2002年、大幅下落となった2008年は、両方とも下げるパターンとなっています。
その年の下げが、大勢の上昇局面の一時的な下げで終わる場合、「5月~7月に一気に下げて、8月~10月にジグザグの動きとなって、年末へ向けて反発を開始する」、または「5月~7月が下げにくい動きとなって、8月~10月の期間で、一気に年間の最安値をつけて、年末へ向けて反発を開始する展開」のどちらかになります。
2008年、2020年のような株価の暴落は、多くの市場参加者が弱気だと推測できる状況のある場面で、下げやすい時期に市場参加者を誘導する特別な材料があらわれることで下げ幅が拡大します。
本年は、金融引き締めという現状での下げ材料が明確になっている状況です。また、年の後半の下げ幅が大きくなりやすい時期には、11月の中間選挙を前にして、株価の下げを誘導するような新たな材料が入りにくいと推測できます。
本年は、32000ドル前後の値位置から、1~3か月程度の期間で、一気に28000ドル以下へ下げる、暴落と見られるような展開が8~10月にあらわれる状況を考えにくいと言えます。
したがって、28000ドル以下を目指す動きになる場合、2回の下げやすい時期の両方で、下げ幅を拡大する動きになる公算です。
5~7月、8~10月のどちらかで価格が下げる場合、2022年全体の下値の目安は、30000ドル前後になると考えられます。
前回、本年5月は、一本調子の下げ場面にならないと書きました。
その見方が正しければ、5月の価格が下げる場合、目先、勢いの強い下げの流れへ入って、一気に価格が下げた後、5月下旬に値を戻す動きになると考えられます。
NYダウは、5~7月に価格が大きく下げる動きになる場合、週明け後の価格が一気に2月の安値32272ドルを割れて、一段安になるはずです。
週明け後、価格が反発を開始するなら、5~7月が積極的な下げの流れにならず、ジグザグに推移する可能性が出てきます。
○日経平均株価の5月の強弱は週明け後の方向で明確になる公算

図表02は、日経平均株価日足と5月、6月の予想線です。
4月24日の記事では、「日経平均株価の5月が、はっきりとした上昇の流れを作る場合、4月末までの流れを継続する格好で、月初から上昇を開始する」「5月の価格が下げる場合、4月末までの下げの流れを継続する格好で、5月が月初から下げるパターンと、4月からの上昇の流れを継続する格好で、月初から上げて、中旬頃に上値を抑えられるパターンの2通りがある」と紹介しました。
前述したNYダウの動きから想定できる展開と、日経平均株価の5月の値動きの特徴を考慮すると、本年5月は、月足が陽線引けする場合、4月27日の安値26051円が押し目底になって、現在がすでに上昇の流れへ入っているという見方になります。
5月2日、6日の動きは、上昇途中の小幅調整だと推測できるため、6日の安値26543円が調整の終点になって、週明け後、26543円を割れることなく上昇を開始すると考えられます。
強気の展開になるなら、目先は3月25日の高値28338円を目指す動きなる公算です。
週明け後の価格が下げて、その後、4月27日の安値26051円へ接近する展開になる場合、5月の月足が陰線引けする可能性が大きくなります。
弱気の展開になる場合、NYダウが勢いの強い下げの流れへ入っていると考えられるため、日経平均株価は、週明け後、5月6日の高値27072円を前に強く上値を抑えられて、9日~13日の期間で、一気に26051円を割れる動きになると考えられます。
週明け後の日経平均株価は、5月6日の高値27072円、安値26543円を上下どちらかへ抜けた方へ動意づく公算です。