〇 日経平均の1月が大幅安となった年はかなり弱い動きになっている
1月の日経平均株価は、4日の始値29098円から27日の安値26044円まで3054円幅の下げ場面となりました。
この下げにより、昨年8月の安値26954円を割れて、2021年のもちあいの底が抜けて、天井型を完成した格好になっているので、チャートでは、かなり弱い動きと見ることができます。
1月の大幅安は、1990年以降の値動きを調べても、その年が弱気の展開となっています。
1990年以降で、1月に始値から安値までの値幅が1000円幅以上あり、1月の月足が陰線引けしている年は、1990年、1991年、1992年、1995年、1997年、2008年、2009年、2014年、2016年の9回あります。
この中で、1990年、1991年、1992年、1997年、2008年の5回は、年足が陰線引けしています。
1990年は、1月に年間の最高値をつけて、高値から安値までの下げ幅が19169円幅となっています。
1991年は、3月に年間の最高値とつけて、高値から安値までの下げ幅が6607円幅となっています。
1992年は、1月に年間の最高値をつけて、高値から安値までの下げ幅が9707円幅となっています。
1997年は、6月に年間の最高値をつけて、高値から安値までの下げ幅が6422円幅となっています。
2008年は、1月に年間の最高値をつけて、高値から安値までの下げ幅が8162円幅となっています。
ほとんどの年で1月の高値が年間の最高値となっているだけでなく、すべての年で、年間の下げ幅が6000円幅以上となっています。
一方で、1995年、2009年、2014年、2016年は、年足が陽線引けする展開となっていますが、1月の安値が底値となって、上昇を開始しているのかといえば、そうなっていません。
1995年は、1月から7月まで下げの流れを継続して、7月に底値をつけて上昇を開始しています。1月の高値19724円から7月の安値14295円まで、5429円幅の下げ場面となっています。
2009年は、1月から3月まで下げ続けています。1月の高値9325円から3月の安値7021円まで、2304円の下げ幅となっています。
2014年は、1月から4月まで下げ続けています。1月の高値16164円から4月の安値13885円まで、2279円の下げ幅となっています。
2016年は、1月から6月まで戻せば売られる展開となっています。1月の高値18951円から6月の安値14864円まで、4087円の下げ幅となっています。
1月に1000円幅以上の下げを経過して、1月の月足が陰線引けしている年は、年足が陰線引けする展開となって、年の前半につけた高値から6000円幅以上の下げを経過するか、年足が陽線引けする場合でも、3月、または7月頃まで下値を掘り下げる動きになるかのどちらかの展開となっています。
〇 日経平均株価は1月の高値29388円を4月まで超えられない公算か
1990年以降の9回のケースを参考にするなら、今後の展開は、2月以降も下値を掘り下げる動きを継続するか、4月頃まで下値堅く推移した後、年の後半へ向けた下降の流れへ入るかのどちらかだと考えられます。
どちらの展開になる場合でも、4月頃まで、1月の高値29388円を超えられない動きになる可能性があります。
1月27日は、始値27139円から終値26170円まで969円幅の大陰線をつけています。
極端な値幅の大陰線は、目先的に行けるところまで、一気に下げた動きを示しています。
このような大陰線をつけた翌日に価格が反発する場合、その後は、大陰線の範囲内で推移して、大陰線をつけたことで、価格が十分に下げて、多くの市場参加者の下値の目安へ到達しているのか、まだ下げ余地があるのかを判定する動きへ入ります。
強気の展開になる場合、週明け後は、1月28日の安値26289円を維持する格好で、27日の高値27193円を目指す動きになると考えられます。
週明け後、価格が27日の安値26044円を目指す流れへ入るなら、もちあい経過した後は、一段安を目指す動きになると考えられます。

図表01は、日経平均株価日足です。
青の実線は、1月27日の安値が押し目底になって、4月頃まで下値堅く推移するパターンです。
赤の実線は、2月以降も下値を掘り下げるパターンです。
青の実線の展開になるなら、月曜日は、1月28日の始値26429円まで下げることなく下値堅く推移して、27000円を目指す動きになる公算です。
月曜日の寄り付き後、価格が上昇しても、28日の高値26764円前後で上値を抑えられて、28日の安値26289円を割れる動きになるなら、その後は、赤の実線の展開になる可能性が出てきます。こちらの展開になるなら、目先、26500円前後でのもちあいの動きを経過した後、2月以降、さらに一段安を目指す動きになると考えられます。
現時点では、今年後半に価格が上昇する展開を想定できませんが、図表01の青の実線の展開になる場合、5月以降、積極的な上昇の流れへ入る可能性を残します。