【日経平均は、週明け後に上昇する本年前半に上昇の流れを作る可能性を残す】
〇 NYダウは週明け後に上昇を開始するかで2月以降の上値の重さが見えてくる

図表01は、NYダウ日足です。
図中の実線は、今後の2通りのシナリオになります。
NYダウの1月5日以降の下げは、「2020年9月~10月までの調整と同程度の値幅(3056ドル幅の下げ)の調整場面」、または「昨年5月以降、ジグザグに上値、下値を切り上げる流れを継続している中での下げ場面」のどちらかだと考えられます。
前者なら、下値の目安は、1月5日の高値36952ドルから3056ドルを引いた33896ドルになります。
こちらの展開になる場合、以前の安値を割れることで、現状での上値の重さが明確になります。
目先、押し目をつけた後も、すぐに上昇を開始できず、2月中旬、3月中旬頃まで、戻せば売られる展開を継続する公算です。
2月中旬、3月中旬頃までは、日柄が十分にあるので、押し目底を確認する過程で、昨年6月18日の安値33271ドル以下へ下げることも考えられます。
33271ドル以下に下げる動きになる場合、その後の価格が上昇しても、戻り高値36952ドルへ届かずに上値を抑えられて、本年全体が弱気に推移する年(年初よりも年末の値位置が低い年)になる可能性が出てきます。
後者なら、昨年12月1日の安値34006ドルを維持する動きになるため、その目前に位置する1月20日の安値34229ドル付近が押し目底になって、週明け後の価格が反発を開始すると考えられます。
図表01には、左上にジグザグの上げ、下げの一連の動き方を示しています。
次の上昇は、はっきりとした上げの流れを作る可能性がありますが、その場合でも、戻り高値36952ドルを超えるまでの動き方が、以前と似た展開になると考えられます。
これまでは、押し目をつけた後、安値圏でジグザグせず、すぐに反発を開始して、応分の上昇を経過した後、いったん大きく上値を抑えられる動きとなっています。
1月20日の安値が押し目底になっているなら、週明け後は、すぐに反発を開始して、1月19日の高値35490ドル付近まで、一気に上昇する動きになる可能性があります。
〇 日経平均は1月の月足が陽線引けする動きになるかが焦点
前回、本年の日経平均株価は、NYダウの値動きにかかわらず、上昇する可能性があると書きましたが、NYダウがどんな動きでもいいというわけではありません。
日経平均が上昇するためには、NYダウが横ばい程度の動きを保っている必要があります。
NYダウの1月の高値が当面の天井となって、本年が下降局面へ入るのであれば、日経平均は、その流れに反して上昇する展開を考えられません。
したがって、NYダウが2月中旬、3月上旬頃まで上値重く推移して、昨年6月の安値33271ドルを割れる動きになる場合、本年の日経平均株価は、3月以降に価格が上昇を開始しても、昨年9月の高値30795円を超える動きにならずに上値を抑えられて、下降の流れを作る可能性が出てきます。
以前に紹介した日経平均の1月から4月までの値動きで見るなら、日経平均株価は、1月31日までに1月4日の始値29098円を超えて、1月が陽線引けする展開にならないと、4月末の値位置が29098円よりも低くなると推測できます。
1月の月足の陰線引けが、4月以降に上昇しないことをあらわしているわけではありませんが、少なくとも、4月頃まで上値が限られるという見方になります。
以上のことを考慮すると、日経平均株価が年の前半に昨年9月の高値30795円を超える動きになる可能性があるとするなら、週明け後は、NYダウ、日経平均株価とも、押し目をつけて上昇を開始する展開になると考えられます。
日経平均株価は、週明け後、下値を掘り下げる動きになるなら、1月中に押し目底をつける動きとなっても、4月頃まで29000円以下で推移する可能性が大きくなります。
図表02は、日経平均株価日足と今後の展開になります。
