【日経平均は17日に上昇するなら14日の安値が本年の最安値になる公算も】
〇 8月下旬から9月上旬頃のNYダウと日経平均の値動き


図表01は、昨年8月下旬以降のNYダウ日足です。
図表02は、昨年8月下旬以降の日経平均株価日足です。
チャートを見ると、NYダウが8月23日から9月10日までの期間で、横ばいから勢いの強い下げ場面へ入る過程で、日経平均株価は、はっきりとした上昇の流れへ入っています。
NYダウ、日経平均株価は、ほとんどのケースで相関の強い動きとなっていますが、昨年、8月下旬から9月上旬の日経平均株価の急上昇場面だけ、NYダウと異なる動き方になっています。
このときの変化は、8月31日に誰もが認識できる値動きとしてあらわれました。
8月23日以前は、NYダウが上昇しても日経平均株価が上がりにくく、NYダウが下げると、日経平均株価が想定以上に大きく下げる展開となっていました。
その流れが変わり、日経平均株価は、NYダウの上げに歩調を合わせて、8月23日以降に反発を開始します。
8月26日からは、NYダウがもみあいの動きへ入る過程で、日経平均株価も横ばいに推移しています。
8月23日から8月30日までは、NYダウと日経平均が似た動きでしたが、8月31日に変化があらわれます。

図表03は、日経225mini先物期近の1時間足です。
図表01のNYダウ日足と比較して見てゆきます。
8月31日の先物は、8月30日の16時30分から31日の15時15分までが取引時間になります。
8月31日は、8月31日の16時30分から9月1日の15時15分までが取引時間になります。
8月31日の225先物の16時30分から5時30分(夜間取引の時間帯、以前の取引時間)の時間帯は、8月30日のNYダウの動きに影響されます。
9月1日の225先物の16時30分から5時30分の時間帯は、8月31日のNYダウの動きに影響されます。
8月31日の夜間取引の時間帯では、8月30日のNYダウが下げている流れを映して、225先物も下値を試す動きになっています。
ただ、このとき、NYダウが(日本時間)22時30分の発会後、下降の流れを作っているのに対して、225先物が22時30分頃に夜間取引の最安値をつけた後、下値堅く推移しています。
これまでの流れを考えると、225先物が大きく下げる可能性のある場面でしたが、そうなりませんでした。
翌8月31日のNYダウが続落しています。この動きで、8月31日の日中のダウ先物、CFD等は、積極的な上昇場面になっていないことがわかります。
それにもかかわらず、8月31日の日中の225先物、日経平均は、大きく上昇する動きになっています。
8月31日のNYダウが続落する場面でも、9月1日の夜間取引の225先物は、8月31日の日中の高値圏で下値堅く推移しました。
8月31日の変化の後、NYダウは下げの流れへ入り、日経平均が積極的な上昇局面へ入っています。
〇 前週末の夜間取引で225先物に変化の兆し


図表04は、最近のNYダウ日足、図表05が日経225mini先物の2022年1月14日から17日の夜間取引(14日の16時30分から15日の6時)の1時間足です。
NYダウが13日に下げて、14日の225先物が夜間取引から日中にかけて大きく下げています。
14日は、NYダウが続落して、1月10日の安値35639ドルを試す動きになっています。この下げは、1月5日の高値36952ドルが戻り高値となって、現在が下値を試す流れへ入っていることを示唆する動きです。
当然、17日(夜間取引、14日の16時30分から15日の6時)の225先物は、14日の安値以下まで下げる場面です。
価格は下値を試す動きとなりましたが、14日の日中の安値を維持して、前述した8月31日と同様、NYダウの寄り付き付近の時間帯で夜間の最安値をつけて、その後、NYダウが一段安となる過程で、上昇しています。
NYダウの流れに沿った動きとなるなら、週明け後の17日は、225先物、日経平均が14日の安値以下を目指す動きになるはずです。
そうならず、17日の日経平均が上昇するなら、その動きは、昨年8月31日と同様、NYダウの動きに反して、日経平均が勢いの強い上昇の流れへ入る前兆になることも考えられます。
前回、昨年12月19日の記事で「FRBが利上げを実施した94年2月以降、99年6月以降、04年6月以降、15年12月以降の過去4回のケースでは、NYダウが上値重く推移しても、日経平均が上昇する傾向がある」と紹介しました。
17日に日経平均が上昇するなら、それは、本年の日経平均がNYダウの価格に接近する展開になる初期段階の動きであることも考えられます。
前回、前週が本年の分岐点と書きました。分岐点となる週で日経平均株価が下値を掘り下げたにもかかわらず、まだ上昇する可能性を書いていますが、17日、もう1営業日だけ、本年前半が大きく上昇する可能性を考えておきます。
図表06は、日経平均株価日足と1月の予想線です。
週明け後の価格が上昇すると、1月が陽線引けする展開になる可能性を残します。
