【日経平均は上昇を開始する公算も】
〇 NYダウは1日の安値が押し目になって反発を開始する公算か

図表01は、本年4月以降のNYダウ日足です。
NYダウは、5月10日に戻り高値35091ドルをつけた後、上値を徐々に切り上げる格好でのもちあい場面となっています。
このもちあいは、レンジ下限が不規則に押し目をつける動きとなっているように見えますが、細かく値動きを調べると、5月10日に戻り高値をつける手前の4月頃から、34000ドルを割れると、強く下値を支えられる格好になっていることがわかります。
4月以降、34000ドルを割れた地点を順番に見てゆくと、ほとんどのケースで、34000ドルを割れた後、34000ドルを割れた日、または翌営業日に押し目をつけて、すぐに反発を開始し、34000ドル以上へ値を戻しています。
押し目をつけた翌営業日に反発する場面では、前日の下げ分の大部分、またはそれ以上を戻す上げ場面となっています。
9月20日に33613ドルまで下げた後も、21日以降、すぐに反発を開始して、34000ドル以上へ値を戻しています。
10月1日の反発は、4月から続いている34000ドル以下での下値堅さの継続を示す動きだと言えます。
これまでのパターンを繰り返すなら、週明け後は、一気に9月27日の高値35061ドルまで上昇すると考えられます。
一方で、4日の価格が1日の高値34490ドルを前に上値を抑えられる場合、それは、4月以降の34000ドル以下での下値堅さが変化していることを示します。
5月以降の34000ドル以下で押し目をつけたどのケースでも、反発を開始した翌日以降、連続して陽線引けして、はっきりとした下値堅さがあらわれています。
4日の価格が下げるなら、その後の価格は、長く下値を掘り下げる動きになる可能性が大きくなります。
当面の下値の目安は、2020年9月~10月までの下げ幅と同程度の値幅となる32575ドルが挙げられます。
〇 目先上昇なら、NYダウは10月末に35631ドル前後へ位置する展開か
本年の前半のNYダウの展開は、年末へ向けて新高値を更新する可能性のある年の動き方になっています。
10月1日の安値33785ドルが押し目になって、上昇を開始するなら、その上げは、年末へ向けた上昇の流れへ入っている可能性を考えておく必要があります。
ただ、前回、「NYダウは、9月の価格が下げている場合、10月に価格が上昇しても、9月までにつけた年間の最高値を積極的に上回る動きにならない」という過去の値動きの経験則を紹介しました。
この経験則を考慮すると、10月1日の安値33785ドルが押し目になって、上昇を開始する場合でも、10月中は、8月16日の高値35631ドルまでの上げ場面になると考えられます。
だとすれば、目先は、一気に9月27日の高値35061ドル程度まで上げた後、いったん上値を抑えられる動きへ入ると考えられます。
一方で、週明け後の価格が下げて、目先の価格が9月20日の安値33613ドルを割れるなら、前述した通り、これまでの下値堅い流れの変化を示します。
8月16日以降、ジグザグに上値、下値を切り下げて、日柄と値幅の大きな下げの流れを作り、さらに34000ドル前後での下値堅さがない状況を示すのですから、その下げは、すぐに終わる展開にならないと考えられます。
弱気の展開になるなら、10月末頃まで、または、11月まで、下値を試す流れを継続する可能性が出てきます。
〇 日経平均は4日に上値重く推移するかが焦点
9月12日の記事では、「日経平均株価が3500円幅程度の急騰を経過した後、上げ幅の50%押し前後程度の下げ、または、1か月程度の日柄の調整のどちらかがあらわれる」と書きました。
10月1日の安値28680円は、上げ幅全体の50%押し付近に位置しています。
現在が年末へ向けた積極的な上昇の流れの途中なら、10月1日の安値28680円付近が押し目になって、今後の価格が再上昇を開始すると考えられます。
一方で、目先の価格が下げて、下降の流れの継続を示す動きになるなら、それは、2月以降のレンジ内の動きを継続している可能性を示すことになります。
弱気継続となるなら、その後は、8月20日の安値26954円を目指す可能性が大きくなります。
NYダウが反発した流れを映して、週明け後の日経平均は、寄り付き値が上離れて始まる公算です。
この反発が一時的な動きで終わるなら、4日は、1日の始値29235円付近で強く上値を抑えられる動きになると考えられます。
4日に1日の高値29393円を超えて引けるなら、28680円が押し目底になっている可能性が出てきます。
図表02は、日経平均株価日足と、今後の予想線になります。
