日経平均株価は戻り高値をつける作業へ入る公算
〇日経平均株価は、一連の上昇パターンを経過し、上値目標値へ到達している

図表01は、日経平均株価月足で、2012年以降の上昇局面になります。
チャートには、はっきりとした上昇の始点となる安値と、上昇の終点になる高値の日付と値段を書き込んでいます。
2012年以降の上昇局面は、一本調子の上昇を継続して、一気に目的地へ到達した後、横ばい、または下げ幅の伴った調整場面を経過するという動きを繰り返しています。
上昇幅の目安は、だいたい7000円前後となっています。
おおまかな上昇の仕方を見てゆくと、価格は、2回の大きな上昇を経過して、2回目の上げ分を押し戻される動きの繰り返しになっています
2012年6月から2013年5月まで、7704円幅の上昇を経過して、その後、レンジ内でのジグザグを経過し、2014年4月から2015年6月まで、再び上昇の流れを作り、7067円幅の上げ局面となっています。
7704円幅の上昇、横ばい、7067円幅の上昇がワンセットとなって、一定の流れが終了した後は、値幅の伴った下げ場面となっています。
この下げは、2回目の上昇の始点となる2014年4月の安値13885円に近い14864円まで下げる動きになっています。
同様に、2020年3月以降も、2020年3月から6月まで6827円幅の上昇、2020年7月から2021年2月まで9004円幅の上昇と、その間の横ばいの動きがワンセットとなって、その後、値幅と日柄の伴った下げ場面へ入っています。
2016年6月から2018年1月までは、一気に9265円幅を上げる展開となっていますが、細かく見れば、上昇の真ん中で小幅なもちあいの動きを経過しています。
大幅上昇、横ばい、大幅上昇のワンセットを経過した後、値幅と日柄のともなった調整の動きへ入っています。
昨年から始まる現在の上昇局面も、2023年1月から6月、2023年10月以降と、大幅上昇、横ばい、大幅上昇のワンセットを経過しています。
これまでのパターンの通りなら、2023年10月から9503円幅の上昇を経過してつけた3月1日の高値39990円付近が戻り高値となって、目先は、値幅と日柄のともなった調整場面の準備の動きへ入ると推測できます。
○日経平均株価はすでに年間の変動幅を達成している

図表02は、以前にも紹介している日経平均株価の年間の変動幅(高値から安値までの値幅)になります。
バブル崩壊後の暴落場面となった1990年、1992年は、19169円幅、9707円幅の下げ場面となっています。暴落後に急上昇した2020年は、11244円幅の動きとなっていますが、その他の年を見ると、どんなに大きく動いても、8000円幅が限界になっていることがわかります。
年間が陽線引けしている年を見ると、バブル期の上昇局面であっても、年間の上げ幅は、9000円幅以下になっています。
昨年は、6月までの期間で8111円幅の上昇場面となりましたが、結局、年末までに6月の高値を超える動きになりませんでした。
本年は、1月4日の安値32693円から前週末の高値39990円まで、すでに7297円幅の上げを経過しています。
年間の変動幅の大部分を経過しているので、本年全体の上げ余地は限られると考えられます。
○日経平均株価の乖離線は上値の限界を示唆

図表03の上段は、日経平均株価日足、下段が終値から25日移動平均線を引いた乖離線(以下、乖離線)です。
以前にも紹介しましたが、乖離線は、2000円以上の水準がめったに出ない高水準となっています。
2000円以上の値位置は、バブル崩壊後の急落の後の急反転場面であらわれた後、2020年まであらわれることのない水準でした。
2020年以降も、4回しかあらわれていない場所になります。
乖離線は、前週末の上昇により、2382円まで上昇しています。 前述した上昇のパターン、年間の変動幅、乖離線の水準、以前に紹介した1月~4月までの値動きの傾向(1月、2月に上昇なら3月、4月が横ばい、または調整)などを考慮すると、週明け後は、戻り高値を確認する作業へ入る可能性があります。