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【少額投資家のための売買戦略】2021年9月5日記

【日経平均は29500円の壁で上値を抑えられる公算】

〇 ドル・円相場はしばし円高方向に推移する公算か

8月10日の記事では、「8月から年末までの期間でのドル・円相場は、8月1日から15日(以下、8月前半のレンジ)の営業日の範囲で動いたレンジを抜けた方へ動意づく傾向がある」と紹介しました。

8月前半のレンジ上限を上抜くと、その年は、年末へ向けて円安の流れを作ります。

年末の円安の目安は、8月前半のレンジ下限の値位置に5~10円幅を加えた地点になります。

8月前半のレンジ下限を下抜くと、その年は、そのまま円高へ向かうパターンと、9月下旬以降、再度反転して、円安へ向かうパターンの2通りの展開が考えられます。

本年の場合、前述した期間のレンジ下限は、8月4日の安値108.69円、レンジ上限が8月11日の高値110.8円になります。

このレンジと、これまでの値動き、円安、円高へ向かう時期を考慮すると、年末までのドル・円相場には、3通りのパターンが考えられます(図表01を参照)。

1つ目は、8月16日以降、年末へ向けた円安の流れが始まっているパターンです。

こちらの展開になる場合、目先の価格が8月24日の高値109.38円を維持する格好で反転して、来週以降、はっきりとした円安の流れへ入ると考えられます。

9月中、いったん7月2日の高値111.65円を超える程度まで円安が進み、10月以降、年末へ向けて120円を目指す円安の流れへ入る公算です。

2つ目は、9月下旬頃まで、円高の流れとなって、いったん108.69円を割れる動きを経過した後、4月23日の安値107.44円を維持する格好で反転上昇を開始して、年末へ向けた円安の流れへ入る展開です。

反転する時期は、9月23日のFOMC前後が考えられます。

3つ目は、週明け後、はっきりとした円高の流れへ入り、10月中旬頃までの期間で、1月6日の安値102.56円を目指す展開です。

1つ目の展開になる場合、前週末9月3日の米雇用統計をきっかけにして、円安の流れへ入り、前週末に9月1日の高値110.42円を超える動きになっていたと考えられます。

そうならず、9月3日に円高方向の動きとなったため、現時点では、目先の価格がいったん円高方向に推移して、108.69円を割れる動きになるという見方が有力になったと言えます。

図表01 ドル・円相場日足と今後の展開

〇 NYダウは短期的に下値を試す動きになる可能性が出てきた

NYダウは、8月24日以降、もみあいの動きへ入っています。

このもみあいが上昇途中の動きなら、9月2日の反発をきっかけにして、3日の価格が8月30日の高値35510ドルを超えて、上昇の流れを示す動きがあらわれていたと考えられます。

3日は、下値堅く推移していますが、上昇できなかったことで、上値の重さを示唆していると見ることができます。

一定の流れができているときの調整は、3営業日(遅くても5営業日)程度で調整を終了します。

7月26日から8月5日まで、9営業日のもみあいとなっていますが、このときは、戻り高値を更新できない期間が長くても3営業日でした。

今回は、9月3日の時点で、8月30日の高値35510ドルを超えられない期間が4営業日となります。

休み明け後、すぐに上昇して、35510ドルを超える動きになるなら、35631ドルの突破を目指す流れの継続を示しますが、35510ドルを超えられない場合、価格が下値堅く推移しても、上値を試す流れがすでに終息しているという見方が有力になります。

休み明け後、価格が下げるなら、その下げは、8月19日の安値34690ドル以下を目指す動きになる可能性があります。

図表02 NYダウ日足と今後の展開

〇 日経平均株価は29500円の節目前後でいったん上値抑えられる公算

週明け後、ドル・円相場が円高方向に推移して、NYダウが下降を開始する場合、少なくとも(次のFOMCまで)2週間程度続く円高、NYダウ安局面へ入る可能性があります。

そうなると、日経平均株価は、8月31日以降の急騰が終息して、下値を試す動きになると考えられます。

週明け後、弱気の展開になる場合、価格の動き方には2通りが考えられます。

1つ目は、3月19日に16358円で押し目をつけた後、3月25日の高値19564円まで(3206円幅)上昇した後、4月3日の安値17646円まで、(1918円幅)60%押しを経過したように、上げた分を値幅で調整するパターンです。

2つ目は、10月30日~11月25日まで一気に上昇した後、12月22日まで、横ばいに推移したように、日柄で調整を経過するパターンです。

前者なら、週明け後、上値を抑えられた後、9月下旬頃までの期間で、28500円程度か、28500円以下まで下げる展開が考えられます。

後者なら、29000~29500円程度のレンジでもちあいの動きへ入る公算です。

図表03 日経平均株価日足と今後の展開

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