【日経平均株価は週明け後に下降を開始する公算も】
〇 NYダウは9月までに3056ドル幅の調整を経過する公算
NYダウは、2020年3月以降、上昇の流れへ入り、5つの波のパターンを形成中だと考えられます。
2020年10月30日の安値が2波の終点となって、その後、3波の上昇局面へ入っています。3波が終了した後、2波の下げ幅の最大値となる2020年9月3日~10月30日までの下げ幅(3056ドル幅)の4波を経過し、最終段階の5波へ入ると考えられます。
年初からの値動きを考慮すると、本年は、年末へ向けて上昇の流れを作り、本年の最高値を更新する可能性があります。
年末へ向けた上昇は、昨年のように、事前に用意された材料が11月に入り、急上昇するような展開を考え難いと言えます。つまり、年末へ向けて最高値を更新するには、十分な日柄をかけた上昇の動きが必要だということです。
2023年には利上げすると言われているため、2022年後半に積極的な上昇の動きがあらわれる展開を考え難いと言えます。
今後、3056ドル幅の調整があらわれるなら、それは、本年中の動きになるはずです。
以上のことを考慮すると、以前から何度も書いている通り、NYダウは、9月、遅くても10月上旬頃までに3056ドル幅の4波の調整を経過した後、年末、来年前半へ向けた新たな上昇、最終段階の5波の上昇局面へ入る公算です。
3056ドル幅の調整があると見た場合、2021年5月10日の高値35091ドルは、9月頃まで、強く意識される動きになると考えられます。そのため、目先の価格が35091ドルを超える動きとなっても、すぐに上値を抑えられて、9月へ向けて、3056ドル幅の調整場面へ入ると考えられます。

以上のことを考慮すると、7月の展開は、図表01の実線の2通りに絞られます。
目先、勢いの強い上昇の流れを継続して、7月中旬頃、35091ドルを若干だけ超えた地点で戻り高値をつけて、3056ドル幅の下降を開始するか、目先、34500ドル前後で戻り高値をつけて、下値を試す動きへ入るかのどちらかです。
〇 チャートでは日経平均の30714円が天井になると推測できる

図表02は、日経平均株価週足です。図には、強弱の2本のシナリオを引いています。
2021年2月16日以降の下げ幅は、2020年3月以降の上昇局面で最も値幅の大きなものになります。
今後の価格が上昇を開始して、2月16日の高値30714円を超える展開になるということは、(図中の強気のシナリオの展開)2020年3月以降の上昇が、2月16日以降の調整を2波とした5つの波のパターンを形成する可能性を示唆しています。
今後は、複数年かけて大勢の上昇局面を継続して、巨額な経済対策と金融緩和によって作られた2020年3月から2021年2月の上昇が、あと2回あらわれる可能性があることになります。
そのような上昇は考えにくいと判断するなら、30714円が大勢の上昇局面の終点となっているという見方が有力になります。
その場合、NYダウが年末へ向けて高値を更新する動きとなっても、日経平均が30714円を超えられないはずなので、今後は、年末へ向けて価格が上昇しても、30714円を超えられない程度まで、十分に日柄をかけて、値幅の伴った下げ場面になると推測できます。
複数年かけて上昇の流れを作り、40000円を目指す展開がありえないと見るなら、日経平均株価は、2月16日以降の下降の流れを継続して、10月頃までの期間で、25000円以下を目指すという見方になります。
〇 日経平均は29500円が壁になる公算

図表03は、日経平均株価日足です。
2月16日以降の値動きを見ると、29500円前後の地点で強く上値を抑えられる、ギャップを開ける動きがあらわれていて、29500円前後が強弱の節目になっていることがわかります。
30714円が当面の天井になっていて、今後の価格が10月頃までに25000円以下へ下げると見るなら、目先は、2月16日以降の下げの流れを継続する格好で下降を開始すると考えられます。
だとすれば、最近の反発調は、29500円前後の壁を超えられず、週明け後の価格が上昇を継続する場合でも、29500円前後で上値を抑えられると考えられます。
今後の展開には、週明け後、すぐに上値を抑えられるパターンと、7月中旬頃まで、29000円以上の値位置でうろうろするパターンの2通りが考えられます。
どちらの場合でも、8月には年間の最安値を更新する下げ場面に入っている公算です。