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【少額投資家のための売買戦略】2021年5月30日記

【日経平均株価は週明け後に下降を開始するなら、下げが勢いづく公算か】

〇 日経平均の前週の反発は6月以降の下げ幅を大きくしているだけ

日経平均株価は、年間の値動きが弱気の展開になる場合でも、6月頃までの時期につける安値が年の前半の安値となっています。年末へ向けて価格が積極的な下げの流れへ入る時期は、9月以降になっています。

1年を通じて下げの流れを作った2008年であっても、年の前半の安値(3月につけた安値)を下回る動きを経過した時期が9月です。

9月以降、翌年へ向けた動きへ入る前に、その年の材料によって、行けるところまで行く動きが、上下どちらへもあらわれやすいためだと考えられます。

日経平均株価は、2月16日の高値30714円が戻り高値となって、2020年3月以降の上昇局面全体の修正場面へ入っていると考えられます。

下値の目安は、25000円前後、または25000円以下の値位置が挙げられます。

前述した季節性や、下値の目安になる地点までの下げ余地を考慮すると、25000円へ到達する時期は、6月頃か、9月以降のどちらかになると考えられます。

年の前半に当面の下値目標値へ到達して、後半から上昇を開始する場合、遅くても6月中に下値の限界付近(底入れ型を形成する過程で下値を掘り下げる可能性もあります)へ位置している必要があります。

一方で、7月頃までの期間で下げ余地を残してしまうと、8月以降、積極的な下げの流れへ入り、押し目底をつける時期は、9月以降になります。

年の後半に前半の安値を積極的にわれる下げは、翌年への期待値が低いことを示唆する動きになるので、すぐに値を戻す展開になりにくいと言えます。

戻り高値以上を目指す積極的な買いが入りにくいため、下値を掘り下げているため、その後、上昇を開始しても、上げ余地が限られることになります。

本年が年末へ向けて2月の高値を目指す動きになる可能性を残すとするなら、6月中に積極的な下げの流れへ入り、一気に25000円付近まで下げる動きがあらわれる必要があります。

以上の見方が正しければ、前週の上昇は、強気サインではなく、6月の下げ幅を大きくするサインか、今年後半まで下げの流れを引きずるサインになっていることになります。

〇 日経平均株価の5月と6月の値動きの関係

日経平均株価は、その年の金融、財政政策を好感して上昇する場合、前年の年末頃から、上げ傾向の強い4月へ向けて上げ幅を拡大する傾向があります。

言い換えれば、その時点の材料で上げられる限界を4月、5月頃につけているということになります。

6月は、2011年から2020年までの10年間で2回しか陰線引けしていないことからわかる通り、比較的上げやすい時期ですが、積極的に年の前半の上げ幅を拡大する展開にはなっていません。

5月に価格が下げるなら、その下げ分を戻す動きとして、6月が上昇するという動き方になっています。

実際、1990年から2020年の期間で、6月が5月の高値を超えて、積極的に上昇した年は、2003年と2005年の2回しかありません。

その他の年は、「5月に動いた範囲内で推移」、「5月の安値以下へ下値を掘り下げる動きを経過して押し目をつける」、「5月に動いた範囲よりも若干だけ上の値位置で推移」という動き方になっています。

6月が5月よりも高い値位置で推移する場合、5月がジグザグに推移して、6月もジグザグの値動きとなる中で、6月が若干だけ高くなっている(だいたい5月に動いた範囲内で推移)というケースがほとんどです。

〇 6月は上値の重さを確認する作業か、一本調子の下げになる公算

これまで書いてきたことを考慮すると、日経平均株価の5月13日以降の反発は、「2月16日以降の上値、下値を切り下げるジグザグの中の反発」、「2月16日の高値30714円での上値の重さを確認する作業」のどちらかだと考えられます(図表01を参照)。

前者なら、5月28日の高値29194円が戻り高値となって、週明け後の価格がはっきりとした下げの流れへ入る公算です。

後者なら、6月は、前半に30714円へ届かない程度の上値を試す動きを経過して、後半に上げた分を下げる動きになると考えられます。

前者の場合、7月頃までに押し目底を確認して、8月、9月以降、再上昇を開始する可能性を残します。

後者の場合、8月以降、積極的な下げの流れへ入り、25000円を大きく下回る動きになる可能性が出てきます。

図表1 日経平株価日足と本年のシナリオ

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