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【少額投資家のための売買戦略】2021年4月25日記

【日経平均株価は今週中に30000円以上に到達できるかが焦点】

〇 日経平均株価は、今週まで30714円突破の可能性を考えておく

前回、日経平均株価は、4月19日以降の価格が下げる場合、5月が下値を試す動きになる可能性が大きくなると書きました。

5月は月初から上下へ一本調子に動きやすい傾向があります。

5月は、一定の流れができると、その流れを払拭するような材料があらわれにくく、その時点での上値、下値の限界を試す流れになりやすくなっていると推測できます。

そのため、前回は、19日以降の価格が下げて、2月16日の高値30714円での上値の重さを再確認する格好になる場合、5月中にこの高値を超えるような上げ場面へ入りにくいと判断しました。

日経平均株価は、19日以降、価格が一段安となって、2月16日以降のレンジ下限となる3月5日の安値28308円に迫る程度まで下げています。

5月の始値が28500円以下に位置しているなら、5月が一本調子の上昇の流れとなっても、戻り高値30714円が強力な壁になっている状況は変わらず、4月6日の高値30208円の手前で戻り高値をつけると考えられます。

6月~9月頃までは、年間が強気であっても、積極的に高値を更新し続ける展開になりにくい時期になります。

その時期を前に上値の限界が見えてくるのですから、本年が30714円以上を積極的に目指す動きがあるとしても、10月以降の動きとしてあらわれるという見方になります。

現時点でできるだけの財政出動を行い、大規模な金融緩和を実行しているにもかかわらず、価格がさらなる高みを目指す展開にならないわけですから、今年後半は、選挙へ向けて、追加の経済対策を決定するような材料があらわれなければ、市場全体が積極的な上昇の流れへ入る展開を考えにくくなります。

4月20日、21日の下げの動きだけで判断するなら、今年は、30714円が当面の強い抵抗となって、後半に向けて下値を掘り下げる動きになる展開を重視すべき状況へ入っているという見方になります。

しかし、下げが20日、21日の2営業日で終わり、すぐに上昇を開始したことで、現時点では、まだ30714円が強力な壁になっていない可能性を残しました。

今週中に戻り高値30714円へ接近して、2月16日以降のもちあいが上昇途中の中段もちあいだと推測できる状況へ入るなら、5月は、30714円を超えて、33000円を目指す動きになる展開が視野に入ります。

26日~30日までの4営業日で、30000円を超える動きになる場合だけ、5月に33000円を目指す動きになる展開を想定しておきます。

週明け後、上値重い動きがあらわれて、4月21日の安値28419円へ接近する展開になるなら、その時点では、少なくとも9月まで、上値重い、下値を試しやすい状況へ入ると見ておきます。

〇 年足陽線なら28419円を割れる展開にはならない公算

1月31日の記事では、「年足が陽線引けしている年は1月頃に年間の最安値をつける傾向がある」「1月以外に年間の最安値をつけている年は、年の前半に上値重く推移するか、上昇しても4月頃までに上値を抑えられる動きになっている」「年の後半に上昇している理由は、(日米の)政策の支援や転換、円安が後押ししているため」と書きました。

85年以降で年足が陽線引けしている年は、1985~1989年、1993~1995年、1999年、2003~2006年、2009年、2012~2017年、2019年、2020年です。

上の表現は、わかりにくいと思いますので、それぞれの年のチャートを確認してもらえればと思います。

さて、強気の展開になる場合、上げやすい4月を前に押し目をつけて、上昇を開始していることが多いため、年間の最安値を1月につけていなくても、だいたい4月頃までの時期に年間の最安値をつけています。

1990年~2020年までの期間で年足が陽線で引けている年は、17回あります。そのうち12回が4月までの期間で年間の最安値をつけています。

残り5回は、6月(3回)、7月(1回)、11月(1回)につけています。

年足が陽線で引けて、6月に年間の最安値をつけた年は、2006年、2012年、2016年です。

7月に年間の最安値をつけた年は、1995年です。11月が1993年です。

1995年と2016年は、1月から積極的な下げの流れを作っているため、本年と異なります。

1993年は、前半に上昇して、後半に下降して、ほぼ往って来いの展開となって、たまたま年末の値位置が年初の値位置よりも高かっただけです。

2006年は、6月に押し目をつけた後に上昇を開始していますが、結局、年末までに4月の高値を超えられませんでした。

2012年は言うまでもない材料があって、年末に高値を更新しています。

過去の値動きを考慮すると、今後の価格が30714円を超えられずに下げて、1月6日の安値27002円を割れる動きになる場合、その動きは、30714円が年間の最高値になっていると推測できます。

4月末まで、29000円が強力な壁となって、5月の価格が下降を開始するなら、その後は、27002円を割れる展開になる可能性が出てきます。

このように書くと、30714円が強力な壁になって今年の価格が下げると言いたいのだと思われるかもしれないので、付け加えておきます。

今後の価格が下げて、3月5日の安値28308円を割れると、30714円が当面の天井となって、下値を試す流れへ入っていることを示唆します。

そのような動きになれば、下げ余地は、1月の安値27002円以下まで拡大します。

本年を強気と見るなら、27002円が本年の最安値になっているはずなのですから、今後の価格が28308円を割れる展開にならないと考えられます。

だとすれば、3月5日の安値28308円を維持する格好でつけた4月21日の安値28419円は、目先の押し目底となって、今後の価格がこの地点を割れる動きにならないと考えられます。

本年を強気で見る場合、もう下げてはいけない場所がすぐ下に、はっきりと見えている状況だということです。

年間の変動幅の目安は、4000~6000円幅になります。

本年はまだ、3712円幅しか動いていません。

図表01は、日経平均株価日足と、前週までの展開を考慮した目先のシナリオです。

図表01 日経平均株価日足と目先の予想線

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