【日経平均株価は19日までに30714円突破の公算】
〇 NYダウは、当面値幅の伴った調整が入らない公算
NYダウは、昨年6月以降、目立った戻り高値を超えても、数日上昇を継続して、すぐに上値を抑えられる動きを繰り返しています。
3月4日の安値30547ドルが押し目になって、再上昇を開始しましたが、3月12日の時点で、3月4日以降の上げ幅(2246ドル幅)は、すでに1月29日から2月24日までの上げ幅(2153ドル幅)と同程度の値幅を経過しています。
昨年6月以降の流れを考慮すると、週明け後、すぐに上値を抑えられる動きへ入るのではないかと考えたくなります。
今回は、すぐに上値を抑えられる展開にならないと見ています。
以下では、その見方を2つ紹介します。
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図表01は、2020年3月以降のNYダウ日足です。
以前より、NYダウは、年初から5月頃まで、10月以降の期間が上昇しやすく、6~9月頃までが上値を抑えられやすいと書いてきました。
大勢が上昇の流れを作り、基準になる5つの波のパターンを形成すると見るなら、1波、3波、5波の上昇の流れを10月から5月頃の期間で作り、2波、4波の値幅の伴った調整局面を6~9月の期間で作りやすいと考えられます。
2020年3月以降の上昇は、典型的な値動きになっていると考えられます。
具体的には、3月23日~6月8日までの上昇が1波、6月8日~10月30日が2波の調整局面で、10月30日以降、3波の上昇局面へ入っているとカウントできます。
カウントが正しければ、10月30日からの上昇は、全体として横ばいに推移している6月8日~10月30日と異なり、はっきりとした上げの流れになるはずです。
上げ幅の目安は、3月23日~6月8日までと同程度の値幅になる地点35510ドルが挙げられます。
だとすれば、NYダウは、目標値を5月ごろまでに達成する公算です。

図表02は、NYダウの1月から5月までの値動きのパターンです。
図の値動きに共通するポイントは、3月以降に価格が上昇する場面では、4月下旬頃までその上げを継続していることです。
3月に値を戻しても、一時的な動きで終わっている年は、1年を通じて上値重く推移している2002年、2004年、2005年、2018年だけです。2008年でさえ、3月中旬から5月中旬まで上昇の流れを作っています。
図のそれぞれのパターンは以下のような動きになっています。
1月、2月から価格が下げるなら、2月、3月に押し目をつけて、その後、少なくとも4月下旬頃まで上昇の流れを作っています。
3月、4月に大きく下げる動きがあらわれている年は、戻り高値をつけて下げるまでの期間、年初から一本調子の上昇局面となっています。
3月、4月に押し目をつけた後は、それまでの高値を超えていることが多くなっています。
NYダウの値動きの傾向を考慮すると、今後は、すぐに上値を抑えられる動きにならず、35510ドルへ到達するか、4月下旬頃までの期間、はっきりとした上昇の流れ作ると考えられます。
現在は勢いの強い上昇の流れへ入っているため、週明け後、上値を抑えられる動きとなっても、小幅調整の範囲内の動き(振れ幅が大きくなっても短い日柄になる)で終わる公算です。
〇 日経平均株価は週明け後に上離れるかが焦点

図表03は、日経平均株価日足です。
日経平均株価は、2月24日に価格が下放れて、上値、下値を切り下げる弱気サインをつけて、下降の流れへ入りました。
その後、一時的な反発を経過しますが、3月2日の高値29996円が戻り高値になって、下降を開始して、弱気の流れを再確認する格好になっています。
3月2日の下げにより、弱気の流れが鮮明になり、30000円の節目が強力な壁になっていることがはっきりしました。
現在も弱気の流れに変化がないなら、目先は、3月2日の大陰線の範囲内が強力な抵抗になって、上値を抑える公算です。
このような壁を抜ける場合、よく見られるパターンは、ギャップを開けて一気に超える展開です。
強気の展開になるなら、週明け後は、寄り付き値が上放れて、今週、一気に2月16日の高値30714円の突破を目指す動きになると考えられます。
寄り付き値が12日の終値29717円以下から始まる場合、その日が高値圏で推移して、翌営業日に大きくギャップを開ける動きになると考えられます。
一方で、週明け後、強く上値を抑えられる格好になるなら、3月中、上値重い動きになる可能性が大きくなります。
こちらの展開になる場合、5月頃までに33000円の達成が難しくなるだけでなく、本年10月頃まで、積極的な上昇場面があらわれないことも考えられます。
なお、目先の価格が上昇を継続する場合でも、上げ過程で、3月8日~9日の下げ幅(646円幅)と同程度の調整があらわれる公算です。
この調整は、戻り高値30714円前後であらわれると考えられます。
目先、3月2日の高値29996円を超える前に、646円幅の下げがあらわれるなら、その動きは、3月5日の安値28308円を試す動きへ入っている可能性が大きくなります。