【NYダウ、日経平均株価が上昇を継続するための条件】
〇 NYダウが5月頃までに33000ドルを目指す条件
NYダウは、2月24日に戻り高値32009ドルをつけた後、反転下降を開始して、2月26日の安値30911ドルまで、1098ドル幅の下げを経過しています。
これまで、「NYダウは、5月、6月頃までの期間で32500ドル以上、33000ドル程度まで上昇する可能性がある」と書いてきました。
今回は、想定の通りに強気の展開になる場合、今後、どのような値動きになる必要があるかについて書いておきます。
答えは単純です。調整がすぐに終わればいいだけです。
何度も書いてきたことですが、NYダウは、6月から9月頃までの期間、上値重く推移するか、下値を試す流れになる傾向があります。1年を通じて上昇している年でさえ、この期間は、積極的な上昇の流れを作っていません。
NYダウが3月以降に1月~3月までにつけた高値を更新してゆくためには、多くの市場参加者が超えられないと思えてしまうような下げがあらわれてはいけません。
しつこいようですが、ピンとこない人のために、同じことを繰り返します。
5月以降に積極的な上昇を期待できないのですから、3月以降に上昇を開始して、緩やかな上げの流れを作り、その後、上昇が勢いづいて、6月以降に新高値を大きく更新する展開を考えにくいということです。5月頃までの時期に、積極的に新高値を更新する展開になる必要があるわけです。
そのためには、価格が下げても、上昇の流れが続いていると多くの市場参加者がわかるような下げで止まる必要があります。

図表01は、5月頃まで新高値を更新し続けるための調整のパターンになります。
上値の重い日柄が長く続く場合、下げ幅が大きくならないか、または、はっきりとした下降の流れを作らないことが重要になります。
下げ幅が大きくなる場合、すぐに押し目をつけて、上昇を開始する動きが必要になります。
NYダウは、2月25日、26日の2営業日で1098ドル幅の下げを経過しています。
1098ドル幅という値幅は、単純に大きいとか、そうでもないとか考えてもしょうがありません。ここでは、過去の値動きを参考に見てゆきます。

図表02は、NYダウの2005年以降の月ごとの変動幅(月の高値から安値までの値幅)を示しています。
2018年、2020年の3月は、値位置が高く、大きく下げたことで変動幅が極端に大きくなっています。
それ以外の年の3月は、1月、2月と同程度の値幅か、それよりも小さい値幅で推移していることがわかります。
本年1月は、高値31272ドル、安値29856ドルで「1416ドル幅」の動きとなっています。2月は、高値32009ドル、安値30014ドルで「1995ドル幅」の動きとなっています。
過去の値動きのパターンを考慮すると、3月が2月の1416ドル幅以上の変動幅になる展開を考えにくいと言えます。
つまり、今後の価格が上昇を開始するためには、1月29日の安値29856ドルへ接近するような下げを経過してはいけないということになります。
2月以上の上昇幅を期待できない状況で、上昇分のすべてを押し戻されてしまうのであれば、積極的な買い人気が離散してしまい、以前の戻り高値以上を目指す展開になりにくいと考えられます。
強気の展開を継続するには、現在の下げが短い日柄で終わり、29856ドルよりもかなり上の地点で押し目底を確認して、再上昇を開始する作業へ入る必要があります。
NYダウは、現在が上昇の流れの途中なら、週明け後、すぐに下値堅さを確認する作業へ入る公算です。
〇 日経平均株価の2月26日の安値が押し目になる理由
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日経平均株価は、現在が上昇の流れの途中なら、2月26日の安値28966円が押し目になって、週明け後の価格が上昇を開始すると考えられます。
以下では、強気の展開になる場合、2月26日の安値が押し目になる3つの理由を書いてゆきます。
1つ目は、調整期間と調整幅です。
図表03、04は、昨年3月に底値をつけた後の日経平均株価日足です。
昨年3月以降の上昇局面では、これまで、2020年3月25日~4月3日(1918円幅)、6月9日~15日(1656円幅)、2021年1月14日~29日(1350円幅)と3回の値幅の伴った調整場面を経過しています。
上値を抑えられた日から調整期間中の最安値をつけるまでの日柄は、順番に、7営業日、5営業日、12営業日となっています。
2月26日の時点では、2月16日の高値30714円から26日の安値28966円までの下げ幅が1748円幅、調整期間が(上値を抑えられた2月16日から数えて)8営業日目となっています。
これまでの調整幅や期間を考慮すると、目先は、2月26日の安値付近で調整を終了すると考えられます。
2つ目は、現在が上昇の流れを継続しているなら、2月16日以降の下げが1月14日から始まる上値、下値を切り上げるジグザグの動きだと考えられることです。
わかりにくいかもしれませんが、1月14日以降の全体が一連の動きということです。
その場合、2月16日以降の下げ幅は、1月14日~29日と近い値幅になるはず(これまでの最大の変動幅1918円幅を超えないはず)です。
すでに1918円幅まで、170円幅に迫る地点まで下げているので、週明け後、一段安を経過せず、寄り付きから上放れて始まると考えられます。
3つ目は、はっきりとした弱気の流れを作って暴落したため、安値圏でもたもたしない可能性が大きいということです。
日経平均株価は、2月16日以降、上値、下値を切り下げるはっきりとした弱気の流れを作り、足型でも「アイランド・トップ」という戻り高値をつける場面であらわれる格好となった後、弱気サインの通りに大幅安となっています。
大陰線をつけた動きは、1営業日で下値の目安になる場所まで下げている可能性を示唆しています。
26日の安値が押し目にならないということは、はっきりとした弱気の流れができて、価格が下げて、下値の目安になる場所に一気に到達したにもかかわらず、値位置でも買いが入らないということです。
そうであれば、目先、26日の安値付近で下値堅く推移したとしても、その後、積極的な買いの入る場所まで下値を掘り下げる動きになると考えられます。
目先、上値重い展開になるなら、3月は、図表04の青の実線のような展開にならないと考えられます。